SOMEOFTHEM

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サムオブ井戸端話 #041「令和4年にSTAnの話をしよう」(前編)

SOMEOFTHEMのメンバーであるカンノアキオ、オノウエソウ、YOU-SUCKで音楽にまつわる井戸端話の文字起こしを毎週アップします。

 

STAnというバンドの大ファンだったYOU-SUCKメンバー。2000年代にいろんなバンドがメジャーデビューしては消えていったなかで、冗談めかしながらたまに突き刺すことを歌うのが妙に印象に残っていたSTAnについて令和4年に熱く語りました。

 

YOU:STAnというバンドがいたんです。

カンノ:この記事のタイトルは「令和4年にSTAnの話をしよう」でいいですね?(笑)

カンノ:僕はじつは全然STAnは通ってません。

YOU:たしかにカンノとは全然STAnの話をしてこなかったね。STAnはメジャーデビューしてたし、タワレコ限定のシングルも出してて、知ってる人は普通に知ってるんだよね。

カンノ:NHKの『ポップジャム』にも出てたよね。

YOU:そうだね。2000年代はロックバンドがいっぱいメジャーデビューしていて、そのなかの1つって感じではあるんだけど。でも個人的には妙に印象に残るバンドで、「STAnっていいよね」って話はたまにするし、今でも全然聴き返します。あと僕は1回『SOMEOFTHEM』でも記事を書きましたね。

オノウエ:僕もSTAnは好きなんですけど、今のロックバンドってお行儀良いじゃん。でもSTAnってスタンスとしてナメてたんだよね。あれは最初のフックとしてすごく面白かった。

カンノ:「やる気ないです」みたいなこと?

オノウエ:いや、めちゃくちゃビッグマウスだったの。

YOU:「ダルい男」って曲があって、ずっと「ダリィ~」って歌ってる曲なんだけど(笑)

YOU:でもやたらとギターのリフがかっこいいの。STAnの特徴って音だけでいうと、ギターのリフが独特で。ボーカル・ギターのkygのリフが神がかってて、唯一無二なんだよ。それをシンプルなベースとドラムでやり切るスタイルで。で、一番の特徴が歌詞で、すごい粗雑なんだけど良い。「ULTRAMAGNETICSTANS」って曲が「STAnマジヤバい~」って歌ってるんだけど(笑)

YOU:「俺らが一番だ」みたいなことをずっと気だるい調子で歌うんですよ。こんなスタンスのバンドっていなくてさ。サウンド面は超気合入ってるのに歌詞は気だるいの。妙なリアリズムと投げやりと「お前らに判断委ねるから」みたいな。それが心地良くてね。

カンノ:たしかにほかにそんなバンドいないかも。

YOU:「とにかく俺はメロディがいい」って歌詞で言っちゃえるのもいいし。STAnは基本、自己肯定ソングなんですよ。

オノウエ:圧倒的な無根拠の自信のすごさだよね。

YOU:あとSTAnの良さは大体のアルバムの1曲目で自分たちのスタンスを表明しているんです。「俺らってこんだけすげえんだ」っていうことを1曲目に持ってくる傾向がある。1stが「ULTRAMAGNETICSTANS」でしょ。2ndの1曲目が「STAN’S HOUSE」でしょ。

YOU:4枚目のアルバムが「S.T.An」っていう「俺たちに従え」っていう曲で(笑)

YOU:6枚目のラストアルバムがインディーズからでサブスクにないんだけど、その1曲目が「After all」って曲で。

YOU:この曲の歌詞が本当に最高で、Cメロかどこかで出る歌詞で「結局STAnとストーンズだけが全てに絶妙な距離保ってる」って歌っててさ(笑)こんなこと歌えるのはマジですごいし合ってる。ドライでもウェットでもないし、突き放すでも共依存でもない。ある意味ですごく誠実なバンドだと思う。そういうところが今聴いても色褪せないね。そんなスタンスのバンドはSTAnとMO'SOME TONEBENDERくらいじゃないかな? 

YOU:全てと適切な距離を保って、冗談めかしてたまに刺すみたいな。 

カンノ:たしかに、寄り添う系か冷笑系しかいないかもな。

YOU:そうそう、近いやつか遠いやつしかいないの。残酷なことを言うやつか共依存ロックバンドしかいないじゃん(笑)その点、STAnは受け入れられなかったのもわかるんだけどね。kygがブログを書いてて、「これから占い師やります」という旨のことを書いてて。

YOU:そこで「音楽じゃ全然食えなかった」って書いてて。で、STAnを経てkygが自分のソロアルバムを作ったのね。その制作秘話ブログみたいなので、「歌詞は納得いくまですごく時間がかかる」って言ってるの。これはちょっとビックリした。なぜなら適当に見えるから。適当に見えるんだけどすごく良いことを言ってて。これが練られたものだとしたらヤバいなと思って。

カンノ:意図してたんだね。

YOU:しかも今、占い師として食ってるわけでしょ。占い師ってさ「あなたってこうですよ」ということで納得させてお金をもらうわけじゃん。よっぽど言葉に誠実な人だったんだなと改めて思ったね。

オノウエ:ボーカル・ギターのkygって変に声が低くて太かったじゃん。で、やってる音楽的にもうちょっと軽やかな声が乗ってるほうが聴きやすくて気持ちよかった可能性はあるの。でも低くて太い声が乗ってるから気持ち悪くて、プラスkygのビッグマウス感とやろうとしてることの謎のスケールのデカさの塩梅が好きだったなと思ってね。

YOU:やっぱりSTAn的な人っていなくてさ。賢くふざけられる人が今は不在だね。ガチかふざけ1本かじゃん。

カンノ:あとロックバンドのお行儀の良さの話もしたけど、ロックスター然とした人がいないよね。

オノウエ:でもSTAnはロックスターともちょっと違うかな。トリックスターかな。今はトリックスターが不在かも。

YOU:「痛快」って言葉が一番似合うバンドだったね。

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Radio OK?NO!! Podcast #042「レキシが流れない歴史曲」特集文字起こし(前編)

宅録ユニット・OK?NO!!の上野翔とカンノアキオでSpotifyで聴けるポッドキャスト番組『Radio OK?NO!!』を配信しています。こちらではその文字起こしを前編、後編に分けて掲載します。今回はレキシがアルバムをリリースしたので、それを祝してレキシ以外のアーティストが歌った歴史曲をお送りする「レキシが流れない歴史曲」特集(前編)を掲載します。

 

Radio OK?NO!! Podcast #042「レキシが流れない歴史曲」特集音声は下記リンクから。ポッドキャスト登録を是非、よろしくお願いします!

 

カンノ:今回は新譜ですね。レキシですね。レキシさんが4月20日にアルバム『レキシチ』をリリースしました。

上野:アルバムとして何枚目?

カンノ:これは7枚目ですね。僕は結構好きでした。なにが好きって、7枚も同じことしてるの。

上野:それはすごいよね。

カンノ:レキシが1枚目を出したとき、「池ちゃんがこんな飛び道具的なことをやってきた!」って思ったじゃん。

上野:それはそうだよね。

カンノ:これはそういう”色物”として楽しむものだなと思ってたんだけど、これが7枚だよ。ずっと同じことをやってるんだよ。

上野:この感じって出ても3枚くらいじゃん。

カンノ:完全にこれで食べてる人だもんね。7枚も同じアプローチのアルバムをやってるからね。そもそも「J-POPやファンクのアプローチで歴史について歌う」という突飛な設定だから、その枠内からはみ出ることもないんだよね。これを7枚ですよ。もはやマンネリズムになってるという。

上野:偉大なるマンネリズムだよね。

カンノ:で、僕が勝手に思った叶わなかった夢なんだけど、「レキシ feat. バカ殿」が見たかった。

上野:あぁ~、なるほどね。それはいいね。

カンノ:これは夢あるでしょ。だって志村けんという人も偉大なるマンネリズムの人だったじゃないですか。何十年アイーンをやってきたか。変なおじさんもバカ殿もそうですよ。

上野:ザ・ドリフターズもジャパニーズファンクやブラックミュージックの第一人者だしね。

カンノ:それがレキシと噛み合ったらね。どう音楽を笑いをもって提示したのかっていうことをやってきた2組だったから、ここが混ざり合ったらどうなったのかは見たかったね。そんなことを『レキシチ』を聴いて思ったりしました。ずっと歴史ネタをやり続けるレキシさんですよ。で、歴史曲ってもう池ちゃんの専売特許のレベルだと思うんですよ。でも本当はいろんな人がやっているはずなんです。ということで今回は「レキシが流れない歴史曲」特集。

上野:レキシの曲は流れないのね(笑)

カンノ:レキシの曲は1曲も流さないで、ほかの歴史にまつわる曲を流そうと思います。それでほかの人はどのように歴史に対してアプローチしているのかを探ってみようと思います。こういう企画って「じゃあ最後にレキシの曲を流そうと思います」とか言うじゃん。流しません(笑)

上野:本当に流さずに終わるのね(笑)

カンノ:今回は僕と上野君で交互に曲を流そうと思いますが、まずは僕から。この歴史曲を聴いてもらえたらと思います。U-zhaan×環ROY×鎮座DOPENESSで「BUNKA」

カンノ:これはヒップホップとタブラの文化史をラップとポエトリーリーディングみたいな形で紹介する曲ですね。

上野:U-zhaanポエトリーリーディングがいいよね。

カンノ:僕がU-zhaanのリリックで好きなのが、「華麗なDheReDheRe奏法で魅了」っていう。その奏法がわからない(笑)DheReDheRe奏法がどこまで華麗なものなのかがわからない(笑)あと前人未到の音速タブラで泣く子も黙るオニンド・チャタルジーっていう(笑)

上野:タブラってそういう言葉で語られてないよね?(笑)

カンノ:これはふざけてるよね(笑)この曲が池ちゃんのレキシと違うのが、ユーモアは混ざっているにせよ、どこか理屈というか、「この歴史はこうでこうでこうなんです」みたいなことが曲になっているというか。でも歴史を曲にするってそういうことだよね。特にラップになると言葉数が多くなるし。

上野:あとジャンルの特性もありそう。ヒップホップも歴史がまだ浅い分、レぺゼンやリスペクトっていう文化があるなかでそういうことを受け継ぐ流れはあるじゃん。それを言葉にしていく必要性とかはあるのかなと思いますね。

カンノ:では続いて上野君の選曲です。

上野:はい、ではお聴きください。エレファントカシマシで「歴史」

上野:さっきのとは毛色が全然違いますね。

カンノ:歴史にまつわる曲ってなんでこんなに暗いの?

上野:アハハハハッ!暗いのもそうだし、さっきの「BUNKA」に冠してはヒップホップとタブラの歴史じゃないですか。この曲は森鴎外の歴史です(笑)

カンノ:だから本当のタイトルは「歴史」じゃなくて「森鴎外」だよね(笑)

上野:ここまで本当に森鴎外っていうか、一個人の歴史、生涯を歌った曲ってあんまりないよね?

カンノ:他人だもんね。森鴎外が好きってことだよね。

上野:宮本さんは小説が大好きで、森鴎外永井荷風が大好きだっていう話があるなかで、僕らの企画のなかで「東京ソング」特集とかやったじゃないですか。

上野:それと同じくらい、「歴史」って曲タイトルをつけることって人生に1回しかできないんですよ。それを森鴎外にぶっこむという(笑)

カンノ:たしかに、それは突飛だね!で、ほとんどベースだけっていう(笑)

上野:めっちゃ暗いしね(笑)

カンノ:僕たちはエレカシを「さぁ、頑張ろうぜ」以前と以後で分けてるんですけど(笑)、これは「さぁ、頑張ろうぜ」以前エレカシですね。

上野:頑張るための準備期間の楽曲ですね。

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『Radio OK?NO!!』はパーソナリティーの上野翔とカンノアキオが、最新J-POPやちょっと懐かしい曲をクイズやゲーム、時には曲同士を戦わせつつ(?)、今までになかった音楽の切り口を発見しようとする音楽バラエティ番組です。感想は是非「#okno」をつけてツイートしてください!お問い合わせはメール:radiookno830@gmail.com まで。

Radio OK?NO!! Podcast #041「特集のその後…」特集文字起こし(後編)

宅録ユニット・OK?NO!!の上野翔とカンノアキオでSpotifyで聴けるポッドキャスト番組『Radio OK?NO!!』を配信しています。こちらではその文字起こしを前編、後編に分けて掲載します。今回はこれまで番組で行ってきた企画のその後を振り返る「特集のその後…」特集(後編)を掲載します。(前編)は下記リンクから。

 

Radio OK?NO!! Podcast #041「特集のその後…」特集音声は下記リンクから。ポッドキャスト登録を是非、よろしくお願いします!

 

カンノ:初期の回が続きます。第16回「東京ソング」特集。そして第67回で「第2回東京ソング」特集っていう企画をやりました。

カンノ:ここでは「東京」というタイトルの楽曲を紹介して、歌のなかに出てくる”東京像”に迫っていく企画ですね。昔の「東京」という楽曲と今の「東京」という楽曲の違いとかね。そういうものを紹介していたんですが、マジで最近は「東京」という楽曲が多いね。

上野:今でもたくさんあるんだ。

カンノ:ストレートに「東京」っていう曲もあれば「東京〇〇」みたいな曲も多いね。たとえばSaucy Dogの「東京」もあればRADWIMPSも「Tokyo feat. iri」もあるし、エレカシ宮本さんとミスチル桜井さんの「東京協奏曲」っていうのもありますね。

カンノ:そのなかでも今回は2022年、今年リリースされた「東京」を聴いてもらえたらと思います。SUPER BEAVERで「東京」

カンノ:SUPER BEAVERは『東京』というアルバムもリリースしてますね。

カンノ:この曲は歌詞に「東京」が出てこないパターンですね。これは僕らが「東京」特集をするときに何度か言っていますが、「東京」であることの重要性ですよね。

上野:人生で一度しか「東京」というカードは切れないわけですから(笑)それをどのように切っていくのか。

カンノ:そこを僕たちは見ているわけです。たとえば浜田省吾「東京」はめちゃくちゃ架空の東京を歌ってるわけじゃん(笑)「お前が歌ってるその東京、東京のどこにもねえよ!」っていう(笑)でもそのダイナミックさは良かったりするじゃん。

カンノ:それに比べるとこの「東京」はちょっとスカしてるよね。

上野:やっぱり歌詞のなかで「東京」が出てくる出てこない問題ってあるじゃないですか。で、この曲は「東京」が出てこないんでしょ。ちゃんと「東京」カードを切ってほしい。

カンノ:「なぜこれが東京足り得ているのか?」を「東京」というワードを使って説明してほしいんだよね。大ネタは大ネタらしくね。そんなスカしはこっちは求めてないですから(笑)

上野:そうだね。

カンノ:でも若手バンドとかで「東京」ってタイトルの楽曲が増加傾向にあるのは面白いですよね。それは前回の特集でも話したけど、「東京」という存在が小さくなっているのではないか。だからスカした「東京」が出てくるのかもしれない。「東京」がもう大ネタではないのかもしれない。

上野:そういう傾向はあるのかもしれないね。

カンノ:ミュージシャンが大ネタタイトルをどう扱うかって大事な目線な気がしますね。そういう特集は「東京」以外でも組めたらなって思いますね。

 

カンノ:お次はもうこれはポッドキャスト上では2度とできない企画なんですよね。

上野:ほぉ。

カンノ:曲のイントロだけを聴いて誰が歌っているのかというクイズをたまにやってましたね。それはコミュニティFMだからできた企画なんですね。このポッドキャスト上だとフル尺が流れるから。そういう企画を昔やってたんですね。第44回「クイズ!イントロ BUMP or RAD?」という企画です。

上野:やりましたね~!

カンノ:楽曲のイントロ部分だけを聴いて、それがBUMP OF CHICKENの曲なのかRADWIMPSの曲なのかを当てるクイズですね。

上野:このクイズは本当に難しかった!

カンノ:このクイズは本当に周りの人から「これ、怒られるぞ」って言われました(笑)このクイズがなぜ成立していたのかというと、BUMP OF CHICKENがどんどんRADWIMPS化していって、RADWIMPSがどんどんBUMP OF CHICKEN化してるという。お互い作風も似てきてるし、2組とも文春に撮られてるという(笑)

上野:そういうシンクロニシティがあるんですね(笑)

カンノ:「俺がお前で、お前が俺で」

上野:「入れ替わってる~!」

カンノ:今日はせっかくなので1問持ってきました。今回は「フルコーラス BUMP or RAD?

をやりたいなと思います(笑)

上野:フルコーラス聴いて、尚分かるのかどうかね(笑)

カンノ:今回は曲名も言いません。それではお聴きください!

(試聴)

カンノ:さぁ、フルコーラス聴いていただきました。これはBUMP OF CHICKENなのかRADWIMPSなのか…?

上野:これはどっちでもいいです(笑)サビの途中で合唱みたいなのがあったじゃん。あれは何?

カンノ:あれはタイトルに関することかな。

上野:なんかさっきまでと気持ちが違うんだよなぁ…。

カンノ:あのさ、もう声も似てきてるよね。

上野:声が似てるんだよ!声も似てて曲も似てたら、もうどうすりゃいいんだよ!

カンノ:アハハハハッ!

上野:不思議な世界線ですよ。これはいつの曲?

カンノ:3~4年前かな。2018年のアルバムの曲ですね。さぁ、どちらでしょうか?

上野:まぁ、とはいえこっちかなっていうのはあります。

カンノ:フルコーラスだからね。

上野:あぁ、違うよ。フルコーラス聴いたって分からないんだよ(笑)だって曲も似てるし声も似てるんだから(笑)

カンノ:俺も分かった状態で聴いてるけど、やっぱ声似てるよな~。

上野:マジでどっちとしても聴けるからね!まぁ、これはRADWIMPSじゃないでしょうか?

カンノ:RADWIMPS、、、正解でございます!

上野:おー、やったー!

カンノ:これはRADWIMPSの「万歳千唱」って曲でございます。

上野:それがサビの合唱の感じになってるのね。

カンノ:千唱部分ですね。まぁ、このクイズはもう2度とできないですね。

上野:もう本当やめてほしい…

カンノ:次は市川うららFMにカムバックしたときにまたやりましょう!イントロクイズはまたやりたいですね。ちなみにもっと無謀なイントロクイズでいうと、イントロだけを聴いてSotte Bosseが何の曲のカバーをしているのかを当てるクイズとか。

上野:あれは本当にすごいクイズでした。「Sotte Bosseイントロドン!」なんてできっこないんだから。

カンノ:じゃあ次は「イントロ小野リサドン!」でもやりましょうかね(笑)

 

カンノ:ということで今日は「特集のその後…」特集ということでいろいろ振り返ってきましたが、次が最後の曲なんですが、ある種の次回予告みたいなもんです。次の次の回かな。第103回は多分、平井大さんの企画をやります(笑)

上野:短いスパンでやりますね~。

カンノ:第73回「クイズ平井大 New or Old?」という企画をやりまして、第92回ではその第2弾をお送りしました。

カンノ:これまで様々な企画を行ってきましたが、近年の名物企画はこれではないでしょうかね。平井大さん、5月9日にアルバム『HOPE/WISH』をCDリリースされます。で、デジタル配信は始まってます。

カンノ:これすごいですよ。僕らが最初に「クイズ平井大 New or Old?」を特集したときって、平井大さんが2021年の夏ごろに連続リリースをしたんですよ。「めちゃめちゃリリースしてるな!」っていう話をしたんですよ。そのときの連続リリース分くらい、平井大さんは連続リリースしてます(笑)倍々ゲームみたい(笑)

上野:マジか…

カンノ:で、この『HOPE/WISH』は23曲入ってます(笑)で、21曲が既発曲(笑)

上野:アハハハハッ!

カンノ:アルバムって何だっけ?(笑)

上野:すごいですね~(笑)

カンノ:で、残りの2曲が新曲で、その新曲のタイトルが「HOPE」と「WISH」っていう曲なの(笑)

上野:マジですごいな!

カンノ:これの何がすごいって、連続リリースした順でアルバムの曲順になってるという(笑)

上野:アハハハハッ!ベストアルバムのやり方じゃん(笑)

カンノ:構成もクソもない(笑)この曲順で聴いてほしいという意図がない(笑)

上野:マジですごいなぁ…

カンノ:生まれた順です(笑)

上野:20周年アニバーサリーベストアルバムとかで、ここからここまでの範囲のシングルを順番で入れていくみたいなことでしょ、それって普通。

カンノ:それを1yearでやりました(笑)俺さ、マジで平井大さんは休んでほしい。

上野:本当だよ、心配になるよね。

カンノ:曲を作りすぎて、Twitterで暗いこと言っちゃわないか心配だもん。それを吉田豪さんがリツイートしちゃうことも含め(笑)

上野:Twitterでよく見るやつね(笑)

カンノ:ということで近々、平井大さんに関する何かしらのクイズを出しまーす。お楽しみに!というわけで莫大なリリース量の平井大さんの最新シングルを聴いてお別れです。平井大で「「いつも通り」のキセキ。」

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『Radio OK?NO!!』はパーソナリティーの上野翔とカンノアキオが、最新J-POPやちょっと懐かしい曲をクイズやゲーム、時には曲同士を戦わせつつ(?)、今までになかった音楽の切り口を発見しようとする音楽バラエティ番組です。感想は是非「#okno」をつけてツイートしてください!お問い合わせはメール:radiookno830@gmail.com まで。

サムオブ井戸端話 #040「そもそも”インプット”ってなんだ?」

SOMEOFTHEMのメンバーであるカンノアキオ、オノウエソウ、YOU-SUCKで音楽にまつわる井戸端話の文字起こしを毎週アップします。

 

インプット欲があるYOU-SUCKメンバーとカンノメンバーと、インプット欲がないオノウエメンバー。そもそもインプット欲で動くとはどういうことなのかを、アウトプット先やナルシズムの観点で語りました。

 

YOU:僕っていろんなものに対するインプット欲があるんです。映画とか本とか音楽とか。でも今、ちょっと仕事が忙しすぎて全然音楽聴けないし動画も見れないの。で、本当に合間を見つけて動画を見たり音楽を聴いたりしてるんだけど、それは焦燥感が大きい。「あれも聴けてない」「これも見れてない」っていう。

オノウエ:なるほど、そういう思いがあるのね。

YOU:「あと人生でどれだけ映画が見られるんだ?」とかね。つまり焦ってる。

オノウエ:可処分所得の使い方の話だね。

YOU:「どうでもいい会議開きやがって、コノヤロー」って毎日過ごしてますよ(笑)その細やかな抵抗として『男はつらいよ』を流しながら仕事してるんだけど(笑)

オノウエ:インプット欲の話は面白いかもな。

YOU:最近『ゆる言語学ラジオ』っていうポッドキャストをよく聞いてるんだけど。

YOU:名古屋大学卒の言語学が大好きな編集者と、慶応の情報学部を出たライターの2人でやってるポッドキャストなんだけど、「インプット」って言葉がよく出てくるの。知的好奇心が2人とも強くて、いろんな本を読んで蘊蓄を溜め込んでそれを喋ることを良しとしてる人たちなの。俺はそれに結構共感してるの。「インプット奴隷」という強い言葉が出たり。たとえば「ちょっと皿を洗ってるときにインプットしないと落ち着かない」とか。そういう話にすごく共感するの。でも俺は最近、それが出来てないのよ。インプットがうまくできなくて、その結果意味のあるものを摂取できなくなって、その負のループというか(笑)最近はそれを開き直って、仕事中に『男はつらいよ』を流しながらなんか泣いちゃったりしてるよ(笑)

カンノ:僕はインプットってアウトプットのためにやってるね。

YOU:それが一番健康だよ。俺はアウトプット先がないんだよ。

カンノ:だからしんどいよね。インプット欲だけって。

YOU:「あれも食べたい」「これも食べたい」しかないからね(笑)

カンノ:だからYOU-SUCKは「映画のレビューを書くまでが映画」の人なんだよ(笑)

オノウエ:嫌なこと歌うよな(笑)

YOU:『花束みたいな恋をした』っていう映画もそうだったじゃん。

YOU:主人公たちはインプットだけで満足している人たちじゃん。「自分がインプットする行為はいいことで、それを邪魔する人たちは悪い人だ」という前提が2人の間に最初に共有されていて、それがだんだんズレていく話じゃん。「そんなことはわかってんだよ!」って気持ちだよね(笑)「余計なことしてくれやがって~!」っていう。

カンノ:いつ自分が菅田将暉になってもおかしくないもんね(笑)「仕事だから映画なんて行けないよ」みたいな。

YOU:そんなことする暇あるんだったらエクセルやパワポの勉強をしたりね。美学校で開講されてるライター講座で、ゲスト講師の矢野利裕さんに質問したことがあって。矢野さんって学校の先生をしながら批評家をされてる人だから。で、「時間ってどうしてますか?」って質問をしたの。「いつインプットして、いつ仕事して」みたいな。その答えが「土日を使ったり、寝る前の1時間を使ったり。でも結局うまく時間を使おうとしても徹夜して次の日仕事に行ったりもあります」って言ってて。つまりやる気のある人って時間を作るんですよ。たとえば睡眠時間を削ったりして。「そこの勝負なのか~」って今になって気付くね。

オノウエ:なんか今までの話を聞いてて、「果たして俺はインプット欲で動いてるのか?」ってなってるな。2人は限られた時間のなかでなにかを摂取しようと動いてるじゃん。でもそれに対して俺は単純に無音に耐えられない男になってるなと思って(笑)

カンノ:でも覚えてるよ。たしか学生時代のときに「エレ片のラジオが好き」って話になったんだよ。

カンノ:その理由が「3人がただ喋っているのを聞いてるだけでいい」って言ってて。だからオノウエ君は学生時代から意味は摂取してないんじゃない?

オノウエ:そうそう。それで音楽でいうと、未だに歌詞に対しての思い入れみたいなものって全然ないんだよね。音楽を歌詞の視点で考えたことってこれまで一度もない。だから意味に対してものすごく鈍感なんだよね。だから「インプット」って言葉の内実も全然理解できてない。

カンノ:インプットは「これを聴いてどう思ったか?」とか「これを見てどう心が動いたか?」の確認作業ではあるかな。たとえば映画なら「このシーンはこういうカット割りだから、観客はこう思うように仕組まれてるんだな」とか「ここで極端に台詞が少ないことでこういう状況設定を表してるんだな」とかって映画を見続けたらある程度わかってくるじゃん。ものの見方とか。「こういうつもりで俺は見てるな~」って思うことが好きだったりするから。

オノウエ:映画館に行って映画を見るとか、劇場に行って演劇を観るとかってその視点はあるよね。

カンノ:わかった、オノウエ君はインプットにおけるナルシズムが全然ないんだよ。

オノウエ:あ~、ないね。

カンノ:僕はなにかをインプットするときにナルシズムが発動してますね。

オノウエ:インプットするときのナルシズムは面白いね。たしかに俺は全然ない。

YOU:「俺は今、これを摂取しているぞ」ってことにご満悦になること?

カンノ:「これを見てるときに自分はこう思ってるな」ということに自分で酔ってるよ。

YOU:やっぱりカンノって自分の見たものや聞いたものとかを全部、自分の制作とか考え方につなげてるよね。そういうことを全て必然的につなげていくのは能力だよ。

カンノ:『RADIO』っていうアルバムを作ったけど、最初は「FMラジオって面白いな~」からだもんね。

オノウエ:もともとカンノはFMラジオを聞いてたわけじゃん。で、あるときに「これは変だな」と気付くわけじゃん(笑)その気付きからFMラジオを分解してアルバムにするわけじゃん。で、もう前の気持ちでFMラジオを聞くことはできないよね。

カンノ:もうFMラジオの制作側の気持ちだからね(笑)

オノウエ:カンノがよく言うけど「もうお笑い芸人のラジオを楽しく聞けない」っていうのと同じだよね。

カンノ:そうだね。構造とか意図とかが見えちゃうから。

オノウエ:それでいうと俺はもう音楽をちゃんと聴けないかもしれないな(笑)「なにか鳴っててほしいけど、なにも考えたくない」っていうものはラジオとか対談の動画とかになっちゃうな。意味はよくわかってないけどとにかく鳴っている状態というか。

カンノ:オノウエ君はインプットじゃないよ。安心感が欲しいんだよ。無音が不安だから。

オノウエ:無音が不安なんだよ!

カンノ:アハハハハッ!落ち着かないんだろうね。

オノウエ:そうだね。薬みたいなもんだよ。

カンノ:インプットについて考えてみたけど、インプットしているそのものじゃなくて、インプットしたときの自分の感情についてのほうが僕は全然大事だね。そうじゃないとインプットが面白くない。

オノウエ:多分俺は「インプットをしている」と思ってインプットを今までしたことないかもしれない。

YOU:多分これは凡人ほど「アウトプットするためにはこういうインプットが必要だ」って思う気がするな。

カンノ:そうだね、理屈をつけるんだよね。

オノウエ:そういう理屈は全然つけないなぁ。そういう能力が俺は全然低いんだと思う。

カンノ:インプットとアウトプットの話は面白いね。また今度続きがしてみたいかも。

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Radio OK?NO!! Podcast #041「特集のその後…」特集文字起こし(前編)

宅録ユニット・OK?NO!!の上野翔とカンノアキオでSpotifyで聴けるポッドキャスト番組『Radio OK?NO!!』を配信しています。こちらではその文字起こしを前編、後編に分けて掲載します。今回はこれまで番組で行ってきた企画のその後を振り返る「特集のその後…」特集(前編)を掲載します。

 

Radio OK?NO!! Podcast #041「特集のその後…」特集音声は下記リンクから。ポッドキャスト登録を是非、よろしくお願いします!

 

カンノ:前回が第100回でしたね。

上野:最強のカバーソングが決まってしまいました(笑)

カンノ:あれは第100回ならではの珍回だったと思うんですが、この100回に向けてこの番組の振り返りもちらほら入れてきました。第98回ではゆず企画をやったり。

カンノ:で、第100回ではMay J.のカバー曲をかけたり、ACIDMANのカバー曲もかけました。ACIDMAN企画も懐かしいですね(笑)

カンノ:ちょいちょい振り返りをしつつ第100回まで到達しました。で、今回はがっつり振り返りをやろうかなと。タイトルは「特集のその後…」特集ですね。これまでこの番組はいろんな特集を組んできました。そのなかで、ほんのりほったらかしになってる企画ですね(笑)そういうのもあるので、特集を組んだその後どうなったのか、どういう変化が起きているのかを見てみようと思います。

上野:昔やった企画を今やってみたらどうなるのかってことですね。

カンノ:「昔やった企画、今はこんな曲が出てきたよ」っていうのを紹介する企画ですね。

 

カンノ:それじゃまずこの番組の初期作品。この企画をやったからこの番組の毛色が決まったような企画ですね。第15回「エイリアンズ選手権」でございます!

上野:あ~、たしかに!

カンノ:この企画からカバー番組になりました(笑)この企画があったから、第100回に森進一の「蕾」を2回流すハメになるんだよ(笑)

カンノ:この企画はキリンジ「エイリアンズ」の様々なカバーを本家の「エイリアンズ」と対戦させる企画でした。

上野:「本家に勝てるのか?」っていう。

カンノ:その結果、沖縄民謡アレンジの「エイリアンズ」が優勝するっていう(笑)

カンノ:元々のカバー企画は「本家と戦わせる」だったのに、もう本家を流さなくなっちゃったな(笑)

上野:今も「エイリアンズ」のカバーってあるの?

カンノ:あの企画って2020年にやってるから、もう2年も前になるんだよ。もう2年経っちゃった。そのなかでこんな「エイリアンズ」のカバーが出ておりますので、ちょっと聴いてみましょう。GRANRODEOで「エイリアンズ」

上野:こういうのどっから見つけてくるの?(笑)

カンノ:これは「エイリアンズ選手権」なら早めに負けちゃうね。

上野:味はあるんだけどね~(笑)

カンノ:GRANRODEOさんはアニソン界隈にいる2人組のロックデュオなんですが、ブルーノートでの公演の音源ですね。シックな感じのライブ音源ですが。上野君が気になるのは歌の節回しですか?

上野:アレンジが原曲のまんまじゃん。「このまま行くのかな?」と思ったら節回しが民謡っぽかったよね(笑)

カンノ:ロック側の人だからハイトーンで行きたかったんだよね。

上野:揺れたリズムとかじゃなくて、もっと縦のリズムで杭を打っていく感じを歌のうまい人がやると民謡っぽくなる感じというか。

カンノ:所々に見える歌の技術ってあるじゃん。息をここで結構吐くとか、ここは抑えめとか。

上野:ビブラートの加減とかね。

カンノ:そういうものが見えた瞬間にカラオケっぽくなるんだろうなっていう。

上野:だからアレンジもまるっと変えたら聴こえ方も違うのかもしれないけどね。

カンノ:そうなるとUNCHAINになるよ。

上野:つまりね(笑)

カンノ:この第15回が「エイリアンズ選手権」でしたが、その前の第14回は覚えてますか?

上野:「エイリアンズ選手権」の前ってなんだっけ?

カンノ:「おじさんのための瑛人」特集でした。

上野:あぁ~!

カンノ:実は瑛人さんにまつわる特集はこれまで結構やっていて、3回やってますね。最初が第14回「おじさんのための瑛人」特集、次に第41回「すっからかん」特集。

上野:初のフルアルバムのときだね。

カンノ:で、第84回に「2021年の瑛人」特集ですね。

カンノ:だからわりと瑛人さんは振り返ってたんですけど、僕らは結構瑛人のことを忘れてます。なにを忘れてるのか。瑛人さん、2022年3月16日にアルバム『1 OR 8』をリリースしています。

上野:そっか、アルバムを出してるのに取り上げていないのか。

カンノ:ほっときっぱなし。これは良くない。「年1でやればいいや」じゃないんですよ。瑛人の動向はちゃんと追わなきゃ。そのアルバムのなかでもなかなかな曲があったので聴いていただこうと思います。瑛人で「掃除」

上野:こんなにも暗い…

カンノ:「いくらキレイにしたって明日には汚れている」

上野:僕が最初に瑛人を特集したときに、ドルチェ&ガッバーナの人と思われていて、天真爛漫な人と思われてたじゃん。でも本当は瑛人はホラーなんだっていう話をしましたよね。で、この曲も結構ホラーだね(笑)

カンノ:たとえば「僕はバカ」っていう曲があったじゃないですか。

カンノ:そこで「自虐キャラだよね」っていう話もしましたけど、もう「僕はバカ」どころじゃないよね(笑)

上野:『仄暗い水の底から』みたいな感じだよね(笑)

カンノ:「僕を信じてもいいけど天国には行けないよ」

上野:アハハハハッ!

カンノ:「逆に君を信じても何もいいことなさそう」

上野:以前特集したときにホラー感とは2段3段上のホラー感になりましたね。たとえば「香水」って昔の彼女を忘れられない曲なわけじゃん。

上野:なんか「香水」のときの彼女を口説く力もなにもないよね(笑)だって「僕を信じてもいいけど天国には行けないよ」って歌ってるんだよ?

カンノ:この曲は全体をとおして、行きすぎた潔癖症というかさ。ずっと手を洗っているけど汚れが取れた気がしない人な感じがするんだよね。

上野:本当にホラーじゃん(笑)

カンノ:自分にしか見えない汚れを取ろうとして取れない人な感じがすごいするなと。結構強烈な曲でした。まぁ、また2022年の年末にでも瑛人特集がやれたらなと思いますね。

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『Radio OK?NO!!』はパーソナリティーの上野翔とカンノアキオが、最新J-POPやちょっと懐かしい曲をクイズやゲーム、時には曲同士を戦わせつつ(?)、今までになかった音楽の切り口を発見しようとする音楽バラエティ番組です。感想は是非「#okno」をつけてツイートしてください!お問い合わせはメール:radiookno830@gmail.com まで。

Radio OK?NO!! Podcast #040「最強カバーソング決定戦」特集文字起こし(後編)

宅録ユニット・OK?NO!!の上野翔とカンノアキオでSpotifyで聴けるポッドキャスト番組『Radio OK?NO!!』を配信しています。こちらではその文字起こしを前編、後編に分けて掲載します。今回は第100回記念ということで、この番組でもよく語っていた「最強カバー曲は何なのか?」を決める「最強カバーソング決定戦」特集(後編)を掲載します。(前編)は下記リンクから。

 

Radio OK?NO!! Podcast #040「最強カバーソング決定戦」特集音声は下記リンクから。ポッドキャスト登録を是非、よろしくお願いします!

 

カンノ:森進一「I LOVE YOU」が現在2連勝で勝ち残っておりますが、続いての対戦相手はバンドです。このかっこいいバンドが森進一に挑戦を叩きつけてきたということでお聴きください。ACIDMANで「傘がない」

上野:これは強いな~!

カンノ:これはヤバいな~!傘がなかったね~!

上野:目の前が見えないくらい雨が降ってたね(笑)

カンノ:この番組では久々ですね。やっぱりACIDMANと言ったら緩急ですよ。

カンノ:入りは静かだったよ。

上野:急にスコールが来たね。そのあとずっと長く雨が降ってたね。

カンノ:歌い出しも面白かったな~。

上野:「面白かった」じゃねえんだよ(笑)

カンノ:それにしてもかっこいいね!

上野:かっこいいよ~!

カンノ:大木さんの帽子がずぶ濡れでもかっこいいから。

上野:すごい壮大な音像だったね。

カンノ:アルバムの最後を飾るようなアレンジだったね(笑)

上野:「傘がない」ってそういう曲じゃないからね(笑)

カンノ:もっと手を抜いていいんだよ、ACIDMAN。こんな本気のアレンジ…(笑)

上野:僕らがカバー曲をテーマにしたときにいつも話すのが「この選曲、このアレンジって絶対歌っている人のこと考えていないだろう問題」ってあるじゃないですか。会議室で決まったことをやるだけみたいな。

カンノ:その後ろにいる大人たちがめちゃくちゃ見えちゃうカバー曲っていっぱいあるもんね。

上野:でもこのACIDMANのカバーは絶対にACIDMANがやってるんだよね。

カンノ:ACIDMANは「このアレンジが最高だ!」と思ってカバーやってるもんね。「”傘がない”という情景を音像で表そう」っていう意欲がめちゃくちゃ見えるもんね(笑)

上野:そっか、「傘がない」ことを大雨を降らすことで表してるんだなぁ。

カンノ:さぁ、判定どうでしょうか?

上野:ちょっと基準を変えます。

カンノ:おぉ?

上野:ACIDMANがかっこいいから、ACIDMANの勝ちです!

カンノ:出た~!!塗り替えた!!誰も敵わないと思われた森進一「I LOVE YOU」をACIDMAN「傘がない」が倒しました!!

上野:これはACIDMANに軍配を上げようと。

カンノ:たしかにACIDMANが負けたところ、見たことないもんな。ということでチャンピオンが入れ替わります。暫定チャンピオンがACIDMAN「傘がない」になりました。さぁ、あと2人倒したらACIDMANの優勝になります。最強カバーソングがACIDMAN「傘がない」になってしまいます(笑)

上野:アハハハハッ!ちょっとチャレンジャーに頑張ってほしいですね(笑)

カンノ:続いてのチャレンジャーですが、これも強い!最新の強いカバーソング持ってきたよ。2022年3月リリースのカバーソング。

上野:おぉ~、最新ですね。

カンノ:これも強いです。それではお聴きください、浜崎あゆみで「One Night Carnival

上野:本当にあなたはよくこういうの見つけてきますよね。

カンノ:アハハハハッ!こちらは今年の3月30日にリリースされた氣志團One Night Carnival」のみをカバーしたカバーアルバムですね。

上野:いやぁ、ビックリしました。こんなものが世の中にあるなんて…。

カンノ:アハハハハッ!

上野:あのリフをギター2本でああやって弾くんだね(笑)

カンノ:「俺んとこ来ないかっ?」って浜崎あゆみが言ってましたね(笑)

上野:たしかに浜崎あゆみが曲の中で台詞を言ってましたね。

カンノ:氣志團への愛のメッセージもありましたね。

上野:後半ね。氣志團に恋してるのさ」だって(笑)

カンノ:さぁ、浜崎あゆみOne Night Carnival」とACIDMAN「傘がない」を戦わせる番組です(笑)そんな番組、ここしかないよ(笑)

上野:もうさ、2組ともそれぞれ…

カンノ:勝手にやってくれ(笑)でも決着は着けなくてはいけません。

上野:すごく難しいんですが、たとえばモノマネ芸人ってモノマネする対象に愛がないとできないっていうじゃないですか。

カンノ:よくモノマネ芸人さんは「好きだから」とか「ファンなので」って言ってモノマネをしてますよね。

上野:愛がないとできないと思うんです。これってカバーも同じだと思っていて。氣志團に恋をしているじゃないですか。愛の強さでいったら浜崎あゆみなのではないかと。

カンノ:おぉ~!たしかにACIDMANは我が出すぎた~!!「井上陽水じゃなくてもよくね?」っていう欠点があった~!!

上野:ACIDMANのあのカバーは別に「傘がない」である必要がない(笑)

カンノ:ということで浜崎あゆみOne Night Carnival」の勝ち~!!これは大波乱です。

上野:ここに来てこんなに強い人がいたとは。

カンノ:それでは最終戦です。浜崎あゆみOne Night carnival」に挑むのは一体誰なのか?この戦いで今宵、最強カバーソングが決定いたします!ということで最後のチャレンジャー、この曲を流します。お聴きください、森進一で「蕾」

上野:なるほど…。

カンノ:さぁ、浜崎あゆみOne Night Carnival」vs森進一「蕾」です(笑)

上野:様々な戦いが行われてきたじゃん。ここまでバラバラだったことはないよ(笑)

カンノ:無差別級です。

上野:これまでも訳わからない戦いをしてきたけど、ここまでの無差別級はないね(笑)ルールないもん(笑)

カンノ:さぁ、森進一さんの「蕾」はどうですか?もう何度も聴いてますが(笑)

カンノ:最初の暫定チャンピオンだった森進一さんが別の曲でやってきました。

上野:やっぱり森進一さんは強いですね。でもこの「強さ」の説明が全然できない…(笑)決めなきゃいけないのか…。

カンノ:「消えそう」でしたね(笑)

上野:そうだね(笑)

カンノ:「なーみーだー」って歌ってましたね(笑)

上野:リズムがね(笑)Aメロとか寝起きみたいだもんね(笑)

カンノ:それも含め「蕾状態」ってことでしょう(笑)

上野:いやぁ、でもやっぱり最初に戻るべきなのかもしれない。

カンノ:というと?

上野:今日は6曲流してきて、その都度で「強さ」の基準を変えてきましたが、やっぱり「強さ」って「人」ですね。「その人が強い」ということです。浜崎あゆみさんはもちろん強いですが、浜崎あゆみと森進一、どちらが強いかを考えるとやはり森進一が強いんじゃないかと。

カンノ:なるほど!

上野:ということで今回の「最強カバーソング決定戦」優勝は森進一「蕾」です!

カンノ:おめでとうございます!!最後の最後で大逆転、森進一「蕾」が優勝でございました!やっぱり勝因は「歌えてない」ってところでしょうか?

上野:アハハハハッ!

カンノ:浜崎あゆみは歌い切っちゃった。

上野:たしかにね。そういうことじゃないから。「森進一が蕾を歌っている」ということだから。

カンノ:「それ自体が」っていうことね。

上野:しかも「歌えてない」っていう(笑)

カンノ:やっぱりね、森進一さんがカバーアルバムを出してくれたからこの番組が成り立ったと言っても過言ではない!

上野:おめでとうございます!

カンノ:ということで優勝者は森進一さんの「蕾」でございました!ということで最後にも一度、森進一さんの「蕾」を聴いてお別れです!

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『Radio OK?NO!!』はパーソナリティーの上野翔とカンノアキオが、最新J-POPやちょっと懐かしい曲をクイズやゲーム、時には曲同士を戦わせつつ(?)、今までになかった音楽の切り口を発見しようとする音楽バラエティ番組です。感想は是非「#okno」をつけてツイートしてください!お問い合わせはメール:radiookno830@gmail.com まで。

サムオブ井戸端話 #039「寝るときになにか聞く?」

SOMEOFTHEMのメンバーであるカンノアキオ、オノウエソウ、YOU-SUCKで音楽にまつわる井戸端話の文字起こしを毎週アップします。

 

寝るときになにか聞かないと不安で眠れないオノウエメンバー。ずっとなにかが鳴っていないと不安で落ち着かないが、そこから意味を汲み取ろうとすることがしゃらくさく感じてしまうのは何故なのかについて語り合いました。

 

オノウエ:寝るときになにか聞いたりしてる?

YOU:それは音楽?

オノウエ:もう何でも。僕は寝るときになにか音が鳴ってないと寝れないんですよね。

YOU:それは辛いね(笑)

オノウエ:僕は寝るときに音楽やラジオを流してるんですが、普通の人はどうしてるの?

カンノ:僕もYouTubeを流しっぱですね。

YOU:俺は普段は無音。でも旅行先とか移動中とかは音楽聴きながらのほうが寝やすい。

カンノ:旅行先で音楽聴くんだ?

YOU:そう。もっというと、そのときに聴く音楽は灰野敬二みたいなノイズだったりする(笑)それをめっちゃ音を小さくして聴く(笑)でもホワイトノイズってよく眠れるらしいよ。

オノウエ:ホワイトノイズは胎児がお母さんのお腹のなかで聴く音に近いと言われてるからね。

YOU:嘘か本当かわからないけど寝れるんですよ。周囲の雑音もあんまり気にならなくなる。

オノウエ:あと日中はなにか聞いて過ごしてる?それとも無音?

カンノ:なにか流してるね。

YOU:俺も仕事の会議がなければ流してる。

オノウエ:そのときはなにを聞いてる?

カンノ:もういろいろ。新譜やポッドキャストやラジオやYouTubeや。何でもなにか流してるね。

オノウエ:俺もずっとなにかを流してるの。俺は無音に耐えられないんだよね。

カンノ:なるほどね。それと逆の感覚はあって、めちゃくちゃいろいろ聞いたあとの無音はすごく気持ちいいよ。

オノウエ:へぇ~。それは起きてる時間?

カンノ:そうそう。その日にいろいろ聞きすぎて「もう聞きたくない!」ってなるの(笑)

オノウエ:アハハハハッ!

カンノ:「聞きたくない!もう聞くのやめた!」ってなったあとの聞かないという行為は気持ちいいね。

オノウエ:そのときはなにかしてるの?

カンノ:移動中とか家で家事してるときとかかな。でもたとえば本を読むときになにか聞くのは僕は無理ですね。

オノウエ:それはわかるね。

カンノ:本を読むときのBGMは無理。頭に入らなくなる。移動とかちゃんと「ながら」になることじゃないと無理かな。ラジオの企画を練るみたいな頭を使うときにはなにも聞けないし。

YOU:俺は最近、音楽を聴けなくなっていて。なんか意味を汲み取るのが無理になってきちゃったんだよね。テクノですら無理になってきて。それで今、行き着いてるのが怪談を聞いてるの(笑)

カンノ:怪談って意味があるじゃん。

YOU:あのね、もう人がなにか話していればなんでもいいの(笑)

カンノ:出た、そのパターン(笑)

オノウエ:でもそれ、俺も近い。人が話していればなんでもいいになってる。

YOU:あとわりと喋ってるゲーム実況とか、『丸山ゴンザレスの裏社会ジャーニー』とか(笑)

カンノ:でも『裏社会ジャーニー』も意味あるじゃん。

YOU:もう内容はほとんど聞いてない。

カンノ:それは丸山ゴンザレスの喋りの波長がいいの?

YOU:もうそのあたりは言語化できない。

カンノ:僕はまだ意味を欲しちゃうな。意味を聞いてる。たとえば寝るときは繰り返し見たYouTubeを流しっぱにして意味を取らないようにしてる。

YOU:なるほどね。

オノウエ:これは社会人になって明確に変った自覚があって、社会人になってから無音に耐えられなくなってるんだよね。社会人になると出社をするから、なにかを聞く時間って限られちゃうじゃん。それを経て今は家でリモート仕事で、わりとなんでも聞けるから、なんでも聞いてるんだよね。でもそれは「音楽が聴きたい」とかじゃなくて「なにか鳴っててほしい」っていう方向に近い(笑)だから人のどうでもいい会話でも全然いい。

カンノ:今はなに聞いてるの?

オノウエ:そうなるとラジオや対談の動画とかを流してる。

カンノ:音楽には行かないの?

オノウエ:寝る前に聴くは聴くけど、結局ノイズとかになる。なんか意味のあるものが聞けなくなったのが加速度的に上がってる感じ。

カンノ:意味がしゃらくさいのかな?

オノウエ:意味がうるさいんだよね。

カンノ:脳みそが埋められる感じなのかな?

オノウエ:あぁ~、でもそれに近いのかも。カンノはちゃんと意味を取るつもりで聞くの?

カンノ:意味を取ろうとしてるね。あとたとえば僕は『東京ポッド許可局』の昔のポッドキャストの音源も聞くんですけど。

東京ポッド許可局

東京ポッド許可局

  • 東京ポッド許可局
  • 社会/文化
  • ¥0

カンノ:それは内容だけじゃなくて、喋りのテンポとか3人の間合いとかリズムとかも込みで聞いてるね。それを自分のラジオで活かそうとはしてるね。

オノウエ:広い意味での勉強だね。

カンノ:そうそう、内容だけじゃなく。この前友達と喋ってて、「カンノの喋りってちゃんと伊集院光の影響受けてるよね」って言われてすごく恥ずかしかったんだけど(笑)

オノウエ:憑依してるときあるよね(笑)なんでこういう話をしたのかというと、前職の同期と飲んだときに「寝るときになにか鳴ってないと寝れないんだよね」って話したら、すごく引かれたの(笑)「お前、大丈夫か?」ってなっちゃって(笑)俺はなにか鳴ってないと落ち着かないんだけど、みんなはどうなのかなと思ってね。

カンノ:無音が落ち着かないのは、良くないよ。

オノウエ:アハハハハッ!

カンノ:無音のときは落ち着いたほうがいいです(笑)でもその話がわかるのは、「俺ってこんなにイヤホンしてたっけ?」って思うときあるよね。

オノウエ:なるほどね。

カンノ:下手したら半日くらいイヤホンしてるときがあるんだよ。狂ってるよね(笑)絶対に身体がおかしくなるよ。

オノウエ:とりあえず僕らは基本なにかを流してる人種ではあるってことですね。

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