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Radio OK?NO!! 第20回「ブックオフ・ハードオフ特集③」ゲスト:数の子ミュージックメイト

OK?NO!!の上野翔とカンノアキオで市川うららFMにて『Radio OK?NO!!』を放送しています。ここでは毎週の特集を文字起こしという形で記載します。今回は第20回の8月23日放送分、身内音楽収集家・数の子ミュージックメイトさんをゲストに迎えてブックオフハードオフ特集③」をお送りします。

 

 

 

上野:その後、大学に入ってどうなっていくのか。聴いてみましょう、Marcyで「Join The Gospel Express」

 

 

数の子:この曲について説明すると、MarcyというのはLittle Marcyという腹話術人形なの。要は「人形が歌をうたっている」という体の曲で、実際はMarcy Tignerさんというおばさん、つまり腹話術師ね。術師が歌っているという。これは70年代のアメリカのレコードに入っている曲で、まぁ企画物だよね。これは音質というよりは、「ギミックで音を聴く」ということだね。音の背景にあるものとか、音が持っている情報が実は重要なのではないかという。

カンノ:こちら側も、「そういう体で聴く」ということが大事ってことですね。

数の子:そうそう。それが面白さを増やすことだと思ったの。

カンノ:「マジ(本気)から離れる」ってことが大事ですよね。こういう企画物ってマジな音楽好きはきっと嫌うじゃないですか。

数の子:「音が一番良いに決まってるじゃん」っていう人には分からない領域だよね。これってMondo Music(イージーリスニング・ムード音楽のような注目されづらかった、その種の奇妙な音楽をまとめた言葉。かなり広範囲なのでここでは広義の意味合いに留める)と呼ばれるジャンルで。「リサーチ」っていう80年代のアメリカにあったカルチャー誌があって、その中の特集で出てきたレコードを集めたコンピが今日持ってきたCDなんです。それがずっと欲しくて、大学時代に見つけたんですよね。

 

上野:気になるのが、大学に入ってバイトとかし始めるじゃないですか。もちろんどこでバイトしていましたか?

数の子ブックオフです!

カンノ:さっきは例えで使ってましたが、マジ入門ですね(笑)

上野:ブックオフ門下に入ったんですね(笑)

数の子:もう本籍も移す勢いというか(笑)

カンノ:勘当されたつもりで入門したと(笑)

数の子:完全に「親」は生みの親じゃなくて、親方や女将さんのことを指します(笑)僕は京都のブックオフで3年ぐらい働いてました。もちろんバイトですが。2008年ぐらいですね。まだその頃のブックオフってゆるゆるだったんだよ。その頃は私服にエプロンだから。黒いポロシャツじゃなくてね。あとポリッシュっていう、本を拭く塗料みたいなものがあったんだけど、その臭いが蛍光灯とかと反応して、ブックオフ独特の臭いになっていったんだよね。

カンノ:ありましたね!本屋とも違う臭いでしたね。

数の子:古本屋でも新刊書店とも違う、ブックオフの臭い。あの頃のブックオフって本当にゆるくて、CDの買取も輸入盤だったら5年以上経っているものって問答無用で250円(当時)か500円だったの。

カンノ:あぁ~、一番安い棚だ。

数の子:そうそう。もう、いろいろザルだったの。だから自分の欲しいCDが来たら、バンバン250円にして、バンバン棚に入れて。それで当日は買っちゃいけなかったの。

カンノ:なるほど、この掟を破ったら破門ですね(笑)

数の子:そう、廃業しなきゃいけない(笑)それがうちの店長は結構ゆるくて。そこは店長によって裁量があって、他の店だと1ヶ月は店員は買っちゃいけないとかね。そこはうちの店長はゆるくて、まぁ後々クビになるんだけど(笑)

カンノ:ゆるすぎて破門されちゃった(笑)

数の子:でも次の日だったら買って良かったから、すごく奥の方に隠して、次の日に速攻で買ってたね。その中で買ったCDがこれだったね。でもズルじゃないんだよ。そもそも250円にしかならないCDなんだから。

カンノ:「そっちもザルだから、こっちもね」みたいな。

数の子:こんなCDあったって誰も買わないんだからさ。そういう中で見つけた、ギミックで聴く、文脈で聴くということを覚えたのがこういうMondo Musicと言われるものですね。

 

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『Radio OK?NO!!』は毎週日曜25:30から放送です!市川うららFMにて、是非お聴きください!インターネットでも下記リンクから聴取可能です!