様々なライブやレコーディングに参加しているミュージシャン・三浦千明さん、屁理屈音楽語りグループのLL教室・ハシノさんをお招きして、SOMEOFTHEM・カンノと「音楽ラジオ」についての駄話会。最終回はラジオという場所だからこそ出せる素があるアイドルラジオの話。
ハシノ:中学生の頃のバンドをやりたいと思う前の将来の夢が、なにかしらラジオに関わる仕事で。構成作家というものがあるのは分かっているんだけど、その人達がなんの仕事をしているのかは分からない。
カンノ:あるあるですね!(笑)
ハシノ:でもその仕事楽しそうみたいな(笑)
三浦:それで言うと、小学校のサイン帳かなにかに、将来の夢の欄に「DJ」って書いている人多かった。
ハシノ:あぁ〜、そうなんだ。DJ赤坂(泰彦)憧れ?(笑)
三浦:赤坂ではないけど、私は生徒手帳に赤坂の写真を入れてて叩かれまくったんだけどね(笑)
ハシノ・カンノ:アハハハハッ!
三浦:「それは違うだろ」ってすげぇ言われた(笑)
カンノ:良いですね、赤坂がアイドルだったんですね(笑)
三浦:私の中ではね(笑)でも当時は皆、アイドルのラジオを聞いてたんだと思うんだよね。
カンノ:それはアイドルになりたい願望として?
三浦:それよりはアイドルに会えるかもしれないという意味でのラジオ憧れかな。
ハシノ:それが時代が違ったら文化放送の声優ラジオ憧れだったかもしれないよね。
カンノ:なるほど。
三浦:この前、KinKi Kidsのラジオ(※1)を聞いてめちゃくちゃ面白かった。文化放送で25年やってるの。
カンノ:長寿番組…!
ハシノ:毎週2人で?
三浦:別々の日もある。それで25周年記念で2時間特番でやってて。それがリスナーから送られてきた最初の回のジングルとか、リアルタイムでファンからのメッセージとやり取りしていくんだけど。それは歴史を感じるよね。
カンノ:もうキンキファンもそういうお年ですもんね。
三浦:そうそう。25年もカセットテープで持ってるわけだから。それでやっぱり初期はテンション高いの。アイドル然としてるんだけど、「いつから俺たちはこんなんになった?」と言ってて(笑)「どう思います?」とファンに聞いて。それでリスナーからは「多分、それぞれが忙しくなって、ドラマとか始まって1人の日とか増えてきたから、まぁいっかみたいな感じでほつれが出てきた」って返って来て。
ハシノ:うわぁ、面白い…!
三浦:「ドラマのせいだ〜」みたいな。
カンノ:金田一のせいか(笑)
三浦:25周年だからデビュー前からやってるんだよね。
ハシノ:キンキのあの感じってラジオの要素も強いんだろうな。ファンとの距離感がなんか独特だなって思ってたんだけど、ラジオかぁ。
三浦:「やっぱファンの人ってすごいよね〜」みたいな。
カンノ:今となっては剛と光一って全然違う道なのに、でもそこではその2人の波長が合って。
三浦:そうそう!bayfmで剛くんがラジオを1人でやってるんだけど(※2)、それは暗い!エンドリケリ感が強い!
カンノ:あ〜、空が泣いてますか!(笑)
三浦:だから「あの剛くんだ!」っていうのは2人でやってる時の方があるね。だからずっと聞いてられた。
カンノ:アイドルラジオで言うと、『NAGASE The Standard』(※3)ってTOKIOの長瀬くんがずっとハードロックをかけるじゃないですか(笑)
三浦:アハハハハッ!
ハシノ:マジで!?
三浦:10分番組なんだよね。で、地元の友達とスケボーして遊んだみたいな話とかして(笑)
ハシノ:アハハハハッ!イメージ通り過ぎる!(笑)
カンノ:最高ですよね(笑)
三浦:「◯◯のスタンダードは?」みたいなお題でリスナーのメールに応えていくという。
カンノ:あの人の趣味はバイクとギターなんですよね。
ハシノ:分かりやすいなぁ(笑)最高だ。
三浦:あの番組良かったよね。
カンノ:長瀬くんが事務所に黙って更新していたインスタ、バイクとギターの写真ばっかっていう(笑)
三浦:アハハハハッ!
ハシノ:徹底してるなぁ(笑)
三浦:やっぱりね、田舎の兄ちゃんなんだよね。
カンノ:本来、中居くんもそうだったんだけど、ちょっとマシーン感ありますもんね。
三浦:長瀬くんがラジオで出す素の感じは良かったよね。選曲も自分でやってる感じがあったし。
カンノ:曲の解説も自分でしたりしてましたね、ざっくりとした感じで(笑)
三浦:そうそう(笑)読まされている感じはなかったね。それでTOKIOの曲もかけるんだけど、「このギターは家で録ったんだよね」とか、「太一くんが家に来てキーボード録ったんだ」とか。
カンノ:へぇ〜!
ハシノ:ミュージシャンとしての面が!
三浦:それは聞けて良かったね。録音秘話を喋ってくれるからね。
カンノ:アイドルのラジオになると、自分の言葉で5%でも10%でも喋ってくれたら超嬉しいですよね。
三浦:嬉しいよね!
ハシノ:テレビだけだと消費されるだけ感あるもんね。そういうラジオみたいな居場所があるだけで人として安定するよね。
カンノ:芸人さんですらそうでしょうし。
ハシノ:そうだね。
三浦:『大倉くんと高橋くん』(※4)も最近は聞いてるなぁ。
カンノ:あ〜、それでいうと関ジャニにおける『関ジャム』(※5)って結構大きいじゃないですか?
ハシノ:そうだね。居場所感は強いね。
カンノ:それで関ジャニから抜ける人は皆音楽やっていく感じとか(笑)
三浦:結局ね(笑)
カンノ:幼少の頃からどこか居場所に身を置いて、自我が芽生えて自分でしたいことをやる流れで言うと、「バンドが青春」と「ジャニーズが青春」って似てるなと思って。
三浦:それが本来は健康的だよね。
ハシノ:本来、40歳でやることじゃないよね。
カンノ:マシーンにならざるを得ないですよね。
三浦:宝塚みたいな卒業システムがあればね。
ハシノ:SMAPからかな、卒業しない感じ。
カンノ:それで、『シンクロのシティ』の後番組が稲垣吾郎の番組(※6)ですよ!
三浦:まだ聞いてないや!
カンノ:番組側が用意した音楽に対して吾郎ちゃんが小気味良い事を言う感じですかね。
ハシノ:スマスマにceroを引っ張った人だから説得力はあるよね。
三浦:そっか。SMAP解散後ぐらいの、慎吾と剛のラジオ(※7)。
カンノ:シンツヨですね。bayfmでしたっけ?
三浦:そうそう。解散直後が全然面白くなくて。テンション低くて、「俺ら仕事あるのか分からないし…」みたいな。声を張ってないのよ。
カンノ:でも、資料としては超貴重ですね。
ハシノ:うん、生々しいよね。
三浦:でもTwitterトレンド1位でさ。「っだよ!」みたいな。
ハシノ:でも確かめたいもんね。
カンノ:そりゃ1位になりますよ。
三浦:この放送が1位ってことにガッカリしてさ。もう全然面白くなかったんだよ。
カンノ:あのですね、多分、三浦さんのラジオに対するピュアな情熱が異常ですね(笑)ラジオ国の人過ぎます(笑)普通は「SMAP解散直後、2人は何を言うんだろう?」ですよ。それに対して「ラジオの放送としてはあの内容0点だよ!」って言う人、あんまりいないっすよ(笑)
ハシノ:今の僕らの温度差すごかったね(笑)
三浦:冷静になれば確かに変だったね(笑)
カンノ:アハハッ!ラジオのことになるとやっぱり冷静にはいられなかったんですね(笑)
(※1)『KinKi Kids どんなもんヤ!』文化放送をキーステーションに、1994年10月10日から現在も放送している番組。放送25周年を記念した2時間特番を2019年10月10日に放送。
(※2)『堂本剛とFashion & Music Book』bayfmで放送している堂本剛の30分ラジオ番組。
(※3)TOKYO FMをキーステーションに2015年10月1日から2019年3月28日まで放送されていた10分の帯番組。毎日1つのテーマに沿って長瀬がフリートークをする。
(※4)『オールナイトニッポンサタデースペシャル 大倉くんと高橋くん』ニッポン放送で2015年4月4日から現在まで放送されているラジオ番組。
(※5)『関ジャム 完全燃SHOW』テレビ朝日で2015年5月10日から現在まで放送されている音楽バラエティ番組。関ジャニ∞が毎回様々なアーティストを迎えて、ジャムセッションやトークを繰り広げる。
(※6)『THE TRAD』TOKYO FMで2019年9月30日より放送しているラジオ番組。架空のレコードショップを舞台に、店長:稲垣吾郎(月火)、副店長:ハマ・オカモト(水木)、専属店員:吉田明世がお送りするカルチャー発信番組。
(※7)『ShinTsuyo POWER SPLASH』bayfmで前身番組時代を含めると1995年から放送されている、香取慎吾と草なぎ剛のラジオ番組。