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LL教室presents『実習#1』に出た感想と過去の僕

4×4=16(ししじゅうろく)カンノです。

 

一昨日はLL教室presents『実習#1』というイベントに出演しました。場所は新宿V-1という主にお笑い芸人さんが出られる劇場で、以下出演者。

 

4×4=16(落語×HIP HOP)

LL教室(日本語カバー特集)

MELODY KOGA(ピアノ弾き語り)

ナツノカモ(立体モノガタリ)

 

ぱっと見、何のライブかさっぱり分からない。僕がやった(落語×HIP HOP)なんて、うるさ型が多いジャンルを2つ掛け合わせてしまっている。「絶対やめた方がいいよ!」と本当だったら僕は言うだろう。やったけど。

表現のイベントなのにLL教室はトークショーを行い(ポリティカル&コンプラ的に掲載不可笑。ハシノさんのブログでその熱の一端に触れることが出来ます

http://guatarro.hatenablog.com/entry/2019/07/09/230043 、(ピアノ弾き語り)と分かりやすそうなMELODY KOGAさんが一番狂気だったり(詳しい感想は昨日の記事にて

https://someofthem.hatenablog.com/entry/2019/07/13/232559、ナツノカモさんは(落語)でも(一人芝居)でもなく(立体モノガタリ)と銘打って、まさかの文字通り上下(じょうげ)に上下(かみしも)を切って1人2役を演じていた。KOGAさん〜ナツノカモさんの流れはお客の想像力をパンクさせる1時間であったろう。脳がどうかしちゃいそうだった。そして、こういったジャンルレスだけど何か繋がるもののあるイベントに呼ばれるのはとても嬉しかった。

 

10年前。僕は大学生で、学内ではお笑いサークルに入り、学外でバンド活動をやっていた。この時期に大好きなミュージシャンである︎︎︎□□□(くちろろ)にこれまた大好きないとうせいこうさんが加入した音源を聴きライブに通い、ラーメンズ小林賢太郎さんとFPMの田中知之さんがSymmetryS(シンメトリーズ)というユニットを結成して出したアルバムを聴き、『エレ片』や『ラジカントロプス2.0』といったラジオ番組にゲスト出演していたマキタスポーツさんの「加山雄三ハミングソング」や「YMO×長渕剛マッシュアップ」でゲラゲラ笑っていたりした。僕自身もやっている音楽の中でどうお笑い的な事が出来るかを何となく考えていた。

でもなんとなくバンドが上手くいってCD出したり、バンド解散後しっかり始めた4×4=16もCD出せたり。そうなると「ちゃんとミュージシャンっぽくやらなきゃ」みたいな意識が芽生えて先の気持ちは忘れたりしていた。そうこうしてる内にメンバーが抜けて1人になった。僕は曲が作れない。「やばいな〜。もう一回社会人やり直しかな」なんて思ってた頃に東葛スポーツ『袋とじ根本宗子」と□□□︎︎︎「『LOVE』御披露目会」を観た。東葛スポーツによる根本宗子さんの1人ラップ芝居(+映像を使ってもう1人の根本宗子さんと長井短さんも出演)、そして9人のメンバーを入れ総勢14-5人となった︎︎︎□□□のステージになんとなくこういった事がしたかった事を思い出して、1人での4×4=16を始めた。

1人での活動の宣誓、もう1人でやらない宣誓、バンド形態、コントや会話劇みたいなラップ曲、的な自主企画を2ヶ月に1回のペースで打って今年の初めに(落語×HIP HOP)のライブを打った。落語やHIP HOPの要素は当然入れ込みつつも、海砂利水魚サンプラーを使用した漫才や、マキタスポーツさんのライブでのMC(フリ部分)の説明具合の影響もありつつのライブが出来て満足だった。

「盛り上がれ〜」や「楽しんでいこうぜ〜」と言って"アガる"方向にアジテートする音楽でも無ければそんな精神性でもない。でもざっくりと「音楽を使って面白いことがしたい」気持ちはある。それも分かりやすく伝えたいからMC部分は割と大事に使う。ただ、KOGAさんやナツノカモさんは完全にお客の想像力に委ねられた世界を前に、「まだまだ僕はお客を信用していないんだな」みたいな気持ちにもなったり。これは普通の音楽ライブじゃ得られない感覚だよなぁ。演者が1つの方向にお客の気持ちを持っていくライブなりイベントなりも勿論面白いんだけど、お客1人1人が何を考えているのか演者側もまるで分からないライブというのもとても楽しかった。1人1人の感想が知りたいと思った。そういったイベントに出られて良かった。ある意味、これまでの活動がその布石にも思えています。ウケたいけど。また出たいです。