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SOMEOFTHEM OF PODCAST 第11回「ギョッとするカバーソング」特集(後編)

カンノアキオとオノウエソウによる、SOMEOFTHEMのポッドキャスト番組『SOMEOFTHEM OF PODCAST』を配信しています。こちらではその書き起こしを前編、後編に分けて掲載します。第11回はカンノが聴いてギョッとしたカバー曲を紹介する「ギョッとするカバーソング」特集の書き起こし(後編)を掲載します。ポッドキャストと(前編)は下記リンクから。

 

 

カンノ:続いてのカバー曲は、オノウエ君が教えてくれたやつですね。

オノウエ:おっ、なんだろう?

カンノ:あまりにもよくわからない人たちだったので、いろいろ調べてみました。B.B.S.B.(バスケットボールストリートボーイズ)という人たちによるm-floのカバーです。「come again」

カンノ:これはなんですか?

オノウエ:アハハハハッ!

カンノ:もともとは何なの?

オノウエ:僕がたまに出させてもらってるDJイベントで、なにを選曲しようかなと思ったときに、そのときは全曲m-floの「come again」のリミックスとかカバーを使ってやろうと思っていろいろ調べたの。そのなかにこれがあって、「こんなの見つけたぞ」とカンノに連絡を入れました(笑)

カンノ:それでこの人たちのことを調べてみたんですが、この曲が収録されているアルバムはOVERLAP RECORDというレーベルからリリースされていて、ほかにどんなCDが出てるかというと、『カフェで聞きたいJazz Violin』とか『午後のBossa cool&Sweet』とかが出てました。

オノウエ:より訳がわからない(笑)

カンノ:だから軽薄インスト集ですね(笑)

オノウエ:いわゆるBGMもの。

カンノ:そういうものを出しているところからリリースされてましたね。

オノウエ:それも不思議な話ですね(笑)

カンノ:この曲で僕が気になるところは、デスボイスm-flo crew is the 集団」って歌ってて「嘘じゃん」って思いました(笑)

オノウエ:僕が聴いてビックリしたのは、「あのラップ部分をこれにするんだ」っていう。

カンノ:デスボイスで(笑)

オノウエ:初めて聴いたときに想像しない展開じゃん(笑)思わず笑っちゃうよね。「マジか…」っていう(笑)

カンノ:意外と原曲に忠実なんだよね。

オノウエ:展開とかね。

カンノ:原曲も節操ないじゃん。組曲みたいな作りだからさ。

オノウエ:「come again」自体がLISAパートとVERBALパートでトラックが違うからね。

カンノ:その感じをそのままトレースしたような曲にはなってるよね。

オノウエ:たしかに、デスボイスのパートが終わってメロのパートになったときの爽快感は「come again」と一緒だよね。「戻ってきた」っていう(笑)

カンノ:これはラウド系のミュージシャンがクラブミュージックに手を出したパターンだと思うんですけど、なにか別ジャンルのものに手を出すとギョッとすることって多いかなと思います。そういう意味でこの曲を紹介したいです。お聴きください、UNCHAINで「狩りから稲作へ」

オノウエ:UNCHAINが帰ってきましたね!

カンノ:この曲が入っているカバーアルバムだけSpotifyで配信されてなかったんですが、やっと聴けるようになってました!

カンノ:マジでやる必要のないカバー!

オノウエ:UNCHAINといえば、前身番組時代からずっと言ってましたが、「なんでこれをやったのか?」という謎カバーの宝庫でしたから(笑)そのなかでもトップクラスの謎カバー(笑)

カンノ:もう意味がわからない!

オノウエ:レキシをカバーするってさ…

カンノ:ミュージシャンであるならば、レキシをカバーすることには躊躇いがあると思うんだよ。

オノウエ:普通は怖くてできないよ。

カンノ:それを「俺たちがレキシやったらおもしろくない?」っていう魂胆が見え透いてしまう(笑)

オノウエ:アハハハハッ!

カンノ:なんだろ、本当にこの人たちはなんでもやるんだね。

オノウエ:なんでもやる人たちだとは思ってたけど、まさかここまでやるとは…

カンノ:だって自分たちで「狩りから稲作へ」をやって、まだその”おもしろ”が担保されると思ってるんでしょ?その自信はどこから来るの?だってレキシがやるからおもしろいやつだもんね。

オノウエ:レキシ以外の人がやって「よくなる」って誰も思わないよね。

カンノ:カバーって「この手札を切る」という意識が重要じゃん。そこに考えが及んでない感じがね。

オノウエ:それで「上手い!」っていう。

カンノ:「上手い!」って「つまんない!」だから。さっきの梅田サイファーの「SAKURA」もそうだけど、「上手いはつまらない」っていうことにカバー曲ってすごく陥りやすい。上手いものを聴かされた瞬間、その音が右から左へ通り過ぎていく。だからBGM化する。これは上手い故に。ちょっと下手なほうが印象に残る場合があるから。

オノウエ:言ってることはわかるね。

カンノ:さっきの「come again」のほうが残るじゃん。力づくだし。

オノウエ:そうだね。だから「狩りから稲作へ」のカバーを聴いて、「上手くてどうするんだ」っていうね。

カンノ:これを指摘し続けることが、カバー曲を聴く者としての特権というか使命ですね。ということで「ギョッとするカバーソング」特集でした。

オノウエ:今週も流石でしたね。

カンノ:フジテレビに『ほんとにあった怖い話』という番組がありますが、「ほんとにあったカバーソング」特集ですね(笑)

オノウエ:また最後に特集変わっちゃったよ(笑)

カンノ:これは良いタイトルですね(笑)「ほんとにあったカバーソング」特集、略して「ほんカバ」(笑)次回からはこれでいきたいと思います。

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『SOMEOFTHEM OF PODCAST』はパーソナリティーのカンノアキオと聞き手のオノウエソウが、最新J-POPやちょっと懐かしい曲をクイズやゲーム、時には曲同士を戦わせつつ(?)、今までになかった音楽の切り口を発見しようとする音楽バラエティ番組です。感想は是非「#サムオブ」をつけてツイートしてください!ポッドキャスト版では番組の最後に4択のJ-POPクイズを出題していますので、是非そちらもお聞きください!

サムオブ井戸端話 #136『J-POPが嫌いだったときを思い出す』(後編)

SOMEOFTHEMのメンバーであるカンノアキオ、YOU-SUCKで音楽にまつわる井戸端話の文字起こしを毎週アップします。

 

J-POPが嫌いになったときのことを語るサムオブメンバー。後編では、カンノメンバーがもともと好きだったお笑いやヒップホップがブームになったことによって、好きなものが誰かに取られてしまった感覚について語りました。前編は下記リンクから。

 

 

カンノ:虐げられるっていうことではないんだけど、僕にとってそれはお笑いかもしれない。今「ラジオリスナー」と呼ばれる人たちと僕は全然話が合わない自信があるの。ラジオリスナーと呼ばれる人たちと全然一緒にされたくない(笑)

YOU:フフッ。

カンノ:で、今僕が言った「ラジオリスナー」という言葉の頭には”お笑い”って言葉がつくの。僕は今、お笑い芸人のラジオを全然聞いてなくて。音楽のラジオばかりを聞いてる。でもこの「ラジオリスナー」という言葉のニュアンスって「オードリー好きなんですか?リトルトゥースなんですか?伊集院は?爆笑問題は?」みたいなことだと思うのよ。もうそのあたりは全然聞いてない。僕が今聞いてるのは、桑田、ヤマタツ草野マサムネクリス松村

YOU:もう20代があまり聞いてなさそうな番組ばかりだよね(笑)

カンノ:でも今のラジオリスナーって確実に頭に”お笑い”がつくからね。

YOU:みんなお笑いだもんね。

カンノ:虐げられるではないんだけど、好きだったものがずっと誰かに取られちゃってる気がする。ここ最近だとお笑いとヒップホップがそうかも。ずっと好きでコソコソ見たり聞いたりしていたものが、なんだか力のある人に取られちゃったような気がする。で、自分がそのジャンルにおいて思い描いていた世界にどんどんならなくなっていった。

YOU:なるほど。

カンノ:それは一時期、邦ロックもそうだった。2000年代後半くらいに目新しさを感じなくなっちゃって。そのときに邦ロックを聴くのをやめて、インディーズの日本語ラップを聴くようになっていった。ただ、ここ数年で価値観が統一されちゃって、ラップとトラックの「これがいい」が確定されちゃった感があって、「オルタナティブなものが見られなくなったな」と思ってね。お笑いも同じ感じ。

YOU:「お前、それ全然好きじゃなかったじゃん」みたいな人に自分が好きだったものを取られちゃった感じがあるってことね。

カンノ:その文化やジャンルが流行った途端に、自分が思い描いていたことにならなくなっていった、ということは結構あるかも。ラジオもね。だって誰も聞いてなかったから聞いてたんだもん。で、みんなが聞くようになって「こっち行っちゃったな」と思ったから聞かなくなった。お笑い、ヒップホップ、ラジオ。テレビもそうだったけどね。だから文化やジャンルのことについて、基本誰とも話したくないのかも(笑)

YOU:そうだよね。いまやカルチャー的なものを話すのにも、関係性が必要な感じがするよね。よほど気の合いそうな人じゃないと細かいギャップで躓いちゃう。

カンノ:好きなもの同士のはずなのに、話が詰まっちゃうと余計にストレスだからね。「それ、どういうこと?」みたいなのも面倒だし。だからあんまり喋んなくなっちゃった(笑)

YOU:面倒臭くてね(笑)

カンノ:あと「良いものは良いって言えばいいじゃん」という世界とか嫌い(笑)だって、みんなが「良い」って言うものが「嫌」なんだから。

YOU:わかるわ~。

カンノ:こういう感覚ってあるでしょ?

YOU:でも、もうそれを言えなくなってる空気だよね。

カンノ:オードリーが東京ドームで5万人集客してライブやってたけど、「それが嫌」って言う人もいたっていいじゃん。「そんなのラジオじゃない!」とか(笑)

カンノ:もちろん、オードリーがラジオで東京ドームを埋めるのは素晴らしいことだよ。でも、「5万人集めるラジオ番組って果たして本当に好きだったっけ?」って思ってしまう。あと僕は、深夜ラジオは、年齢を重ねたら、どこかで卒業したほうがいいものという古臭い考えを持ってる人間なので。

YOU:わかるよ。だってオードリーって2人とも子どもいなかったっけ?

カンノ:いるよ。

YOU:その状態で深夜ラジオってなにも言えなくない?

カンノ:その温度感がちょうどいいんじゃない?「なにも言っていない」の温度感のちょうどよさってわかるし。「友達同士の話の感じがすごく好きです」っていうコンテンツって多いじゃん。現に、今僕らはこうやってリモートで収録してますけど、僕の画面の後ろのほうでテレビをつけっ放しにしてますが、そこではずっとタイムマシーン3号YouTubeを無音で流してますから(笑)

YOU:一種のアンビエントだね(笑)

カンノ:タイムマシーン3号YouTubeを流すことで、後ろで友達がなにか喋っているという感覚で僕は作業してたりするから。だから、「友達同士の話の感じが好き」ってこの程度の温度感なんだよ。それが僕にとってはタイムマシーン3号YouTubeだし、ほかの人からしたらオードリーのラジオ、ほかの人は爆笑問題、ハライチ、バナナマン霜降り明星…。まぁ、お笑い芸人が強いんだろうけどね。YouTuberでもいいですよ。なんでもいいんだけど、それを何個も持つものでもないな、とは思うかな。

YOU:わかるし、それをむやみやたらに他人と共有したいとも思わない。

カンノ:共有って強要されるもんね。

YOU:でも難しいのは、誰かが共有しないと知り得ないことばかりだよね。誰かが共有してくれるから、自分が好きなものが見つけられる。恩恵を受けている。

カンノ:そうだね。でも、自分が好きなものの話はべつに誰ともしたくないですね(笑)

YOU:カンノの場合は、その感覚を腹に据えてもの作りするのがいいんだろうね。

カンノ:今日話してていろいろ思い出した。好きだったものが誰かに取られて嫌いになっていく感覚は本当にある。すべては自分の勝手だから。他人には関係ないからさ。「わかろうとしないでいいよ」っていう。自分の中で好き嫌いは移り変わるんですよ。じゃあ逆にJ-POPが好きになっていく方向でいうと、KICK THE CAN CREWRIP SLYMEが2000年代のJ-POPの世界で現れたとき、新鮮だったもん。ラップという歌唱法が。たとえばKICK THE CAN CREWの『マルシェ』というマキシシングルが一番最初にお小遣いで買ったCDだったけど、超かっこよかったんだよ。でも今聴くとサビが「上がってんの? 下がってんの? 皆はっきり言っとけ!(上がってる!)」だよ(笑)これを「かっこいい!」と思うという(笑)

YOU:フフッ。

カンノ:そのJ-POPっぽいものと、でも掛け合いのラップは非常にスキルフルという。その結果「ラップって楽しいな」と思わせること。そういうところからだんだんとMステも普通に見れるようになったりするんだけど、最初は「音楽ってつまんねえな」と思ってた。その感覚を久々に思い出しました。

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SOMEOFTHEM OF PODCAST 第11回「ギョッとするカバーソング」特集(前編)

カンノアキオとオノウエソウによる、SOMEOFTHEMのポッドキャスト番組『SOMEOFTHEM OF PODCAST』を配信しています。こちらではその書き起こしを前編、後編に分けて掲載します。第11回はカンノが聴いてギョッとしたカバー曲を紹介する「ギョッとするカバーソング」特集の書き起こし(前編)を掲載します。ポッドキャストは下記リンクから。

 

 

カンノ:今回は久々にカバーソング特集をやりたいなと思います。

オノウエ:たしかに久々ですね。かつてはカバー番組でしたから。

カンノ:前身番組時代はほぼカバー曲しか流してないですから(笑)まぁ、いろんなカバー曲があるんですが、正直「んんっ?」と疑問に思うカバー曲もいっぱいあります。ただ、もっとそれを超えてくる「うわっ!」「こわっ!」と思うカバー曲もいくつかあります。ということで今回は「ギョッとするカバーソング」特集をやりたいなと思います。

オノウエ:なるほど(笑)

カンノ:まず1曲目なんですけど、今年ギョッとしたカバーソングからいきたいと思います。厳密に言うとカバーじゃないんですけど、お聴きください。梅田サイファーで「SAKURA」

オノウエ:なかなか強いものを持ってきましたね。

カンノ:聴いてる人はわかりますかね?これにギョッとする感覚。

オノウエ:たしかに結構難しいかもね(笑)

カンノ:オノウエ君はわかるよね?

オノウエ:わかりますよ。これはすごいですね。

カンノ:まずは一旦概要を説明します。今年の2月14日にリリースされたトリビュートアルバム『いきものがかり meets』に収録された楽曲です。

カンノ:ここで梅田サイファーがいきものがかりの「SAKURA」をサンプリングして、そこにラップを乗せた楽曲です。

カンノ:ちなみにこのトリビュートアルバム、最高です。J-POPのいろんな面が見られる素晴らしいアルバムで、そこに梅田サイファーの「SAKURA」が収録されてるわけですが、誤解を恐れずに言うと、この曲は個人的に今年のワーストです。

オノウエ:アハハハハッ!「誤解を恐れずに」と前置きしたけど、ストレートに言いましたね(笑)

カンノ:この曲を聴いて最初に思ったのは、いものがかり「SAKURA」というJ-POPの王道曲に、血気盛んな若者が混ざるとまったくろくでもないことになるという。

オノウエ:なるほどね(笑)

カンノ:でね、『いきものがかり meets』というアルバム自体が楽曲の解釈も全部、プロデューサーとか編曲家とかに委ねてて、「どうにでもしてください」というスタンスだから、このアルバムがおもしろいのは、すげえ良い曲とすげえ悪い曲と何にも残らない曲がまだら模様に入ってて、実験作として100点。

オノウエ:なるほど。

カンノ:実験作として超最高、本当に正しい姿勢だと思う。で、梅田サイファーがまったく歌う必要のないことを歌っていることも含めて、実験作として最高。

オノウエ:はいはい。

カンノ:僕が思うにこれは、ただテクニックの上がったケツメイシの「さくら」だと思う。

オノウエ:それでいうと、もはやケツメイシの「さくら」ですらないというか、たとえば、元のいきものがかりの「SAKURA」に寄せるならもっとストリングスを入れたり、それこそケツメイシの「さくら」っぽいトラックにすればいいし。で、「なんでこんなトラックにしたんだろう?」って思った。

カンノ:今っぽいトラックのうえで、今っぽいラップをやってるのがヤバい。

オノウエ:なんでそれを「SAKURA」でやってるのかが不思議。

カンノ:本当に梅田サイファーは仕事選んだほうがいいと思う。

オノウエ:そうだね(笑)どっちもじゃない?いきものがかりも頼まないほうがいい。

カンノ:これがいきものがかりの悪い癖の部分だと思うけど、今のトレンドを意識したことの失敗。

オノウエ:オファーをするな、しても受けるな。

カンノ:この曲は何かことわざになる気がするんだ。

オノウエ:なるほどね(笑)「結果的に上手くいかない様」みたいな(笑)

カンノ:いろんな意味を全部ひっくるめて、実験作として最高でギョッとしたという曲ですね。では続いてのギョッとしたカバー曲。これはオノウエ君もギョッとしたことがあります。

オノウエ:おっ、そうですか。

カンノ:それではお聴きください、槇原敬之で「夢の中へ」

オノウエ:これもすごい!

カンノ:みなさんが今お聴きのイヤホンないしヘッドホンの不調ではございません。正常です。不調なのはマッキーです。

オノウエ:そうですね(笑)

カンノ:急に音が大きくなるんだよ。

オノウエ:なんでこんなサイケデリックな音になるの?

カンノ:そもそも都市伝説的に言われているのは、「探しものは何ですか?」と歌われていますが、ガサ入れの曲って言われてるじゃないですか。まぁ、そりゃこんな曲聴いたら見つかるよ。

オノウエ:このバージョンを聴いたらね(笑)

カンノ:そうですよ。

オノウエ:なんで途中でフェイザーが「キュイーン」ってかかったりするんだろう(笑)

カンノ:「さぁ~~~~」

オノウエ:最後のね(笑)

カンノ:声だけ残ったんだよ(笑)

オノウエ:「風邪を引いたときに見る悪夢」っていう例えってあるじゃないですか。この曲のことだよね。

カンノ:「風邪を引いたときに見る曲」

オノウエ:それが「夢の中へ」ってヤバいね。

カンノ:アハハハハッ!

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『SOMEOFTHEM OF PODCAST』はパーソナリティーのカンノアキオと聞き手のオノウエソウが、最新J-POPやちょっと懐かしい曲をクイズやゲーム、時には曲同士を戦わせつつ(?)、今までになかった音楽の切り口を発見しようとする音楽バラエティ番組です。感想は是非「#サムオブ」をつけてツイートしてください!ポッドキャスト版では番組の最後に4択のJ-POPクイズを出題していますので、是非そちらもお聞きください!

SOMEOFTHEM OF PODCAST 第10回「闇堕ちミュージシャン」特集(後編)

カンノアキオとオノウエソウによる、SOMEOFTHEMのポッドキャスト番組『SOMEOFTHEM OF PODCAST』を配信しています。こちらではその書き起こしを前編、後編に分けて掲載します。第10回はリスナーを明るくさせるはずのJ-POPミュージシャンが、すごく暗い歌を歌っている楽曲を紹介する「闇堕ちミュージシャン」特集の書き起こし(後編)を掲載します。ポッドキャストと(前編)は下記リンクから。

 

 

カンノ:続いての闇堕ち曲をお聴きください。大塚愛で「つくね70円」

カンノ:シングル『黒毛和牛上塩タン焼680円』のカップリング曲です。

オノウエ:あったね~。

カンノ:これはCD発売当時は歌詞表記がなかったみたいです。

オノウエ:へぇ~。

カンノ:これがサブスクになると見られます。で、曲を聴いてもらいましたがほぼノイズです。

オノウエ:なにを歌ってるかわからないようにされてましたね。

カンノ:「ずっとくわえていたい味 あなたまだ動いてるこれ ずっとくわえていたい味 ああずっとくわえたい」「溢れるゴムを お腹いっぱいいっぱいいっぱいいっぱい…」「だからLove Juiceならアンアン」と歌ってます。というくらい、つくねが美味しいという。

オノウエ:アハハハハッ!

カンノ:肉汁がね。もうここで言う「肉汁」はダメだろっていう(笑)

オノウエ:「黒毛和牛~」のほうも直接的じゃないにせよ、そういう感じだったよね。

カンノ:大塚愛の思われているイメージ像を壊したかったんだろうね。当時はアイドル歌手みたいな見られ方だったわけじゃん。可愛らしい女の子像をぶっ壊すための装置としてのシングルだったんだよね、きっと。

オノウエ:だから「黒毛和牛~」は若干エロチックな暗喩が入った歌詞になっていたのが、「つくね70円」はより直接的になっていったんだね。で、この曲、普通にかっこいいし好きだな。

カンノ:良いときの椎名林檎を思い出すよね。

オノウエ:そうそう!

カンノ:そんな大塚愛さんの曲でした。では続いて、正確には闇堕ちではないんだけど、落ちていく曲を流したいなと思います。なにかの真ん中に落ちていく曲です。

オノウエ:なに?蟻地獄みたいなこと?(笑)

カンノ:ちょっと聴いてみてください。ACIDMANで「廻る、巡る、その核へ」

オノウエ:これは闇堕ちなんですか?

カンノ:これは闇堕ちというか、自然と一体化。

オノウエ:闇堕ちじゃないじゃん(笑)

カンノ:闇堕ちというか、地球のコアにACIDMANドリルがキュイーンと向かってる感じ。

オノウエ:ACIDMANドリル…(笑)

カンノ:地中深くへ…(笑)

オノウエ:それは映画『ザ・コア』みたいな…

カンノ:船員が一人ずつ死んでいくんですよ!あのね…

オノウエ:その話は関係ないから!

カンノ:日曜洋画劇場木曜洋画劇場でやってたんですよ。『ザ・コア』という2003年公開の…

オノウエ:もういいです!

カンノ:あの映画って大江戸線の開通のドキュメントだよね?

オノウエ:地中深いからね(笑)

カンノ:大江戸線新宿駅がどう作られたかという映画です。

オノウエ:違うよ!

カンノ:あの曲10分くらいあるから、ちょうど地上からホームに着くまでの尺だよね。

オノウエ:たしかにそのくらいだね(笑)

カンノ:この曲だけ闇堕ちじゃなくて、エクスタシー楽曲ですね(笑)

オノウエ:お前、ACIDMANが好きなだけだろ(笑)

カンノ:ACIDMANというよりは、自然を愛しすぎているバンドがいるっていうことだよね(笑)ということで今日はネイチャーバンド特集でした。

オノウエ:最近、コロコロ特集が変わるね(笑)

カンノ:飽きちゃうの(笑)ということで「闇堕ちミュージシャン」特集でございました。

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『SOMEOFTHEM OF PODCAST』はパーソナリティーのカンノアキオと聞き手のオノウエソウが、最新J-POPやちょっと懐かしい曲をクイズやゲーム、時には曲同士を戦わせつつ(?)、今までになかった音楽の切り口を発見しようとする音楽バラエティ番組です。感想は是非「#サムオブ」をつけてツイートしてください!ポッドキャスト版では番組の最後に4択のJ-POPクイズを出題していますので、是非そちらもお聞きください!

サムオブ井戸端話 #135『J-POPが嫌いだったときを思い出す』(前編)

SOMEOFTHEMのメンバーであるカンノアキオ、YOU-SUCKで音楽にまつわる井戸端話の文字起こしを毎週アップします。

 

前回の井戸端話で「J-POPが嫌いになったときのことを次に話そう」となったサムオブメンバー。そもそもMステが嫌いだったカンノメンバーと、多感な思春期の人間関係によってJ-POPが嫌いになったYOU-SUCKメンバーで、なぜJ-POPが嫌になったかを語りました。

 

 

カンノ:先ほどまで、「J-POPと体調」というタイトルの井戸端話をしておりました。

カンノ:そこでは、音楽を聴いているときの悦の浸り方の話になったとき、マニアックで知的好奇心をくすぐるような音楽を聴いて悦に浸る気持ちと、いわゆるJ-POPを聴いて悦に浸る気持ちって、次元は違うかもしれないけど同じなのではないかという話をしたときに、YOU-SUCKメンバーから「リスナーを突き放してくるミュージシャンっているよね」という話が出ました。加えて、「そういうミュージシャンを好きになるときは、これまで普通に聴いていたJ-POPミュージシャンを嫌いになるときだ」という話が出たので、一旦区切って、これから改めて深堀りして話そうということになりました。

YOU:J-POPが嫌いになるのって通過儀礼っぽいよねという話ですね。

カンノ:この話になった途端、すごく思い出したことがいっぱいありました。このサムオブ井戸端話も130回を超えて、2年くらい続いてます。ずっと音楽についてのおしゃべりを記事にしていますが、「そもそも子どものころの僕たちはそんなに音楽を聴く人たちだったっけ?」っていうね。少なくとも僕は音楽とかJ-POPが好きな人間じゃなかった。むしろ嫌いでした。それを思い出した。まず僕はMステが嫌いでしたから。

YOU:へぇ~、そうだったんだ。

カンノ:ひな壇にいろんなミュージシャンが座っていて、出番になったら歌って、ひな壇にいる人がそれを聴くのを毎回繰り返すじゃん。全部嘘臭くて嫌いだったんだよね。

YOU:そういう理由で嫌いだったんだ(笑)

カンノ:さっきの話のテーマで散々J-POPミュージシャンの話をしてきたけど、そもそもMステに出るようなミュージシャンが嫌いだったんだよね。

YOU:俺らが中学生のときって、クラスでORENGE RANGEとか大塚愛が流行ってて、みんな聴いてたじゃん。

YOU:で、中学生のときってスクールカーストがうっすら意識され始める時期じゃないですか。クラス内のイケてるやつとイケてないやつの格差、彼氏彼女ができるやつとできないやつで分かれてしまう話。で、当然僕はイケてない側だった。流石に今、大人になってそれを引きずったりしているわけではないけどね。で、イケてないやつを虐げるイケてる側の人間が聴いてたのが当時流行っているJ-POPだった。最初は普通に俺もJ-POPを好んで聴いてたんだけど、だんだんムカつくようになってくる。「虐げるやつが関わっているものはクソだ」みたいな気持ちになる。「だったら俺は違うものを聴いてやる」という逆張り的な気持ちで、クラスの数少ない友達から教えてもらったアジカンストレイテナーをはじめとした、ロッキング・オン・ジャパンにとりあげられるバンドを聴き始めるんですよ(笑)

カンノ:それは中学生のとき?

YOU:中3くらいだね。だから「こいつらとは違うものを選んでいる」という感覚だよね。もちろん今にして思えばかわいいもんだし、2005年くらいのアジカンストレイテナーならイケてるやつだて普通に聴いてたと思うけど(笑)だけど、「お前らが聴いてるものより、俺が聴いてるもののほうが重いぞ」という気持ちがあったというか。そういう意味でいうとJ-POPが嫌いというよりは、J-POPが受け入れられている土壌が嫌いだったかも。「お前らノッてるし聴いて感動してるっぽいけど、お前らのやっていることは本当にクソみたいなものだぞ」と思っていた気がする。「俺は違う」と。もちろんこれを「ただの中二病」と切り捨てることは簡単だしそれは正しいけどね。で、「俺は違う」と思ったときに、「この違った俺を受け入れてくれる音楽もあるはず」って思ったんですよ(笑)

カンノ:アハハハハッ!

YOU:それがART-SCHOOLとかSyrup16gとかね。

YOU:もちろん、何かが嫌いだから、別のなにかを好きになるっていうのは、また違った問題があると思うけど。でも今になって、この一度なにかを「嫌いだ」と思うこと、そうじゃない別のなにかかを逃げるように好きになるのは、自分にとって必要だったと思ってるんだよね。むしろ嫌いになってよかったなとも思うし。だって自分が虐げられているやつと同じものを好んで聴いてたりしたらさ、今後もそいつらとずっと同じ価値観なのになんとなく虐げられ続けていくわけでしょ。超辛いよ、そんな人生は(笑)

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SOMEOFTHEM OF PODCAST 第10回「闇堕ちミュージシャン」特集(前編)

カンノアキオとオノウエソウによる、SOMEOFTHEMのポッドキャスト番組『SOMEOFTHEM OF PODCAST』を配信しています。こちらではその書き起こしを前編、後編に分けて掲載します。第10回はリスナーを明るくさせるはずのJ-POPミュージシャンが、すごく暗い歌を歌っている楽曲を紹介する「闇堕ちミュージシャン」特集の書き起こし(前編)を掲載します。ポッドキャストは下記リンクから。

 

 

カンノ:はい、「闇堕ちミュージシャン」特集~!

オノウエ:それはなんですか?

カンノ:闇に堕ちたミュージシャンを紹介します。

オノウエ:説明になってねえよ(笑)

カンノ:これは言葉で説明するよりも、曲を聴いてもらったほうが早いです。まずは昨年リリースされたMr. Childrenの『miss you』というアルバムがあります。

カンノ:これがまぁ、暗いアルバムで。もうここから5曲流していいかなと思ってるんですけど。

オノウエ:なるほどね(笑)

カンノ:そのなかから1曲聴いてもらいましょう。Mr. Childrenで「アート=神の見えざる手」

オノウエ:歌ってるのは桜井和寿さんですよね?

カンノ:そうですよ。

オノウエ:フィーチャリングをしてるとかじゃないんですよね?

カンノ:違いますよ。Mr. Childrenの曲です。

オノウエ:これがミスチルか、全然知らなかった…

カンノ:桜井さんも50代半ばですか。息子さんも俳優デビューされて、一人立ちされて、メディアでもご活躍です。だから、まぁ、育て切ったわけですよ。そういうときだからこそ、ふと虚無感が襲ってきたのかなと。

オノウエ:子育てが終わった虚無感?(笑)

カンノ:なにかやり切った人の虚脱感と言いましょうか。「僕はタイアップソングをやってきたけど、本当にそれでよかったのか…?」

オノウエ:アハハハハッ!

カンノ:これまでがむしゃらだった人って、ふと立ち止まるときがあるじゃないですか。

オノウエ:なるほど、今までは家族のためにタイアップ曲を頑張ってきたと。

カンノ:もっと言うと、大衆のためとかね。その分、「俺って何だったっけ?」という思いに立ち返っちゃうときってあるのかなと。

オノウエ:一段落して立ち止まっちゃったんだ。そうなったらこんな感じの曲になった。

カンノ:立ち止まったら、D.O.みたいなフロウになった(笑)

オノウエ:アハハハハッ!

オノウエ:「手首に刃物を当てて」みたいな歌詞があったよね?

カンノ:あれは途中でピー音が入って「ペ〇ス」と歌ってます。

オノウエ:アハハハハッ!

カンノ:今ここでちゃんと言いました(笑)ということで、Mr. Children『miss you』というアルバムは全曲タイアップなし。それ以前に発売されていたシングル曲もアルバムには収録されず、全曲新曲というかたちのアルバムでした。これが昨年リリースされました。

オノウエ:なるほど。

カンノ:ものの例えとして、syrup16gが「闇堕ちしたMr. Children」なんて言い方をされていましたが、これは「Mr. Childrenが闇堕ちした」です。

オノウエ:アハハハハッ!それはミスチルのことだもんね。

カンノ:これは例えではない(笑)

オノウエ:闇堕ちした結果、シロップではなかったわけだ。D.O.だった(笑)

カンノ:これはめちゃくちゃおもしろいアルバムなので是非聴いてください。では次の曲です。これは前身番組でも流しましたが、もう一度聴きましょう。SEKAI NO OWARIで「Like a scent」

オノウエ:前身番組のときはどんな企画でしたっけ?

カンノ:「MCフガ in da house へへッ」特集。

オノウエ:これを5回流したんだ(笑)

カンノ:たしかキャラ変特集ですね。

カンノ:今、答え合わせ的に思うんだけど、これを経ての「Habit」な気がするんです。

カンノ:さっきのミスチルと比べると、これはまだ芸能物としてのラップというか、このアプローチがヒップで、それをSEKAI NO OWARIというメジャー路線の人たちがあえてこのようなカウンターを打つというか、闇堕ち側をやるという曲。だから結局サビとかも綺麗なんだよね。

オノウエ:そうだね。

カンノ:刺激的なことを歌うことのありかたも、ミスチルほど深刻じゃない。あくまで暗キャラ。その暗いキャラと大衆動員の一番の高みが「Habit」だったと思うの。暗いけどポップで皮肉が効いてる。たしか2年前の紅白でセカオワが「Habit」を歌ったと思うんですが、昨年はYOASOBIの「アイドル」が紅白で”アイドル”というものをメタ的に捉えたパフォーマンスが話題になりましたね。

カンノ:で、その前にセカオワが”ダンス”をメタ的に捉えたんだよね。あの踊りを郷ひろみがやったんだから。

オノウエ:そうだよね。

カンノ:やっぱりあの振付はダンス皮肉だと思うんだよ。「良いダンスを見せる」ということで機能はしてないと思う。再生回数を稼ぐために作られたことをちゃんと表現として表したダンス楽曲。悪意的だと思う。その悪意が飲み込んだ。

オノウエ:そういう観点ね。

カンノ:その悪意が昨年の「アイドル」まで響いたってことだと思う。で、そう育つまでの過程として「Like a scent」ってあったのかなと思いました。

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『SOMEOFTHEM OF PODCAST』はパーソナリティーのカンノアキオと聞き手のオノウエソウが、最新J-POPやちょっと懐かしい曲をクイズやゲーム、時には曲同士を戦わせつつ(?)、今までになかった音楽の切り口を発見しようとする音楽バラエティ番組です。感想は是非「#サムオブ」をつけてツイートしてください!ポッドキャスト版では番組の最後に4択のJ-POPクイズを出題していますので、是非そちらもお聞きください!

SOMEOFTHEM OF PODCAST 第9回「好きなカップリング曲」特集(後編)

カンノアキオとオノウエソウによる、SOMEOFTHEMのポッドキャスト番組『SOMEOFTHEM OF PODCAST』を配信しています。こちらではその書き起こしを前編、後編に分けて掲載します。第9回はカンノが好きなカップリング曲をただただ流していく「好きなカップリング曲」特集の書き起こし(後編)を掲載します。ポッドキャストと(前編)は下記リンクから。

 

 

カンノ:続いてラップ曲を聴きましょう。RIP SLYMEで「ナイトライダー RIP SLYME ver.」

カンノ:「今、一番仲直りしそう」でバズった人たちですよね?

オノウエ:それ以前から売れてますよ(笑)

カンノ:その昔、「リップスライムとくるり」というコラボレーションがありました。その名義でのシングル『ラヴぃ』のカップリング曲です。ちなみに「ラヴぃ」はオノウエ君が嫌いな曲でお馴染みですね。

オノウエ:違いますよ!(咳込む)

カンノ:ほら!虫唾が走ってる。口から虫唾が出てる。

オノウエ:虫唾ってそういうことじゃないです(笑)

カンノ:これはくるりのデモ音源のなかからRYO-Zさんが「これにラップ乗せたい」ということで楽曲化された、というのをどこかで読んだ覚えがあります。ソースは忘れました。

オノウエ:フフッ。

カンノ:これにラップが乗ると思った感覚、素晴らしいですよね。

オノウエ:「ナイトライダー」って別バージョンもありますよね。

カンノ:「くるりとリップスライム」名義のシングル『Juice』のカップリングにくるりバージョンの「ナイトライダー」が収録されています。

オノウエ:さっき「ラヴぃ」が好きじゃないという言い方をされましたが(笑)、僕は「Juice」がすごい好きだったんです。だからくるりバージョンの「ナイトライダー」がカップリング曲だから当然聴くじゃないですか。そのときは渋い感じの曲だなと思ったんですよ。で、RIP SLYMEバージョンもあることを知って聴いて「なんじゃこりゃ!」と思った記憶がありますね。

カンノ:そうですか。くるりバージョンとのギャップで?

オノウエ:そうそう。まずラップから始まるし、あのギターリフも入ってくるし、そもそもこの曲にラップが乗っていることにビックリしたの。

カンノ:そう、すごいよね。これにラップを乗っけられると思ったRYO-Zさんの感性ヤバいよね。まぁ、ソースがわからないのでそもそも情報が間違ってる可能性は高いんですけど(笑)しかもこれ、リップに合うんだよね。気が抜けてるのにバイクで飛ばす人の歌。この温度感がすげえ絶妙だよね。僕は正直、くるりバージョンの「ナイトライダー」はあまり好きではなくて。ちょっとくるりの手癖感が強いじゃん。あまりにくるり的な教科書な気がしていて。ただそこにRIP SLYMEという異分子が入るととんでもないことになるという。そういう意味で好きな曲ですね。

オノウエ:なるほどね。

カンノ:では続いての好きなカップリング曲。風味堂

オノウエ:風味堂!これまた懐かしいね。

カンノ:令和6年に風味堂の話をしているのは一体どこにいるんだ?ここです!風味堂の話をしましょう。それではお聴きください、風味堂で「LAST SONG」

カンノ:この曲は2006年のシングル『クラクション・ラヴ ~ONIISAN MOTTO GANBATTE~』のカップリング曲です。

オノウエ:ローマ字表記ですね(笑)

カンノ:表題曲がこんな感じだから風味堂ってダメだったと思うんですよ。

オノウエ:ダメだった(笑)

カンノ:「軽薄方向でダサくやってます~」で半笑いみたいな曲なんてやらなくていいのに。ちゃんとガチなものが聴きたかったなと個人的には思うんですけどね。で、ここ最近はなぜかオノウエ君と風味堂の話ばかりしている気がする。

オノウエ:そうだね(笑)

カンノ:オノウエ君は「眠れぬ夜のひとりごと」ですけど。

オノウエ:いや~、あの曲は素晴らしいですよ。

カンノ:ソウルフルな歌の良さは、僕ら共通で好きじゃないですか。風味堂は早かったよね。それが「軽薄です」っていうブランディングが良くないなと。もちろん、それが聴かれやすいのかもしれないけどさ。

オノウエ:シングルにしやすいとかね。

カンノ:たとえば「LAST SONG」の歌詞のシリアスさとサビへの持って行き方とかが好きだからさ。これがカップリングなんだよな。アルバムにも入ってないから。

オノウエ:そうなんだね。

カンノ:何なんだろうなと思っちゃいますね。バンドって有り様だな。はい、そういう特集でした。

オノウエ:特集が変わっちゃいました(笑)

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『SOMEOFTHEM OF PODCAST』はパーソナリティーのカンノアキオと聞き手のオノウエソウが、最新J-POPやちょっと懐かしい曲をクイズやゲーム、時には曲同士を戦わせつつ(?)、今までになかった音楽の切り口を発見しようとする音楽バラエティ番組です。感想は是非「#サムオブ」をつけてツイートしてください!ポッドキャスト版では番組の最後に4択のJ-POPクイズを出題していますので、是非そちらもお聞きください!