OK?NO!!の上野翔とカンノアキオで市川うららFMにて『Radio OK?NO!!』を放送しています。ここでは毎週の特集を文字起こしという形で記載します。今回は第20回の8月23日放送分、身内音楽収集家・数の子ミュージックメイトさんをゲストに迎えて「ブックオフ・ハードオフ特集⑥」をお送りします。
上野:ほかにはどんなCDがありますか?
数の子:たとえば駅前で演奏している人とかいるじゃん。あれは俺は身内音楽と思ってないの。あの人たちって自分の歌を誰かに届けようとしてやってるから。
カンノ:届けたい、商品にしたいって意図がありますよね。
数の子:自分の歌を商品にしたい、売れたいという気持ちがあって、歌を届けようとしているんだよね。それに対して俺の集めているものって、誰かに届けるというその距離感がすごく短いんだよ。
カンノ:「この村の範囲まで」ということですね。
数の子:そうそう。だからここで流されると到底思っていないはずだよ(笑)その辺りの距離感が非常にグレーな人たちのCDってブックオフやハードオフって実はかなり見つかるの。家族に近いような間柄の演奏会で、そこで手売りでCDとか売って、その買ったCDを「いらね」で間違って売られちゃって、俺が買ったみたいな曲を2曲ぐらいかけようと思います。
上野:それでは曲紹介をお願いします。
某学校の先生たちによるオリジナルソング(ラップ)
カンノ:これは「DA.YO.NE」ですか?
数の子:完全にピアノが「DA.YO.NE」だね(笑)
上野:とはいえこれはかなりトラックがちゃんとしてますね。
数の子:ちゃんとしてるよね。もしかしたらプロの仕業の可能性はあるね。
カンノ:プロがちょっと手を抜いた感じというか。
上野:この人たちは学校の先生なんですか?
数の子:中部地方の先生たちが集まって結成されたバンドですね。それで自分たちの町の中でCD作ったりコンサート開いたりみたいな。それでなぜか、「ラップやるべや!」みたいになったのかなって(笑)
カンノ:それは「DA.YO.NE」が出てきた頃と重なると。
数の子:思うのが、日本のそういった地方の田舎まで、HIPHOPじゃなくてラップが広まったってことだよね。
カンノ:「こんな歌唱法あるべや」と。
数の子:それが伝わった痕跡がこれですね。
カンノ:このCDは95年ということですね。
数の子:「DA.YO.NE」から考えると結構早いよね。
カンノ:「DA.YO.NE」が出て割とすぐですね。
数の子:それを素人の人が頑張って作ってね。
上野:「DA.YO.NE」からラップが広まってるから、それぞれが16小節とかラップするんじゃなくて、掛け合いみたいな合わせるポイントが多いですよね。それって皆での練習が必要じゃないですか。そこを想像して聴くと、よりグッと来ますよね(笑)「学校の中で練習してたのかな?」みたいな。
数の子:何回かリリック書き直したりね(笑)若干フロウ乗れていない感じも素人っぽいよね。要はいろんなラップを聴いていないからさ。「DA.YO.NE」しかラップを聴いていないから、これぐらいの出来になるよね。
上野:「DA.YO.NE」を聴いて、「DA.YO.NE」を作っている(笑)
カンノ:「DA.YO.NE」の韻しか知らない、「DA.YO.NE」のフロウしか知らないという状態ですね。
上野:それを田舎の先生たちがやっているのは良いなぁ。
数の子:個人的には、まだ地方にはこういうものがあるんじゃないかなって思ってるよ。こういう「野良DA.YO.NE」は(笑)
カンノ:全然ありそう!特に今はHIPHOPブームだから、こちらでは考えもつかないHIPHOPがあるかもしれないですよ。「野良ラップ」は。
数の子:「野良ラップ」はありそうだよね。
数の子:さっきと同じように、ブックオフやハードオフでCDを探していると、謎の自主盤と出会うことがあるんです。たとえば学校のCDって見た目から分かるし、非売品だから買い取らないということがあるんだけど、謎の自主盤は人によっては普通のちゃんとしたCDに見えるんだよね。だから当たり前に買い取るの。でもリストにも当然載っていないから、ジャンク品(100円コーナー。返品できないもの)に出されるという。その中で最近見つけた、一番不穏な曲をかけたいと思います(笑)
誰か(女性)の何かの曲(不穏で怖い)
数の子:俺、写真とか勉強していないから分からないんだけど、普通真ん中に木は配置しないよね(笑)この人が真ん中で、横とか背景に木だよね。その真ん中の木がつくしのデカい版みたいなやつだよね(笑)木が汚いんだよ。それで横におばさんが…。
カンノ:もうダメ!
数の子:調べるとどうやら、某ミュージシャンがやっているレコーディングスタジオにある小さいレーベルのCDみたいで。ボーカル教室に通ってた人が、ちょっと高めのお金でCDを作って、手売りしたっぽい感じなんだよね。
カンノ:曲を聴いていますが、なんか、疲れちゃった(笑)
数の子:ね。音楽で人は殺せるんだって思うよね(笑)
上野・カンノ:アハハハハッ!
数の子:ずっと不穏だよね。
カンノ:この人自身がだんだん盛り上がってきてますよね。それが怖い。
数の子:歌がだんだんよじれてきてるよね(笑)
上野:日々のぶつかり稽古の成果を聴かせていただきましたが、後半になるにつれの密度がすごい!
数の子:身内音楽って疲れるんだよね。普段使わない耳の変なところを使う感覚があるからさ。
カンノ:これはやり続けられる人は限られますね。合唱曲ってあるあるじゃないですか。学校で歌ったものがCDとなってもらえるって。この曲はその先ですもんね。
上野:あと今の時代、CDじゃなきゃ聴けないものっていっぱいあるなと思いますね。
カンノ:こんなのサブスクじゃ聴けないし、上げられないよ!
数の子:今日の後半のやつは全部聴けないからね。
上野:というわけで今日はめちゃくちゃ面白かったです、ありがとうございました!
『Radio OK?NO!!』は毎週日曜25:30から放送です!市川うららFMにて、是非お聴きください!インターネットでも下記リンクから聴取可能です!9月20日(日)は「掲示板音楽特集」をお送りします!