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Radio OK?NO!! 第18回「星野源一代記」特集(後編)

OK?NO!!の上野翔とカンノアキオで市川うららFMにて『Radio OK?NO!!』を放送しています。ここでは毎週の特集を文字起こしという形で記載します。今回は第18回の8月9日放送分、「星野源一代記」特集の後編をお送りします。

 

 

 

上野:そしてSAKEROCKを解散した星野源は、どんなバンドメンバーを揃えたのか。これが錚々たる顔ぶれですよ。ドラムが河村”カースケ”智康さん。桑田佳祐福山雅治のバックをやられています。

カンノ:アミューズだ!分かりやすいぞ!

上野:そしてベースがOKAMOTO’Sのハマ・オカモトさんですよ。

カンノ:ハマ・オカモトさんはずっとシングルのカップリングでベースを弾いてたんだよね。3ピース体制楽曲で。シングル表題曲は『YELLOW DANCER』収録曲辺りからかもね。同年代のスーパースターですね、ハマ・オカモトさんは。

上野:そしてギターは長岡亮介さん。ペトロールズもだし、あと東京事変浮雲ね。

カンノ:椎名林檎星野源の横に居続けるんですよ。すごいよね。そんな人生、頭狂っちゃうよね!

上野:すごいよね(笑)そしてさらに、シンセサイザーやコーラスを担当しているのが石橋英子さん。

カンノ:石橋英子さんが星野源バンドに参加したとき、本当にびっくりしなかった?

上野:したね。

カンノ:石橋英子さんって星野源がスターダムに一気に駆け上がる途中に加入したじゃん。2014年ぐらいかな。で、「そんな人じゃない!」っていう印象だよね(笑)

上野:そうだね(笑)以前このラジオで「PANICSMILE特集」をやりましたが、そのメンバーだったんだから。

 

 

上野:そんなかなり訳の分からないことをやっている人が加入しているっていう。まぁ、石橋英子さん自体はかなりいろんなことをされている人ではありますが、ここに入るとは思わなかったね。かなりびっくりしたよね。では何故、僕らがびっくりしたのか、ちょっと石橋英子さんの曲を聴いていただきましょう。石橋英子で「The Dream My Bones Dream」

 

 

カンノ:えっと、不穏です…(笑)

上野:ずっとなんとなく不穏で、なにも起こらず終わります(笑)この曲が収録されているアルバムが2018年リリースですね。多分最新作ですね。石橋英子さんはこういったものや、ガーっとしたノイズのものもあります。

 

(こちらの方がよりびっくりできるかも)

 

上野:そしてちゃんとしたポップスもやるので、振れ幅のある人ですね。そういう人が星野源バンドに入っていると。

カンノ:狂気の人ね。

上野:それをも星野源は手に入れたわけだ(笑)

カンノ:そうだよ。『Noise Virus』ってアルバムを出すかもしれないよ(笑)

上野:物理的に身体に悪そうなウイルスじゃん(笑)大友良英みたいな。

カンノ:『あまちゃん』が表で、裏がフィードバックノイズみたいなね(笑)

 

 

 

カンノ:でも星野源もそういう振れ幅の人だけどね。

上野:確かにね。そしてさらに、バンドメンバーにMPCも入れてきます。

カンノ:ありましたね。「アイデア」という曲のタイミングでSTUTSさんが加入します。

上野:あの曲もびっくりだったね。

カンノ:びっくりだった!あのね、ちょっと感動しちゃった…(笑)

上野:普通に好き(笑)

カンノ:普通にちょっと泣いちゃった(笑)

 

 

上野:あの曲はちゃんとドラマも売れたしね。

カンノ:NHK朝ドラ『半分、青い。』でしたね。「アイデア」は超好き!

上野:そしてSTUTSはかなり人気ですが、その彼の曲も聴きましょう。しかもfeat.がPUNPEEですよ。

カンノ:流れが完璧ですよね。

上野:それでは聴いてください、STUTSで「夜を使い果たして feat. PUNPEE

 

 

カンノ:星野源は人を踊らせる方向に行って今に至ると思うんですけど、その途中でMPCというダイレクトな打楽器みたいな人を加入させてるから、よりその圧が強まったよね。あとこの曲に関しては、後々星野源は「さらしもの feat. PUNPEE」という曲を発表するわけだけど、この2人のつなぎ役にSTUTSは間違いなくいるよね。

 

 

カンノ:あとは『おげんさんといっしょ』で「夜を使い果たして」のスペシャルバージョンをやったじゃないですか。星野源バンドの演奏で。その演奏には星野源の過去曲のフレーズもサンプリング的に入り混ぜながらね。この曲のリリース自体は2016年で、その時点でも有名だったけど、2019年に星野源ファンにもそれが広まるっていうね。すごいよね。皆それぞれがしっかり得をして。「Win-Win」は聞いたことがあるけど、「Win-Win-Win」って聞いたことがないよね!

上野:初めて聞いたね(笑)まぁ、星野源のキャリアでいうと、まずは弾き語りフォーク期があって、そこには細野晴臣がいて、それからR&B的なものに入っていく。そこにはマイケルがいた。そしてHIP HOP的なものにも入っていくと。そんな変遷でした。2016年に「夜を使い果たして」があって、2018年の末ににアルバム『Pop Virus』が出ます。

 

 

上野:そして2019年に「さらしもの」をPUNPEEと共作します。こういったコラボするタイミングとかもさ、『Pop Virus』が出るタイミングとかもさ、振り返ると全てが上手くいっているよね。

カンノ:やっぱりアルバムタイトルが象徴的だと思うんだよね。『YELLOW DANCER

』というアルバムを出して「国民を踊らせる」ということに向き合って、その振る舞いは今も続いていて。そして『Pop Virus』というアルバムが出たあとに、例えばサブスクを解禁させましたと。そのときに過去作の振り返りじゃなくて、あの人は世界発信に向かったんだよね。「世界中にどう星野源を蔓延させるか」がテーマだったように思えます。そういう意味でのVirusだよね。そしてコロナが起こったあと、「うちで踊ろう」という曲を発表しましたが、「この曲で皆さん、コラボしてください」ということで、この曲自体がプラットホームになったんだよね。その大家としての星野源と、コラボ相手である居住者という関係を可視化させたんだよね。「タダでこの曲を使っていいけど、この曲を作ったのは私、星野源です」の見える化だよね。その結果が首相の横ですよ!

上野:本当そうだよね。「うちで踊ろう」現象が起きたときに、「これがPop Virusじゃん」って思ったよね。

カンノ:アルバムで振る舞いを体現しちゃってるんだよね。

上野:というわけで最初から見ていくと、もともとはいじめられっ子で、バンドを組み始めたときは目立たない参謀役だった人が、首相とコラボされてしまうまでになった。

カンノ:という歴史を振り返りました。

上野:そして星野源は「Pop Virus」それ自体になりましたと。つまり、皆が星野源の曲をインスタやツイッターやユーチューブに上げると。

カンノ:だから次のアルバムが本当に楽しみなんだよね。それが次の星野源のスタートになるはずだから。次は何を体現するのか。自分自身を蔓延させることに大成功したからね。その次は何をするのか、非常に楽しみですね。

上野:結局僕らは星野源の掌の上ということですよ。

カンノ:「星野源で踊ろう」ですよ!

上野:これからも星野源に踊らされていたいですね。というわけで「星野源一代記」特集、これにて終了です。最後はこの曲、星野源「うちで踊ろう」でお別れです。

 

 

 

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『Radio OK?NO!!』は毎週日曜25:30から放送です!市川うららFMにて、是非お聴きください!インターネットでも下記リンクから聴取可能です!今週8月16日(日)では「スチャダラパーvsライムスター」特集をお送りします!