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Radio OK?NO!! Podcast #028「怖いソング」特集文字起こし(前編)

宅録ユニット・OK?NO!!の上野翔とカンノアキオでSpotifyで聴けるポッドキャスト番組『Radio OK?NO!!』を配信しています。こちらではその文字起こしを前編、後編に分けて掲載します。今回は「怖い」と思った音楽を紹介する「怖いソング」特集の文字起こし(前編)を掲載します。

 

Radio OK?NO!! Podcast #028「怖いソング」特集音声は下記リンクから。ポッドキャスト登録を是非、よろしくお願いします!

 

カンノ:音楽を聴いて、心が持っていかれることってあるじゃないですか。あれってどういうことなんでしょうか?曲ってただの曲じゃないですか(笑)なのに「なんで情緒を持っていかれるんだろう?」っていう疑問がたまに沸き起こるんです。曲を聴いてエモくなるとか切なくなるとか悲しくなるとかチルくなるとか不思議ですよね。そのなかでとくに面白い現象だなと思うのが、曲を聴いて「怖い!」って思うことありませんか?

上野:あるね。あれ不思議だよね。

カンノ:あと人それぞれで、なにを聴いて怖いと思うのかって結構違うと思うんです。歌詞の意味とかサウンド面とか、いろんな意味ひっくるめて「この曲、怖い」って思った曲を上野君と僕でそれぞれ選んできたので、それを聴いてもらって「なんでこれは怖いんだろう?」というのを考える「怖いソング」特集をやりたいなと思います。

上野:僕も曲を選んできましたが、たとえば都市伝説的に怖いと言われる曲とか、怖い表現で使われる曲とか、一般的に怖いと思われる曲から選んできました。そしてカンノのほうは、結構カンノの独自の視点の怖さみたいな曲だよね。

カンノ:そうそう。結構パーソナルな部分が出てる気がします。では上野君からいきましょう。

上野:それではお聴きください、淡谷のり子で「暗い日曜日

カンノ:これはどういう曲ですか?

上野:今回セレクトしたのは淡谷のり子バージョンなんですけど、もともとのオリジナルはハンガリーで作られたらしいです。1930年代のかなり古い曲なんですが、この曲を聴いた人が次々に自殺したという都市伝説があると(笑)

カンノ:今それをポッドキャストで流しました(笑)みんな、生きろよ!!

上野:残念ながらみなさん聴いてしまったんですけど(笑)

カンノ:まぁ、拡大解釈なんでしょ?

上野:そんな話は都市伝説に決まってるんだよね。

カンノ:歌詞がそういう意味合いだったりするの?

上野:当時のハンガリーの状況だと、これぐらい悲しげで暗いメロディってかなり歪というか、「これはリリースしてはダメなのでは?」くらいまでいったらしいですね。

カンノ:心が持ってかれるんだ。

上野:というか、不気味な雰囲気の曲が音楽として「良い」という評価がまだなかったんだよ。

カンノ:なるほど。じゃあある種のイノベーションではあるんだね。

上野:そういう意味だとそうだね。多分そういう話が広がって、そういう逸話ができていったのかなと思いますが。歌詞とかもべつに悲しいことばかりが書いてあるわけじゃないの。

カンノ:伝え方の方向ってことだね。

上野:音楽の伝え方の話だね。イギリスのBBCだと放送禁止曲に認定されていたみたいだしね。まぁ、そういうことがありつつ、もちろん聴いて死ぬわけもなく、日本人だと淡谷のり子はもちろん、夏木マリ加藤登紀子もカバーしています。

カンノ:シャンソンの人が多いんだね。

上野:そうだね。この曲は結構調べると出てくるし、YouTuber系の人たちが「自殺ソング聴いてみた」みたいなことをやっていたりする曲ですね。

カンノ:それで再生回数が上がってお金も入って、より生きやすくなる(笑)

上野:自殺ソングで金稼ぐ人(笑)

カンノ:「暗い日曜日」は所謂、一般的に怖いと言われる曲ってことですね。じゃあ次は完全に僕個人の怖いと思った曲を紹介したいなと思います。それではお聴きください、Asa-Chang & 巡礼で「花」

カンノ:Asa-Chang & 巡礼を最初に聴いたのは中学か高校のときなんですけど、怖いしキモい!

上野:アハハハハッ!そうだね。

カンノ:怖いしキモいし奇妙。「なんだこれは?」とすごく強烈に感じましたね。そして調べると「こんなことをやってる人が、スカパラのリーダーだったの?」っていう(笑)

上野:それが一番怖いよね(笑)しかもその前はスタイリストっていう(笑)Asa-Chang & 巡礼は独特の不気味さがあったよね。こんな音楽聴いたことがなかったもんね。

カンノ:こういうものがメジャーレーベルから出て流通されてるわけじゃないですか。なんだろ、僕らが知ってるようなバンドとかJ-POPアーティストとかの曲って、まあ何かしら曲から表情とか読み取れるじゃないですか。「この曲はこういう風に気持ちを扇動していきたいんだな」みたいな意図とかを感じれるじゃん。そういう表情がAsa-Chang & 巡礼の曲からは全然見えないよね。どんな顔をしているのかさっぱりわからない。それが今となっては元メンバーであるU-zhaanさんがあんなに可愛くブレイクするなんて誰が思ったか(笑)

上野:今となってはポップで面白い人になってるからね(笑)

カンノ:タブラという楽器を使っているらしいですが、それもなかなか奇妙な音じゃん。それが多分サンプラーと同期して音が鳴らされてるのは今だとわかるよ。中学高校でわかるわけないじゃん(笑)タブラを叩いたらそれがボイスサンプルと同期して鳴らされるみたいな。しかもその打撃音も「ポカポカポカ」みたいなのや、ちょっと伸びてる音が鳴らされたりさ。それでボイスサンプルが「咲いたよ~」みたいな(笑)声も変に可愛げがあって怖いんだよね。なんか能面みたいな声なんだよ。音楽だから聴覚なんだけど、視覚で感じるような音楽なんだよね。

上野:その感じ、わかるな~。

カンノ:目で見える音楽な気はしてて。で、みんな能面してるイメージなんだよね。あと能面ってやっぱり怖いじゃん(笑)表情見えないし。

上野:全然関係ない話だけど、遊園地にピエロとか着ぐるみの人っているじゃん。子供のころ、あの人たちが超怖かったんだよね。

カンノ:でもそれって反対じゃん。ポップな存在ゆえの怖さじゃん。Asa-Chang & 巡礼ってそもそもどの位置にいるかわからない怖さというかね。真っ白な人がぼんやり立ってる怖さみたいな。そんなの大人の今は嗜みですよ。「面白いな~」って素で思えるけど、中学高校じゃわからないよ。

上野:衝撃だったよね。

カンノ:でもクセになってることは間違いないんだけどね。

上野:あとAsa-Chang & 巡礼といったら「影の無いヒト」も怖い名曲ですよね。

上野:あの曲は各々で想像した映画が脳内に存在すると思う。

カンノ:「ビリビリビリビリビリビリ…」

上野:もうほとんどホラー映画のSEに近いよね(笑)

カンノ:Asa-Chang & 巡礼は怖い曲の宝庫だと思います。

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『Radio OK?NO!!』はパーソナリティーの上野翔とカンノアキオが、最新J-POPやちょっと懐かしい曲をクイズやゲーム、時には曲同士を戦わせつつ(?)、今までになかった音楽の切り口を発見しようとする音楽バラエティ番組です。