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Radio OK?NO!! Podcast #056「2006年」特集文字起こし(後編)

宅録ユニット・OK?NO!!の上野翔とカンノアキオでSpotifyで聴けるポッドキャスト番組『Radio OK?NO!!』を配信しています。こちらではその文字起こしを前編、後編に分けて掲載します。今回は"2000年代を1年毎に語り合おう"シリーズの第2弾である「2006年」特集(後編)を掲載します。(前編)は下記リンクから。

 

Radio OK?NO!! Podcast #056「2006年」特集音声は下記リンクから。ポッドキャスト登録を是非、よろしくお願いします!

 

カンノ:では続いて僕の思う2006年を象徴する楽曲をお聴きください。絢香で「三日月」

カンノ:この曲はオリコン年間シングルチャートは49位なんですが、配信だとダブルミリオンを達成しています。

上野:おぉ~、なるほど。

カンノ:200万ダウンロード。で、この年の着うたフルを筆頭とした配信ダウンロードのミリオン達成曲を調べたら、ほぼバラードでした。絢香「三日月」、SEAMO「マタアイマショウ」、AI「Story」、スキマスイッチ「奏」など。

上野:なるほどね。

カンノ:で、ブチアゲ曲が2曲だけミリオン達成していて、それは最初に流したmihimaru GT「気分上々↑↑」とDJ OZMAですね。

カンノ:バラードがブチアゲ曲しかない。

上野:ブチアゲ曲のブチアゲ感すごいね(笑)

カンノ:だから2006年でヒットした曲って大味な曲しかないんですよ。ミドルテンポでリスナーが行間を読むような曲なんて全然求められてない。

上野:感動して泣くか、踊るかの2択なんだね。

カンノ:この選択肢しかないのが2006年。

上野:たしかのその2極化だったかもね。

カンノ:そんな大味な曲をガラケーで聴く時代でした。あともう1つはカラオケですね。

上野:あ~、なるほどね。

カンノ:曲がカラオケの機能を果たしてます。つまりカラオケで歌うためのバラード曲、カラオケでブチアゲるための曲っていう機能。

上野:なるほどね。カラオケで歌うのはどっちかなわけだ。

カンノ:そういう時代だったんだと思います。それが2006年。大味な曲。そう考えると今のJ-POPはちゃんと進んだ気がする(笑)

上野:いろいろなパターンが出てきたよね(笑)

カンノ:知識や教養がマジでいらなかった時代が2006年。

上野:なるほどね。では僕が選んだ2006年楽曲なんですけど、さっきDef Techを流しましたが、Def Techがオリコンインディーズ年間チャートのトップ10のうち3つ取ってると言いましたが、4つ取ってる人がいます(笑)

カンノ:アハハハハッ!めちゃくちゃ面白いな(笑)やっぱり母数が少ないんだよ。1組が売れたらその人が全部売れちゃうから。昔のアルバムが全部入っちゃうんだよね。

上野:そうなんだよ。

カンノ:だからチャートが参考にならない問題ってあるよね(笑)

上野:あと2022年ってバンドがかなり下火だけど、このときはギリギリでインディーのなかでのパンクやロックがまだ強かった時代なんだよね。

カンノ:夏フェスってさ、今の夏フェスと2006年くらいの夏フェスって毛色が全然違うもんね。

上野:そうだね。

カンノ:アイドルやヒップホップの人が全然出てないし。「オイ!オイ!」って言いまくれた時代で、ここからだんだんとダイブモッシュが禁止されていってね。

上野:だからまだそのシーンが盛り上がっている時代で、その雄と言っていいんじゃないでしょうか。それではお聴きください、ELLEGARDENで「Salamander」

カンノ:ELLEGARDENのアルバムが4枚も年間チャートに入っていたのか…。

上野:この曲が入ったアルバム『ELEVEN FIRE CRACKERS』が4位。残り7位、8位、9位がELLEGARDENです(笑)

カンノ:アハハハハッ!

上野:旧譜含めて4枚チャートに入ってて、この頃は年1枚アルバムを出していたので。

カンノ:Def TechとELLEGARDENで7つ取ってるんだね(笑)

上野:そうそう(笑)

カンノ:つまんねえよ!

上野:意味がないし、ワクワクしない(笑)

カンノ:「巨人が1位」と一緒だよ(笑)

上野:で、残りがAqua TimezHYモンゴル800ですね。

カンノ:やっぱりインディーズランキングってワクワクしないね~。新進気鋭がいないもんね。

上野:知ってる人しかない。

カンノ:インディーチャートがつまらないっていう感覚は久々に思い出したね。売れてる人が限られてるからチャートも変わらないんだよ。

上野:たしかに代り映えしなかったよね。でもELLEGARDENはインディーで出し続けるアティチュードだったもんね。

カンノ:友人バンドであるアジカンストレイテナーはメジャーから出していたけど、ELLEGARDENだけはインディーズを貫いたもんね。で、当時のインディーズってレンタルCDがあんまり解禁されてない頃でさ。だからELLEGARDENもレンタルになかったから持っていた友達から借りてMDに落とすとかさ。ということで2006年を象徴する音楽を流していきました。最後に僕と上野君が思う2006年を象徴する楽曲を流して終わろうかと思うのですが、今日のこの回でいくつかキーワードが出ました。「レゲエ」「バラード」「カラオケ」とかですね。で、やっぱりこの人たちのこの曲は象徴的なんじゃないかなと。最後にこの曲を聴いていただきます。湘南乃風で「純恋歌

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『Radio OK?NO!!』はパーソナリティーの上野翔とカンノアキオが、最新J-POPやちょっと懐かしい曲をクイズやゲーム、時には曲同士を戦わせつつ(?)、今までになかった音楽の切り口を発見しようとする音楽バラエティ番組です。感想は是非「#okno」をつけてツイートしてください!お問い合わせはメール:radiookno830@gmail.com まで。

サムオブ井戸端話 #057「ミュージシャンの引退と老い」(後編)

SOMEOFTHEMのメンバーであるカンノアキオ、オノウエソウ、YOU-SUCKで音楽にまつわる井戸端話の文字起こしを毎週アップします。

 

どれだけ年を取っても人前に立ち続けなければならないミュージシャンという仕事のルッキズムや体力面での残酷さの話をするサムオブメンバー。後編では、年を取っても人前に立ち続けることの演奏する側の気持ちと見る側の気持ちのズレ、素顔を見せないミュージシャンの老いについて語りました。前編は下記リンクから。

 

カンノ:ミュージシャンの話だけど、お笑いも同じだよね。たけしもタモリも死んでないから。

YOU:そういう上下の関係性でコンテンツが作られる限り、永久にその下にいる人たちは後輩でいなきゃいけないもんね。千鳥を「売れてる若手芸人」って思ってる人も全然多いと思うし。

オノウエ:人前に立つ仕事って、70歳になったときにどうあるのがいいのかな?引退しちゃったほうがいいのかどうか。これはやる側の気持ちじゃなくて、見る側の気持ちとして。

カンノ:1つの指標として、「何歳で売れたのか?」はあるよね。早くに売れた人は辞めていいと思うの。遅くに売れた人は「まだ稼ぎたい」という思いはあるよね。「まだいい思いがしたい!」とか。

オノウエ:たとえば30歳で売れたとして、そこから70歳までだと40年じゃん。40年音楽がやれたと。それは充分な感じするよね。

カンノ:40年やれたらいいよね。40歳で売れたらどうなんだろう?まだやりたいと思う気がする。

YOU:40歳で売れたミュージシャンっているのか?いなくない?

カンノ:芸人は最近それが起きてるじゃん。40歳でも売れてなかったら若手芸人扱いだし。ということは、ミュージシャンでもそれが起きる可能性はなくはないよね?

オノウエ:たとえば20歳で本格的に音楽を始めて、売れずに20年続けるわけでしょ。で、40歳で急にブレイクするんでしょ。それはすごいな。お笑いはあるよね、それこそ錦鯉のケースもあるんだし。

オノウエ:新譜を作り続けるなら別だけど、ライブだけやるなら辞めちゃえばいいのにって思う派なんだよね。

カンノ・YOU:フフッ。

カンノ:ヤマタツは70歳くらいになってたら、いつものバンドメンバーで酒場とか回って過ごすんだろうなと思っていたと言ってたね。むしろライブだけやってると思ってたみたいだよ。

オノウエ:やる側の論理としてはそういうのはあると思うの。でも見る側としては、その人のことを全盛期の記憶として覚えているから。前編でジョン・ライドンの話もしたけどさ、やっぱり人って容姿は変わるし、太るときは太るし。それでロックミュージシャンに絞ると、太ってる人はやっぱり格好がつかないんだよ。かつその容姿で当時の曲をやったりするからさ。もう辞めたらいいのにって思っちゃうの。

YOU:厳しいな~(笑)

オノウエ:現在の容姿で、現在のルックスで、現在のバンドメンバーで新曲を作ってライブをやるなら、現在の自分に合ってるものを演奏するわけだからいいと思うんだけど、そこの乖離が見てて辛くなっちゃうんだよね。

カンノ:中尾憲太郎って太ってかっこよくなったよね。

オノウエ:中尾憲太郎は合ってるよね。

カンノ:あれは稀有だよね。

YOU:イカついからだよね。

カンノ:あの人、なんかパワーアップしたよね。

オノウエ:身体が大きくなって髪も伸びて、バランスがよくなったよね。

オノウエ:ミュージシャンのルックスの話は結構残酷だよね。

YOU:どうしたってルッキズムはあるよね。

カンノ:見せる仕事だからね。

YOU:その観点は当然あるよ。

オノウエ:そうなんだけど、人は等しく年を取るから残酷だなって。

カンノ:素顔を見せないミュージシャンって増えたじゃん。あれってどこまで「素顔を見せない」ことを引っ張るのかな?

YOU:歌い手文化だよね。

カンノ:一応は「老い」がないわけじゃん。

YOU:老いが隠ぺいされてる感じはあるね。

カンノ:顔や体形の意味でのルッキズムはないかもしれないけど、声の老いはあるじゃん。

YOU:そうだよね。高い声が出なくなるんだよ。

カンノ:松任谷由実ってめちゃくちゃ声変わったじゃん。

YOU:もう昔の曲は原曲で歌えてないからね。

オノウエ:顔出ししないミュージシャンの話でいうと、引退するか死ぬまで続けるかっていう話はさ、たとえばAdoが今後売れ続けた場合どうなるかっていう。

カンノ:普通のミュージシャンの区切りって引退するかどうかなんだけど、Adoとかは2段階あるよね。まず顔を出すのか否かっていう。そこでAdoの活動のタームが確実に変わるじゃん。そのうえで辞めるのかどうか。それが2段階目。

オノウエ:顔出ししないで、ある程度ちゃんと音楽人生を全うできるのかどうか。そういう人っているのかな?

YOU:イルカや大黒摩季は最初顔出ししなかったけど、結局出したもんね。

オノウエ:GReeeeNか。

カンノ・YOU:あぁ~。

オノウエ:GReeeeNはこのまま顔出さずにいくのかな~。

YOU:不自然なCGのやつしか知らないもんね。あれは何だったんだ…(苦笑)

カンノ:あれはザワザワしたね。

オノウエ:「GReeeeNのアレは何だったんだ?」という話でお時間です(笑)

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Radio OK?NO!! Podcast #056「2006年」特集文字起こし(前編)

宅録ユニット・OK?NO!!の上野翔とカンノアキオでSpotifyで聴けるポッドキャスト番組『Radio OK?NO!!』を配信しています。こちらではその文字起こしを前編、後編に分けて掲載します。今回は"2000年代を1年毎に語り合おう"シリーズの第2弾である「2006年」特集(前編)を掲載します。

 

Radio OK?NO!! Podcast #056「2006年」特集音声は下記リンクから。ポッドキャスト登録を是非、よろしくお願いします!

 

カンノ:2000年代を1年毎に音楽シーンがどうだったのかを見てみる特集をしておりまして、今回はその2回目です。前回は2004年を特集しました。

カンノ:2004年はCDが売れなくなくのが如実に数字で表れて、その代わりに着うたをはじめとしたダウンロード文化が始まった年と言われております。そこからほんのちょっと先を進めて、今回は2006年を特集しようと思います。2006年の音楽シーンはどうだったのか、当時のデータや僕らの体感も含めて2006年を象徴するような曲を紹介しようと思います。2006年のオリコン年間チャート1位楽曲から流そうと思うんですけど、それはKAT-TUN「Real Face」なんですね。

上野:なるほど。

カンノ:KAT-TUN「Real Face」はサブスクで聴けないので、今回は流せません。ちなみにこの曲は2006年のCD売上で唯一のミリオンセラーです。

上野:そうなんだ。

カンノ:シングルのミリオンセラーが3年ぶり。だから2004年と2005年がシングルCDが100万枚売れてない。それで久々に大ヒットしたのがこの曲だったんですが、今回は年間2位の曲を聴きたいと思います。お聴きください、レミオロメンで「粉雪」

上野:これが年間2位なんだ。

カンノ:じつは発売自体は2005年の11月くらいですね。で、めちゃくちゃロングヒットした結果、2006年の年間ランキング2位。この曲は週間のオリコンCDランキングで1位を取ったことがないんです。でもずっと売れ続けてチャートの上位に居続けて2006年の年間2位になったと。ということも踏まえたうえで、僕と上野君で2006年を象徴するような曲を紹介しようと思います。当時のデータやJ-POPシーン、僕らの体感も踏まえて2006年を喋れたらなと思います。やっぱり間違った歴史を残しちゃいけませんから!「あれはよかったね」なんて容易く言っちゃいけませんよ!

上野:厳しいですね(笑)目を光らせてますから。

カンノ:歴史修正する人をぶった斬っていきますよ!

上野:ぶった斬る必要はないですけどね(笑)

カンノ:じゃあまず僕から2006年を象徴する曲を紹介したいなと思います。mihimaru GTで「気分上々↑↑」

カンノ:2004年の特集のときにnobody knows+の「ココロオドル」を流したんですよ。

カンノ:メジャーシーンのJ-HIPHOPってまずDragon Ashという存在があって、KICK THE CAN CREWRIP SLYMEがいて、ラップという歌唱法は「グループでやって楽しい」という感じがどんどん文脈とかがなくなって、本当にただ楽しいだけのものになっていくなかで、2004年に「ココロオドル」という曲が出てくると。その軽薄さが極まった形が「気分上々↑↑」だと思うんです。

上野:「Hey, DJ!」って言っちゃう感じ(笑)

カンノ:「かませイエーイエーイエー、気分上々の!」ですよ。この何も残らなさ(笑)

上野:何も残らないね~(笑)

カンノ:この通り過ぎていく感じ(笑)今聴いてて思ったんだけど、女性の歌よりも男の人のラップのほうが聴いてて恥ずかしくなるね。

上野:久々に聴いたけど、サビの歌が終わったらわりとすぐにラップに入るんだね。

カンノ:僕が歌詞で注目したいのが2番のラップの「Hip Hop, R&B, Pops, Techno, House, Rock…Hip Hop!!」というただただジャンル名を言い続ける箇所があるんです(笑)僕はここが大好きなんです(笑)ただ形だけのことを歌うという。

上野:とくに主張がない感じね(笑)

カンノ:ジャンルだけ言って2小節稼ぐっていう(笑)字数稼ぎに来た感じがね(笑)なんか当時のメジャーシーンのJ-HIPHOPの終着点ってこの曲かなと思うんです。

上野:なるほどね。

カンノ:あと好きなのが、ここで歌われているクラブ観ね。

上野:はいはい。

カンノ:やっぱり「Hey, DJ!」って言ってる人を見たことがない(笑)

上野:俺も一人も会ったことないな(笑)

カンノ:ここで歌われている人って実在しないんだよね。

上野:少なくとも僕らは出会ったことないよね。

カンノ:この曲は大ヒットしたからさ、mihimaru GTがいろんなテレビに出てたじゃん。で、「どんな感じだったっけな?」と思っていろんな音楽番組に出ていたときの動画とか見てたんだけど、セットがすごくお城みたいな高いところにDJがいてさ、不夜城みたいな(笑)その高いところでDJがキメてさ、その下でいろんな男女が踊ってさ、で「Hey,DJ!」ってやってんの。このクラブを見たことがないの(笑)

上野:そんなに高い位置にいないしね(笑)

カンノ:歌われていることやテレビのセットとかの虚像であり虚空。で、存在しないのに「これがクラブです」と思わせることとかが芸能だなと思うんです。

上野:なるほどね。

カンノ:このJ-POPの「なにもなさ」ね。

上野:それをある種、象徴しているような曲ってことね。

カンノ:なにもないから終着点になったと思うの、J-HIPHOPの。で、2007年以降はGReeeeNとファンモンの時代になるの。

上野:そっか、そういう形でつながっていくのか。

カンノ:「軽薄HIP HOP」から「励ましHIP HOP」になっていく時代の変わり目、手前のときがmihimaru GT「気分上々↑↑」かなと思いました。

上野:なるほどね。

カンノ:思想が見えないことこそが重要ってことですね。

上野:次は僕です。2006年のオリコン年間シングルランキング2位がレミオロメンの「粉雪」でしたが、インディーズランキングはどうだったのかなと思って調べてみました。オリコンインディーズのアルバムチャート年間ランキング1位の曲を聴きたいと思います。Def Techで「Catch The Wave

上野:っていうかDef Techってインディーズだったのかよっていうね(笑)

カンノ:いわゆるインディーズの香りがしないよね(笑)Def Techって「My Way」でバーンと売れたじゃん。これってヨコハマタイヤのCMタイアップだったんだよね。それで売れたわけだから。

カンノ:インディーズもさ、口コミで売れたのか、タイアップとかで売れたのかで全然違うじゃん。戦う土壌が違うからさ。

上野:その「戦う土壌が違うよね」っていうことがこの年のインディーズのアルバムチャートが顕著で、この年間チャートの10位までにDef Techのアルバムが3枚入っています。

カンノ:当時のインディーズチャートってそれが本当に顕著で、1枚売れたらそれまでリリースされたアルバムもチャートに入るくらい売れちゃうんだよね。戦う土壌とか母数がメジャーのチャートと全然違うから。

上野:このトップ3が2006年当時っぽくていいんだけど、1位がDef Tech。2位がAqua Timez。3位がHYですね。

カンノ:だからラップと海、沖縄、レゲエだね(笑)

上野:アハハハハッ!

カンノ:この4つのうち3つを満たすと売れるみたいな(笑)

上野:景色良さそうな感じだと売れる(笑)

カンノ:で、絶対歌メロは必要。

上野:そうだね。

カンノ:ミクスチャーから派生しているんだけど、ミクスチャーっぽくは見せない感じかな。Dragon Ash的な重たさではなく、どうアコースティックで聴かせるか。爽やかに。それをレゲエで見せるのか、ハワイアンなのか。

上野:たしかにDef TechやAqua Timezはレゲエアプローチだったもんね。

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『Radio OK?NO!!』はパーソナリティーの上野翔とカンノアキオが、最新J-POPやちょっと懐かしい曲をクイズやゲーム、時には曲同士を戦わせつつ(?)、今までになかった音楽の切り口を発見しようとする音楽バラエティ番組です。感想は是非「#okno」をつけてツイートしてください!お問い合わせはメール:radiookno830@gmail.com まで。

Radio OK?NO!! Podcast #055「思い出のsakusaku」特集文字起こし(後編)

宅録ユニット・OK?NO!!の上野翔とカンノアキオでSpotifyで聴けるポッドキャスト番組『Radio OK?NO!!』を配信しています。こちらではその文字起こしを前編、後編に分けて掲載します。今回は8月28日(日)にTVKで一夜限りの復活を果たす伝説の音楽バラエティー番組『sakusaku』について、カンノと上野が番組の思い出を語る「思い出のsakusaku」特集(後編)を掲載します。(前編)は下記リンクから。

 

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カンノ:では続いて、こちらの「sakusaku」にまつわる人の楽曲を聴きましょう。LITTLEで「I SING, I SAY」

カンノ:この曲は2004年にKICK THE CAN CREWが活動休止して、そのあとに各自ソロ活動をするなかでLITTLEさんが最初に切ったシングルです。僕が一番最初に好きになったミュージシャンがKICK THE CAN CREWなんですよ。なので当時の僕はKICK THE CAN CREWが出てる番組はわりとチェックしてたんですね。この「sakusaku」は音楽情報バラエティーですから、プロモーションでミュージシャンがよくゲストコーナーで出てくるわけです。そのなかでKICK THE CAN CREWからはLITTLEさんがよく出てたんですよ。

上野:あ~、なるほど。

カンノ:「このグループのこの人はスペシャによく出てるな」みたいな担当分けってあるじゃないですか。で、キックのなかで「sakusaku」はLITTLEさんがよく出ていたと。で、これは今思うとだけど、LITTLEさんは出身が八王子だから、神奈川でいうと相模原とかが近いんだよね。だから神奈川と関連がある人、みたいな感じで出ていたんだと思う。わりと地元のトークとかって多いじゃん。

上野:そうだね。

カンノ:今になって思うんだけど。で、僕はキックもLITTLEさんも好きでしたと。で、当時は子どもだったから、自分のメールアドレスとか持ってないわけですよ。だから親のPCアドレスを使ってね。

上野:もう本当に懐かしい話だ…(笑)

カンノ:親のPCアドレスを使ってメールとか、「あの人があの番組に出ててこんなことを言ってました」みたいなことを多分送ってたんですよ。で、そんなこともすっかり忘れて、約15年後。

上野:15年後(笑)

カンノ:急に上野から連絡あって、「これお前?」っていう文と一緒に動画が送られて。それが「sakusaku」で視聴者からのメールを紹介するところで「神奈川県、菅野明男君からのお便りです」みたいなことを言ってたの(笑)たしかLITTLEさんが地上波の番組かに出てて、なにかいろいろ喋っていたことを書いてたんだよ。それを木村カエラさんとマスコットが「流石LITTLEさんだね~」みたいなことを喋ってて。その動画を送ってきたんだよね(笑)「これ、俺だよ~!」って(笑)

上野:そうだよね(笑)

カンノ:そんなこともすっかり忘れてたというか、多分そのメールを読まれた回を見逃しちゃってたんだよね。読まれてたら覚えてるはずだから。だから15年後ですよ。

上野:本当にこっちもこっちでめちゃくちゃびっくりしたんだから(笑)「sakusaku」をなんとなく見返していたら、知ってる名前が出てきたんだもん(笑)「神奈川県 菅野明男」という出身地と名前の漢字が一致していて、話してることがカンノの敬愛するLITTLEさんだから、もう完全にカンノなんだよ(笑)

カンノ:そこで出た「神奈川県  菅野明男」のテロップを今、Twitterのヘッダー画像として使っています(笑)嬉しすぎて(笑)だから一応、木村カエラさんと共演はできています(笑)良い思い出です。僕はサクサカーなんですよ。

上野:なんかサクサカーエピソードが強いよね(笑)

カンノ:僕は今、ラップをしていますので、なにかの縁でLITTLEさんにお会いできたら「僕、sakusakuで読まれたんですよ」とお伝えしたいですね(笑)

上野:普通に「ファンです」って言えばいいじゃん(笑)

カンノ:そして苦笑いされようと思います(笑)

上野:続いて僕の選曲です。お聴きください。オーノキヨフミで「平凡」

カンノ:これも何十年ぶりに聴いた気がするな~。

上野:司会のマスコットは白井ヴィンセントでしたが、その前任がいましたね。先代と言いますか…(笑)

カンノ:これね!是非みなさん、ウィキペディアで調べてみてください。これね、面白いことになってるので!

上野:いろいろあったからね(笑)

カンノ:著作権…?

上野:権利関係!

上野:その初代のキャラクターから白井ヴィンセントになって、そのどっちともとオーノキヨフミは曲を作っているんですよ。「練馬のうた」「練馬のうた 第二章」っていう。だから番組にもよく出てたんだよね。

カンノ:「平凡」もエンディングで流れていたのとか覚えてますよ。

上野:僕は「新宿西口摩天楼」っていう曲でオーノキヨフミを「sakusaku」で知っていいなと思ったんですよね。

カンノ:「練馬のうた 第二章」はそのシングルのカップリングに入ってたね。

カンノ:だから当時、これから売っていく新進気鋭のメジャーアーティストのシングルのカップリングに入るくらい「sakusaku」は人気番組だったということですよ。それで購買意欲を増すことをレコード会社は見据えてるわけだから。

上野:俺はまんまとオーノキヨフミのCDを買いに行きましたからね。

カンノ:だから僕らとしてはTVK50周年ソングは木村カエラ feat. オーノキヨフミでお願いしたかったですね(笑)

上野:それは最高ですね!もともと木村カエラさんが歌手活動をするきっかけになったのも「sakusaku」だもんね。

カンノ:そこで「Level 42」という曲をリリースしてね。当時のTVKは42チャンネルだったから。

カンノ:ここから木村カエラさんの歌手活動が始まり、一端のモデルじゃなくなったと。一大アーティストになっていったと。そんなわけで8月28日の「sakusaku」一夜限りの復活ということで見たいなと思います。最後に木村カエラさんの初期楽曲を聴いてお別れです。木村カエラで「happiness!!!」

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『Radio OK?NO!!』はパーソナリティーの上野翔とカンノアキオが、最新J-POPやちょっと懐かしい曲をクイズやゲーム、時には曲同士を戦わせつつ(?)、今までになかった音楽の切り口を発見しようとする音楽バラエティ番組です。感想は是非「#okno」をつけてツイートしてください!お問い合わせはメール:radiookno830@gmail.com まで。

サムオブ井戸端話 #056「ミュージシャンの老いと引退」(前編)

SOMEOFTHEMのメンバーであるカンノアキオ、オノウエソウ、YOU-SUCKで音楽にまつわる井戸端話の文字起こしを毎週アップします。

 

歌手活動を引退する大御所ミュージシャンのニュースを目にすることが増えて「寂しいな」と思うのと同時に「当たり前だよな」とも思うYOU-SUCKメンバー。人前にさらされて「若いままで居てほしい」と思われがちなミュージシャンという職業を続けることの難しさと身の引き方について考えました。

 

YOU:結構前の話ですが、関ジャムのヤマタツ特集あったじゃないですか。あれを見ながらヤマタツの年齢を調べたんですよ。御年69歳。「ヤマタツ69歳か」と思って。それで近いミュージシャンの年齢をいろいろ調べていったんですよ。桑田佳祐が66歳。細野晴臣が結構上で75歳。矢沢永吉は「還暦過ぎてもロック」って言ってたけど72歳。で、意外なのが沢田研二は74歳。そして年齢言われても若い印象があるのが加山雄三で84歳。

カンノ:加山雄三はコンサートを引退するもんね。

YOU:そうだね。吉田拓郎も芸能界を引退したでしょ。中島みゆきももうライブしないらしいし。

カンノ:橋幸夫も歌手を引退するよね。

YOU:だからニューミュージック界隈の人たちが引退されるんですよ。「もう引退か…」って思ったりするけどさ、当たり前の話なんだよね。人間って当然等しく年を取っていくし、死に向かって突き進んでるわけだから。「もう疲れた。無理。お金も充分あるし、もう辞めます」っていうのは当然ありえるわけじゃん。でもミュージシャンって「もう引退か」とか「若かったのに」とか「つい最近までやってたのに」になりがちだよね。

カンノ:人前に立つ仕事って、途中から「自分のため」じゃなくて「人のため」みたいな気持ちになっていくんじゃないかな。桑田やヤマタツとかって自分の趣味嗜好はさておいて、ファンに求められる桑田像やヤマタツ像を崩すのが難しい立場じゃん。そうなると辞めるタイミングって難しいよね。「疲れたので辞めます」ってある程度自身が大きい存在になっちゃうと言いにくいというかさ。

YOU:「生涯現役」という威勢のいい言葉が蔓延っている中だったりするし。ミュージシャンって「年を取らない」って思われがちだから大変そうだなと思ってね。

カンノ・オノウエ:(笑)

YOU:なんならポール・マッカートニーも80歳ですよ。あとミック・ジャガーは78歳。そしてローリングストーンズはまだ活動している。ロック第1世代はまだギリギリ生きている感はあって。これはヤマタツも言ってたけど、「こういう年の取り方をして、こういう風に死にます」みたいなロールモデルがない文化だから。身の引き方をまだ誰も教えてくれてない。

YOU:これからいろんな場面で「身の引き方」というものを目にするんだろうなと思ってね。それで寂しい気持ちと、当たり前だよなって思うのと。あとロックミュージシャンの可哀想なところって、過去を振り返る企画で昔の若いころの姿がメディアで何回も流れるから、ものすごい植えつけられちゃうんだよね。たとえば沢田研二とかはさ、永久にパラシュートをつけて「TOKIO」を歌ってるときの映像が流れちゃうんだよ。

カンノ:それと最近のライブをドタキャンしたときの映像を比較されちゃったりね(笑)

YOU:そんなのやってらんないじゃん。

オノウエ:海外だとジョン・ライドンみたいな、当時のパンクムーブメントから来た人って年を取るのは本当に難しいよね。

オノウエ:今でもセックスピストルズの話は出るわけじゃん。あの当時はトリックスター的なことをやっていたわけだけど、年取ったらそれが正しかったなんて誰も思わないわけだし。それをジョン・ライドン自身が言わなきゃいけなかったりしてさ。あとYouTubeDevoの最近のライブを見たんだけど、すげえ太ってるの。そういうのってロックミュージシャンやパンクスの人は大変だと思う。

カンノ:今ぱっと思ったんだけど、内田裕也って僕たちが物心ついたときからおじいちゃんだよね。で、ほぼあの姿しか知らないんだよ。若いころの内田裕也と言われても、全然ピンと来なくて。

YOU:政見放送とか見たことない?結構かっこいいよ。

カンノ:それは知ってるんだけど、なんかおじいちゃんの名残に引っ張られて、あれですらおじいちゃんに思えちゃう(笑)全然印象がおじいちゃんなんだよ。で、その年の取り方は逆に強いよね。

YOU:もうおじいちゃんのときはテレビに出まくってたもんね。これは若干ふざけた例えなんだけど、『スターウォーズ』でジェダイという正義の騎士が出てくるんですよ。で、師匠と弟子みたいなのがいるんですよ。ジェダイが死ぬとフォースっていう宇宙を漂う大きな力の中に魂が還っていくという設定なの。で、ジェダイが必要なときにフォースを使うと、その師匠と霊体みたいな形で会話ができるの。そのとき映される師匠の姿って若いときの映像だったりするの。おじいちゃんになって死んだのに若いときなの。あとダースベーダーって以前はアナキン・スカイウォーカーって名前のジェダイだったの。正義の騎士。最終的に悪の総帥になったダースベイダーが改心するのがスターウォーズのお話なんだけど、お話のラストのダースベイダーが死んだあとに出てくる幻影のシーンはダースベーダーの姿じゃなくて、ダースベーダーになる前の綺麗なアナキンの姿なの。だから、今言った感じで内田裕也がフォースの力を使って復活したら、僕らにとっては間違いなくおじいちゃんの姿で出てくるよね(笑)

カンノ:そうだよ、それでスニッカーズ食ってるよ。

YOU:マジでスニッカーズは食ってるね(笑)あと細野晴臣もそっちに近いよね。

オノウエ:あぁ、そうだね。

カンノ:細野晴臣って生まれたときからおじいちゃんでしょ?

オノウエ:そんなわけはないですね(笑)

カンノ:ロックの話が続いているけど、日本のヒップホップもそうだよね。

YOU:ヒップホップはマジでそうだね。これからだね。あと10年とかしたら「疲れたので引退します」っていうラッパーは普通に出てきそう。

カンノ:スチャのBoseさんは自分が五十路であることをラップに織り込んだりしてるし。60代、70代になっても現役のラッパーが日本ではまだいないからさ。どこまで現役であることを担うのか、または担わないのか。たとえばBoseさんは鎌倉に移住したじゃん。東京から離れて。

YOU:終活の1歩目感あるよね。

オノウエ:日本のヒップホップで60歳になった人っていないのか。

カンノ:近田さんは?

YOU:近田春夫、71歳(笑)

カンノ・オノウエ:71歳!?

YOU:近田春夫、すげえな(笑)

オノウエ:でも近田春夫はジャンル横断型の人じゃん。現役の人でっていうのはいないのかな?

カンノ:本当はECDなんだろうね。

YOU:ECDはそうだね。57歳で亡くなってるから、今だったら61歳だね。

カンノ:あと高木完さんやいとうせいこうさんとかね。でも現役ラッパーで言ったらライムスター、スチャダラパーとかになってくるよね。

オノウエ:だから本当に日本のヒップホップの歴史ってそれぐらいしかないんだよね。

YOU:歴史が短いから、これからその人たちがどう落とし前をつけていくのかを見ていくわけだから、まだみんな探り探りなんだよね。だから俺たちも探り探りやんなきゃいけないんだなって気付きが最近ありました。

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Radio OK?NO!! Podcast #055「思い出のsakusaku」特集文字起こし(前編)

宅録ユニット・OK?NO!!の上野翔とカンノアキオでSpotifyで聴けるポッドキャスト番組『Radio OK?NO!!』を配信しています。こちらではその文字起こしを前編、後編に分けて掲載します。今回は8月28日(日)にTVKで一夜限りの復活を果たす伝説の音楽バラエティー番組『sakusaku』について、カンノと上野が番組の思い出を語る「思い出のsakusaku」特集(前編)を掲載します。

 

Radio OK?NO!! Podcast #055「思い出のsakusaku」特集音声は下記リンクから。ポッドキャスト登録を是非、よろしくお願いします!

 

カンノ:8月28日の日曜日にテレビ神奈川

カンノ・上野:TVK

上野:あっ、期せずして声が合ってしまいました(笑)

カンノ:なんだか恋しそうですね。

上野:アハハハハッ!偶然がね(笑)

カンノ:TVKで夜11時から「sakusaku」が一夜限りで復活と。放送されるみたいです。

上野:なるほど。

カンノ:「sakusaku」という番組がありました。

上野:懐かしいですね。

カンノ:女性グラビアアイドルやモデルさんなどが司会でいて、パペットと2人で屋根の上で喋る30分番組がありました。これが毎朝7時半から帯で神奈川県では放送してました。それを僕と上野君は青春時代、毎日のように見ていたんです。

上野:見てましたね(笑)

カンノ:それが一夜限りで復活。そして司会はこの番組が生んだ大スター、木村カエラ

上野:大スターですよ。

カンノ:木村カエラさんとマスコットの白井ヴィンセントが2人で司会をすると。まぁ、僕らはサクサカーですよ。

上野:サクサカー(笑)VHSで録画して見てたもん。

カンノ:それは根っからだね(笑)「sakusaku」って音楽情報バラエティー番組ではあるんだけど、ゲストでミュージシャンは来るんだけど、ほぼ雑談みたいな番組でしたね。

上野:緩めのバラエティーだったよね。

カンノ:朝にちょうど良かったよね。だから今回夜11時からじゃん。どう見たらいいかわからないよね(笑)朝ぶっ続けで5日間放送してほしい(笑)

上野:1週間、帯でやってほしいよね(笑)

カンノ:今回TVKが開局50周年を記念した復活ということで、木村カエラさんが開局50周年ソングを作りました。まずはその曲を聴きましょう。木村カエラで「Color Me feat.マヒィトゥ・ザ・ピーポー」

カンノ:この曲がTVK開局50周年ソングということで、「sakusaku」でも流れると思うのですが、まぁ古い曲が聴きたいよね。

上野:アハハハハッ!

カンノ:あのときの「sakusaku」で流れていた古い曲を僕は聴きたいですよ。「sakusaku」って言われて過去に戻れる感覚ってあるでしょ?

上野:あるね。

カンノ:そこで新しい曲を出されても、「いやいや、僕らには戻れる曲があるから」みたいな気分ですよ(笑)

上野:もちろんこの曲もいいんだけど、「もしsakusakuが復活して木村カエラが曲を出すなら、あの人とやってほしいな」みたいな気持ちはやっぱりあるよね。

カンノ:「sakusaku」に出てたミュージシャンはいっぱいいますからね。「sakusaku」にまつわるアーティストっていっぱいいるんですよ。ということで今回は「思い出のsakusaku」特集と題して、「sakusaku」にまつわるアーティストの曲を聴きながら、当時「sakusaku」を見ていた思い出を振り返る回をやろうと思います。じゃあまず僕からです、こちらお聴きください。コブクロで「宝島」

上野:コブクロ、出てたね~!

カンノ:覚えてますか。あれですよ、今日は「不倫と君が代」特集じゃないですよ。

上野:コブクロ以外になにを流すの?

カンノ:アハハハハッ!あと5組くらいいたらやるけどさ(笑)コブクロはたしか毎週火曜日だったと思うんですけど、コブクロがビデオメッセージを送って、それを屋根の上で見るっていうコーナーがあったんですよね。基本的にそういう出方をしていました。だからほぼレギュラーですよ。で、アルバムとかリリースしたら屋根の上に来るみたいな感じだったと思いますよ。メジャーデビューしてから数年はコブクロは全国的にそんなに売れてなかったんだよね。そのブレイク前のときに「sakusaku」に出ていたと。

上野:なるほど。

カンノ:この「宝島」という曲は3rdアルバム『Straight』に収録されているシングル曲です。

カンノ:このアルバムのツアーで、たしかサクサカーから「是非、神奈川でもコンサートに来てください」みたいな声があったんだよ。

上野:ほお。

カンノ:で、このアルバムのツアーの初日が神奈川県にある座間ハーモニーホールだったんですよ。

上野:おぉ!座間ハーモニーホールって僕らの地元にかなり近いところじゃないですか。

カンノ:そこで僕、初めてミュージシャンのコンサートを見たのがコブクロの座間ハーモニーホールの公演だったんですよ。

上野:へぇ~!コブクロのコンサートに行ったんだ!

カンノ:母親と行ったの。それが一番最初のコンサート体験。前から5番目の席でした。良い席!

上野:それは良い席だね!

カンノ:これ、なかなかのサクサカーでしょ?

上野:それはなかなかのサクサカーだね。「サクサカー」って名乗っていいね(笑)

カンノ:この「宝島」もライブで聴きました。

上野:良い話ですね。じゃあお次は僕からです。お聴きください、DEPAPEPEで「START」

カンノ:この曲、覚えてるな~。

上野:DEPAPEPEも出てたよね。

カンノ:たしか、ビデオメッセージコーナーをやっていたコブクロが、その枠を卒業して、そこに入ってきたのがDEPAPEPEだったよね。

上野:そうだ、そうだ。

カンノ:その辺りまでは見てたな。

上野:僕らは放送当時が中学生で、自分が楽器をやり始めたり、ギターに興味を持って弾き始めるときに、DEPAPEPEのインディーズのころのCDが家にあったんですよ。父親がインスト楽曲が好きだったので。そのくらいから「sakusaku」に出てるんだよね。

カンノ:メジャーデビュー前から。

上野:そうそう。「あ、DEPAPEPEが出てる!」って思ったことを覚えてますね。そこからメジャーデビューして「START」が出るんですけど、「sakusaku」をとおしてメジャーデビューしたことを知ったアーティストということで印象に残ってますね。

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『Radio OK?NO!!』はパーソナリティーの上野翔とカンノアキオが、最新J-POPやちょっと懐かしい曲をクイズやゲーム、時には曲同士を戦わせつつ(?)、今までになかった音楽の切り口を発見しようとする音楽バラエティ番組です。感想は是非「#okno」をつけてツイートしてください!お問い合わせはメール:radiookno830@gmail.com まで。

Radio OK?NO!! Podcast #054「たとえ上手なOfficial髭男dism」特集文字起こし(後編)

宅録ユニット・OK?NO!!の上野翔とカンノアキオでSpotifyで聴けるポッドキャスト番組『Radio OK?NO!!』を配信しています。こちらではその文字起こしを前編、後編に分けて掲載します。今回は比喩表現の多いヒゲダンの歌詞に注目した「たとえ上手なOfficial髭男dism」特集(後編)を掲載します。(前編)は下記リンクから。

 

Radio OK?NO!! Podcast #054「たとえ上手なOfficial髭男dism」特集音声は下記リンクから。ポッドキャスト登録を是非、よろしくお願いします!

 

カンノ:僕のなかのヒゲダンの最上級例え楽曲があるので聴いてみましょう。Official髭男dismで「115万キロのフィルム」

カンノ:この曲は、例えすぎ!

上野:フフフッ。

カンノ:部分部分切り取って「ここがこう例えられてるんですよ」っていう話をしたいんですが、この曲は全部がそれだからさ。ちょっと無理。

上野:これは具体的にどういう内容の曲?

カンノ:歌詞でいうと「主演はもちろん君で 僕は助演で監督でカメラマン」なので、自分の目に映るものがフィルムになっていて、僕の目で君のことを撮影し続けるという。僕と一緒に居る人生を撮影し続けると。で、死ぬまでこの撮影は終わらないと。君と一緒にいる人生をフィルムに換算すると115万キロっていう。これから君との毎日がずっと映画の撮影例えになっているんですね。

上野:「きっと10年後くらいにはキャストが増えたりもするんだろう」とかね。結婚して子どもができることの例えだよね。

カンノ:ずっと例えられてるんですよ。「エンドロールなんてもん作りたくもないから」とか。もう全部具体的に例えてるんですよ!

上野:「クランクアップがいつなのか僕らには決められない」とかさ。

カンノ:情報量楽曲ですよ。

上野:情報量楽曲ね(笑)一つ強い設定、強い歌詞世界観設定をかちっと作って、そこに対してはみ出ないし、「こういう情景あるよね」を流し込んだら出来上がった感じの歌詞だよね。

カンノ:「コント!115万キロのフィルム!」みたいな感じなんだよ(笑)

上野:設定がちゃんとしすぎてね(笑)

カンノ:どこか切り取って「ここがこうで」っていう話をしたいんだけど、マジで全部がそれで構成されてるからさ。

上野:たしかに、ここまでかっちり決め込んで全部それで例えていくっていう曲ってあんまりないかもね。

カンノ:本当はもうちょっと甘いんだよ。

上野:もうちょっと甘かったり、もうちょっと現実とフィクションを混ぜたりね。

カンノ:歌詞の例え方がストイックすぎるんですよ。「絶対はみ出ちゃいけない」と思って書いてるはずだよ。それは、重い!

上野:アハハハハッ!「それがすごい」「それが好き」っていうことじゃないんだ。「それが重い」(笑)

カンノ:重たいよ!いや、すごいよ。けど、重いの(笑)もうちょっと例え方は軽くていいよ(笑)

上野:なるほどね(笑)

カンノ:ヒゲダンのこの曲を初めて聴いたときに「この人たち、めちゃくちゃ例える人たちだな~」という印象が強烈でね。ではそんなヒゲダンの最新作の例え楽曲を聴きましょう。Official髭男dismで「ミックスナッツ」

カンノ:世間とか人間関係をナッツに例えてるんですよ。

上野:例えてますね。

カンノ:ミックスナッツという世間ですよ。「ピーナッツみたいに 木の実のフリをしながら 微笑み浮かべる」と。それが世間であると。

上野:ミックスナッツの袋が世間で、そのなかに入ってる1つ1つのピーナッツが1人1人の人間関係。

カンノ:そして「本音が歯に挟まったまま」という、ピーナッツを噛んだときの詰まった感じとか。その結果「胃がもたれていく」という。ミックスナッツって意外とカロリー高いですから(笑)もう1袋でお腹いっぱいになりますから。まぁ、ミックスナッツであることの複雑さ。それが世間とリンクすると思われたのでしょう。

上野:この企画の趣旨が今更わかってきたんだけど、「やりすぎ」ってことね(笑)

カンノ:ここまで明確というかさ。なんか、曲作りをする人って、曲を作ることに関してはしっかりやると思うの。それに対して歌詞ってさ、ちょっと甘さがあったり、聴く人に委ねられてもいいと思うの。それが良いバランスな気もするの。行間がある感じというか。「リスナーに解釈は委ねます」みたいな。でもヒゲダンって「こういう明確な意図で書きました」っていう感じならまだしも「そこからズレてはいけない」という信念めいたもので書いている気がして。

上野:僕は大前提、ヒゲダン大好きなんです。そのうえで言い方は難しいんだけど、たしかに歌詞の節々を見ていくと上手いことをすごく言おうとしてるよね。

カンノ:そうそう。「これが言いたい」というのが例えから発生している。

上野:その例えの手数もめっちゃ多いし。

カンノ:どの曲も5個以上は例えてるよ。

上野:そうだね(笑)

カンノ:でも例え・比喩って、例えを使いながら「本質はこうです」って言うためにあるじゃん。例えが核じゃないはずなんだよ。でもヒゲダンの場合は「例え=本質」になってると思うの。だから例えることが目的化してる。とくに「ミックスナッツ」や「115万キロのフィルム」は。「そういう風に楽曲を成立させていくんだ」って思ったんですよね。それが面白かった。で、そういう人たちをあんまり知らない。

上野:たしかに、ここまでやる人はいないかもね。

カンノ:相当神経質に歌詞書いてるよ。「ここからズレちゃいけない」は強くあると思う。

上野:なるほどなぁ。

カンノ:ヒゲダンの緻密性ですね。曲だけでなく歌詞の面でもあるなと。で、僕が楽しみなのは年取ってからだよ。例えとかズレとか気にしなくなって「もういいや」って思ってからの歌詞(笑)

上野:「もういいや」って思うときは来るのかな?

カンノ:そうならないとしんどいでしょ?

上野:今回いろいろ話を聞いて、このままの方向性でもし突き進んだらヒゲダンってねずっちみたいになるのかなって思った(笑)

カンノ:アハハハハッ!

上野:ワンセンテンスにめっちゃ上手いことをめちゃくちゃ入れてくる人たちになってるんじゃないか(笑)

カンノ:ヒゲダンとねずっちのツーマン(笑)

上野:僕は普段音楽を聴くときに歌詞に対してはすごく鈍感なので、こういう面から捉えるのはとても面白かったですね。

カンノ:だからまだ歌詞は尖ってると思うのね。それが「もういいや」って丸くなったときに何が出るのかは楽しみですね。例えとか意味から離れていくヒゲダンっていうのもちょっと見てみたいなと。そして、もしかしたらヒゲダンが目指す境地はここなんじゃないかと。

上野:おっ。示してあげると(笑)

カンノ:もう示している人がいます。「感情のないアイムソーリー」を体現している人。

上野:アハハハハッ!

カンノ:ヒゲダンの先を行く人が、ヒゲダンのカバーをしていたと。

上野:そうだそうだ、最後の曲は予告してたんだ(笑)

カンノ:この番組は伏線回収ラジオですから(笑)ということで最後の曲です、二宮和也で「Pretender」

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『Radio OK?NO!!』はパーソナリティーの上野翔とカンノアキオが、最新J-POPやちょっと懐かしい曲をクイズやゲーム、時には曲同士を戦わせつつ(?)、今までになかった音楽の切り口を発見しようとする音楽バラエティ番組です。感想は是非「#okno」をつけてツイートしてください!お問い合わせはメール:radiookno830@gmail.com まで。