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BGMとしてのJ−WAVE 〜音楽要素を強めると有線化する「音楽ラジオ」〜

様々なライブやレコーディングに参加しているミュージシャン・三浦千明さん屁理屈音楽語りグループのLL教室・ハシノさんをお招きして、SOMEOFTHEM・カンノと「音楽ラジオ」についての駄話会。第5回はJ-WAVEの話をたっぷりと。

 

 

カンノ:苦手な音楽ラジオってありますか?(笑)

三浦:苦手かぁ〜。

カンノ:たとえばお笑いは見極めやすいですよね。面白いか面白くないかだから。音楽ラジオってそこ難しいですよね。interestingかどうかって。でも、「このinterestingには琴線触れないな〜」みたいな(笑)

ハシノ:昔、徳永英明が…。

カンノ:えっ?壊れかけてました?(笑)

三浦・ハシノ:アハハハハッ!

カンノ:こんなこと言わせないでくださいよ〜(笑)脊髄反射で出ちゃったよ(笑)

三浦:パス出しちゃったね(笑)

カンノ:もう!

ハシノ:気を取り直して(笑)、たしか15分番組で。そこで曲はかけてて。自分が選んだかスタッフが選んだかはあれだけど。他の回はなにも覚えてないんだけど、印象に残ってる回があって。「プリンスが新曲出したのでかけます」とか言って、徳永英明も初見で、どんな曲かも知らずにかけたのよ。それが「Batdance」だったんですよ。

Batdance

Batdance

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ハシノ:歌ってるんだか歌ってないんだか、ジャック・ニコルソンの声の方が多いぐらいの。それをかけ終わったあと、徳永英明が絶句していて(笑)

三浦・カンノ:アハハハハッ!

カンノ:ドキュメンタリーラジオだ!

ハシノ:すごくピュアなリアクションしていて。

カンノ:でも今、面白いかも。「かけようぜ」ラジオって。

三浦:知らない曲をかけるってたしかにないね。

カンノ:それを放送局で事故覚悟でやるの面白いかも(笑)自分のライブラリから持ってくるって、もうある程度ありますもんね。

ハシノ:「俺の好きな曲」はもうあるからね。

カンノ:これはブルーオーシャンですよ(笑)

三浦:知らない曲をかける!

カンノ:「これいってみよう!」とか言って。ジャケ買いラジオですね。

ハシノ:そうだね!それですごくぼんやりしたこと言ってね(笑)

三浦:情報なしで語るっていうね。誰も何枚目も関係ないっていうね(笑)

 

カンノ:そんなに聞いていない音楽ラジオとか?

三浦:すごくざっくり言うと、J-WAVEはそんなに聞いてない。

カンノ:それ、僕もそうですね。聞いたらいいのに、聞いてないなぁ。

ハシノ:それはテイストで?

三浦:う〜んと、曲がかかることの意味をあんまり感じられないかなぁ。

ハシノ・カンノ:あぁ〜。

三浦:BGM的な感じになっちゃうかなぁ。

カンノ:僕の中でJ-WAVEは床屋さんとかでかかるのはアリなんですよね。

ハシノ:自分の意志じゃないところで聞きたい感じね。事故的に流れてくる分には全然OKみたいな。

カンノ:有線としてのJ-WAVEって僕はすごくいいんですよ。

三浦:あぁ、分かる分かる。番組として聞いてるのは『GOLD RUSH』(※1)だけかな。

三浦:情報としても出てくる人も面白くてね。マーチンギターが提供のコーナーがあって、シンガーソングライターの人がマーチンギターを使って弾き語るのよ。大御所が出たり、マーチンユーザーが出たり。

ハシノ:スポンサーといい関係だね。

三浦:「私の使っているギターの型は〜」みたいな話をしたりね。そこで弾き語りをしたりして、それは聞いてるんだけど。

ハシノ:「音楽ラジオ」の音楽部分の要素を強めていけば強めていくほど、それは有線だよね。

カンノ:軽薄なものになっちゃいますよね。

ハシノ:誰が喋っていてもよくなっちゃうからね。その人の味じゃなくなっちゃう。

カンノ:喋りとは関係ない流れで「曲いきましょう、◯◯で××」は味気ないですもんね。

三浦:J-WAVEは今っぽさとか、流行を感じるから、個人的にいうとそこはそんなに求めてないっていうか。年寄りみたいなこと言ってるけど(笑)でもそれは街に出れば聴けるからね。

カンノ:あとチャートに力入れてますよね。

三浦:だから流行っている曲を率先してかけてるよね。

カンノ:TOKYO FMのチャート番組は1時間で終わりますもんね。

三浦:J-WAVEは全体的な音像が似てるんだよね。1日、1日の。

ハシノ:なるほどねぇ〜!

カンノ:月曜と火曜の選曲が似てるとか。

三浦:時代も今だから。TOKYO FMだと時代も世界も変わってくるかな。

カンノ:番組の意図が見える感じですね。ディスクジョッキーであるかないかが、裏方含めそうなのかっていう。

三浦:もちろん、そういう意味ではJ-WAVEもディスクジョッキー的ではあるよ。「今の曲をかける」っていう。「イケてるぞ」という気持ちはあると思うよ。

カンノ:たしかに、そういうDJもいますもんね。

三浦:でも、どうしても今の音楽だと音像は似ちゃうし。ロー出すぎというか。リズムの感じとかも似ちゃうし。それに比べるとラジオ日本は化石ですよ(笑)

カンノ:考古学!考古学ラジオ!

三浦:「今、何年だったっけ?」みたいな(笑)「私は今、いつのどこにいるのでしょう?」みたいな気持ちになる(笑)

ハシノ:もう昔と違って今、音楽の情報を得られる場所はいっぱいあるから。

三浦:音楽自体も増えてるからね。

ハシノ:その中であえてラジオを選ぶとなるとね。

カンノ:そう考えるとJ-WAVEって有線っぽいなって思いますね。

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(※1)2012年から放送されている、様々なジャンルの旬な情報を紹介するラジオ番組。ナビゲーターはアンジャッシュ渡部建