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Radio OK?NO!! 第27回「青春の終わり特集~前編~」

OK?NO!!の上野翔とカンノアキオで市川うららFMにて『Radio OK?NO!!』を放送しています。ここでは毎週の特集を文字起こしという形で記載します。今回は第27回の1011日放送分、「青春の終わり特集~前編~」をお送りします。

 

 

カンノ:この番組、始まって半年経ったみたいですよ。

上野:半年はすごいね。

カンノ:これからもこの番組を続けていきたなと思うんですが、でもいずれは終わりが来ます。だから気を引き締めなきゃいけないなと思うんです。だから今日はいろんな終わりを見たいなと思います。

上野:終わりとはどういうことですか?

カンノ:バンドって解散や活動休止が宿命的なものですよね。そのバンドたちの終わるときの、一番最後にリリースされたCDの最後の収録曲を聴こうという特集です。

上野:だから「この曲を出して解散」ということね。

カンノ:しかも今回はジャンルを限定します。「青春パンク」って皆さん、ご存じですか?

上野:「青春パンク」という言葉自体が終わりを内包しているよね(笑)

カンノ:そうだね(笑)2005年ぐらいにブームが下火になったかな?2002~3年辺りがピークなように思えますね。その青春パンクバンドたちの青春が終わるときを聴いていきます。今日は「青春の終わり特集」です!

 

 

カンノ:まず1曲目、「青春パンク」といったらまずこのバンドじゃないでしょうか、175Rです。175Rはまた活動を再開しておりますが、活動を休止したタイミングの曲をかけたいと思います。175Rで「スタートライン」

 

 

上野:解散前最後の曲が「スタートライン」なんだね。

カンノ:これは『JAPON』という2010年発売のアルバムに収録されています。

上野:ラストアルバムがこのタイトルでこのジャケってなかなか強いね。

 

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カンノ:それで2007年にシングルカットされていて、2010年のアルバムに最後の曲として収録されていますね。

上野:3年空いてるね。

カンノ:だから本当にノーマルで「スタートライン」について歌おうと思ったんだけど、3年経って状況が変わって変な意味を帯びた曲になった可能性があります(笑)それではどんなことを歌っているか見てみましょう。



いつか見た夢の続きを ここからさぁ歩き出そうよ

揺れる陽炎 僕らの歌がこの空に響き渡れば…

 

新しい季節に遠い僕らを探してた

散る事なき夢 胸に咲き誇った花を

 

側にいて 何気なく過ごしてた日々が

ここにきて妙に懐かしくもあって

 

いつか見た夢の続きを ここからさぁ歩き出そうよ

揺れる陽炎 君の声が連れてきた夏の幻

 

特別じゃなくてもそれで楽しく過ごしてきた

相変わらずでも 笑い飛ばしていけばいい

 

側にいて もしも挫けそうになったら

もう一度あの時の歌が背中押してくれて

 

いつか見た夢の続きを 君とまた歩き始めよう

揺れる陽炎 僕の声が導いた光と共に

 

いつか見た夢の続きも 君と見たあの日の景色も

揺れる陽炎 僕らの歌がこの空に響き渡れば

幻じゃない夏に出逢える



カンノ:「僕らの歌がこの空に響き渡れば」は、175Rの大ヒット曲である「空に唄えば」のことを指しているんじゃないかなと思います。そしてそれが、「いつか見た夢の続き」なのではないか?だから要するに、あの頃に戻りたいと(笑)あの続きを歩き出そうと歌っています。

 

 

カンノ:そして「散る事なき夢」と出てきます。でもこの曲で、散ることになります(笑)だからむしろ、散ることが分かっていた可能性があるんじゃないかなと思うんです。でも「散る事なき夢」って歌わないと。だって延命させなきゃ(笑)そして「何気なく過ごしてた日々が ここにきて妙に懐かしくもあって」ですね。これは、「何気なく過ごさなきゃよかったと捉えられる気がします。

上野:それはどういうことですか?

カンノ:売れている状態をもっとビジネス的に捉えるべきだったと。「何気なく過ごしてしまったからこんな体たらくになってしまった」と歌っている気がしますね(笑)

上野:体たらくとか言うなよ(笑)

カンノ:「もっと考えて動けばよかった」と言っているのではないかなと思うんです。そしてサビなんですが、ラストの大サビで「幻じゃない夏に出逢える」と言ってますね。だから「幻」を否定する歌詞なんですよ。それで1番は「君の声が連れてきた夏の幻」なんです。だから敵対する「君」という人間がいるんですね。

上野:なるほど。敵対って誰なの?

カンノ:で、これは2007年のシングルです。その頃にボーカルのSHOGOさんは今井絵理子さんと離婚しています(笑)「なるほど!」と(笑)この曲は、いろんな躓きや失敗を振り返っている曲だと僕は思いました。

上野;ざっくりまとめると、「売れていた頃に戻りたい」という気持ちと、「別れた妻が、嫌だ」という気持ちの歌なんだ(笑)

カンノ:それが「スタートライン」です!

上野:どうしようもねえな!それで活動休止するっていう。全然スタートしてないな…。

カンノ:いざ終わりを突きつけられたときに人は何を思い、それをどう言葉にしているのかを今日は皆で見ていけたらなと思います。

 

 

カンノ:続いてロードオブメジャーの場合はどうでしょうか。このバンドは番組をきっかけに組まされたという経緯はあります。そこで組んだバンドのラストはどんなものなのか。これ、良いタイトルですよ(笑)それではお聴きください、ロードオブメジャーで「視界良好」

 

 

上野:「視界良好」ね(笑)

カンノ:「よく見えるな~」って言って解散しました(笑)

上野:視界良好で雲散霧消したんだね。

カンノ:これはアルバム曲ではなく、シングルのカップリングなんです。「PLAY THE GAME」という2007年2月にリリースされたシングルのカップリングですね。解散が2007年の夏頃なので、あんまり間はないですね。では歌詞を見てみましょう。



ただ後悔しない この時を

ただそれに見合う 振る舞いを

まだ手遅れなんて 早いんだ

まだ そんな事 あるはずないんだ

 

歌いましょう 叫びましょう 声に出そう いざ進もう 視界良好

 

ただ日々演じる 愛想笑いを

ただ疑問に感じてるんだ

まだ諦めるには 早いんだ

まだ未来は これからなんだ

 

届くでしょう 願いましょう 信じましょう 乗り越えよう 視界良好

 

歌いましょう 叫びましょう 声に出そう いざ進もう 視界良好



カンノ:まずは、「手遅れ」だったと(笑)

上野:なんか、めちゃくちゃ嫌な『SONGS』みたいになってるよ(笑)ゆっくり歌詞を読んでツッコんでいくって(笑)

カンノ:175Rにしてもロードオブメジャーにしても、なんで終わるバンドの最後の曲はこんなに未練たらしいんだよ。

上野:「乗り越えよう 視界良好」とか「いざ進もう 視界良好」とか、どういう気持ちで歌ってたんだろうね。

カンノ:この先に何も見えないことが分かっている人の「視界良好」は重たいね。

上野:「まだ未来は これからなんだ」って歌ってるし。

カンノ:「届くでしょう 願いましょう 信じましょう 乗り越えよう 視界良好」って神頼みで乗り越えようとしてるんだよ(笑)

上野:「どうにかなるだろう」と(笑)

カンノ:「どうにかなってくれ!」かもね(笑)曲は明るい調だけど、そこに誤魔化されちゃいけないね。歌っていることは断末魔だから(笑)

上野:魂の叫びだ(笑)

 

 

『Radio OK?NO!!』は毎週日曜25:30から放送です!市川うららFMにて、是非お聴きください!インターネットでも下記リンクから聴取可能です!次回の放送は10月18日(日)「音楽あの人は、今」です。お楽しみに!