SOMEOFTHEM

野良メディア / ブログ / 音楽を中心に

サムオブ井戸端話 #030「令和4年に54-71の話をしよう」(前編)

SOMEOFTHEMのメンバーであるカンノアキオ、オノウエソウ、YOU-SUCKで音楽にまつわる井戸端話の文字起こしを毎週アップします。

 

54-71が大好きなオノウエメンバー。令和4年にまたハマり出した理由や、これまでの54-71の歩み、バンド休止以降の動きなど、オノウエメンバーが54-71愛を全開に語りました。

 

オノウエ:最近は全く新しい音楽を聴いてなくて。すみません、54-71の話をしていいですか?

YOU:うわぁ(笑)

カンノ:なんで54-71を最近また聴いてるんですか?

オノウエ:仕事がコロナ禍でリモートになって、家で仕事することが多いんですよ。それで家でずっと仕事してると、ぐぅ~って精神的にストレスみたいなものが溜まってくるんですよ。

カンノ:リフレッシュできないよね。

オノウエ:そうそう。会社に行ったら合間で人と喋ったりして気が紛れたりするんだけど。で、精神的にぐぅ~ってなっちゃうと、逆に意味のあるものとか聴けなくなってきて。

YOU:なるほどね。

オノウエ:それで合間でなにか適当にネットで調べてたら、54-71ディスコグラフィーに辿り着いて、改めて見たらほとんどCDを持ってたの。あとコンピを2枚くらい手に入れたら本当にコンプリートするんだよ。それでもう1回聴き直したら、仕事中に聴くものとしてちょうどよかったんだよね。

カンノ:54-71が作業用BGMとして最適なんだ。

YOU:いや、わかるよ。情報を削ぎ落した音楽だもんね。

オノウエ:そこからネットに転がってる当時のインタビューとかさらってるんだけど、やっぱりあの人たち頭おかしくて、毎日スタジオに8時間入って、前半4時間バンド練習、後半4時間個人練習とかやってるの。俺も1回ライブを観に行ったことあるけど、やっぱりすごかった。

YOU:どうすごかったの?

オノウエ:休止前の最後のオリジナルアルバム『I'm not fine,thank you.And you?』のレコ発を観に行ったんだけど。

オノウエ:これがアルバムの1曲目から最後の曲まで順番通りに演奏して、アンコールで出て来たらもう1回同じ順番でアルバムの曲をやって帰ったの(笑)

カンノ・YOU:アハハハハッ!

オノウエ:アルバムを曲順通りに2周演奏して帰るっていう。

カンノ:アルバムのレコ発でアルバムの曲だけやって帰られると少し物足りなさってあるよね。それでアンコールで「どんな別の曲が聴けるのかな?」と思ったら、もう1回同じものが来るっていう(笑)

YOU:会場はどんな空気だったの?

オノウエ:アンコールで1曲目が来たときはみんな笑ってた。で、2曲目3曲目と同じ曲が続いたときは、ちょっとざわざわしてたね(笑)

カンノ:面白いな~。

オノウエ:「あ、これはこのまま行くんだな」ってみんな気付き始めたよね(笑)

YOU:しかもそれに対してメンバーはなにも言わないでしょ?

オノウエ:なにも言わない。MCは一切ない。

YOU:怖いな~(笑)

カンノ:しかもボーカルの人はヌメヌメしてるんでしょ?

オノウエ:そうそう。奇抜な格好をしてヌメヌメしてるの(笑)あれは本当にローションを塗りたくってるらしいからね。

YOU:一体なんのために…?(笑)

YOU:ベースでリーダーの川口さんが宮本武蔵の思想に傾倒して本を回し読みさせてたって話もあるよね。

オノウエ:川口さんがどんどんストイックになっていって、「宮本武蔵を読め」とか、「今この場で楽器を渡されてもすぐライブができるような精神状態にしてこなきゃダメだ」とかな感じの人なんだよ(笑)

カンノ:そんなバンド続かねえよ(笑)

オノウエ:それでインタビューを読んでいくと、「俺は凡人だから人の3倍練習しなきゃダメだ」みたいな人なんだよね。だからさっき話したことでいうと、神じゃないんだよ。

オノウエ:そのうえであれだけのことができるんだから、ある種の天才だとは思うけどね。でもその感じが変わるんだよ。その変わったのが最後のアルバムになるんだけど。メジャーの契約が切れてから5年間空いてアルバムを出して活動休止になるんだけど、その理由が「所詮音楽って気付いた」からで、「真面目に音楽やるよりは笑えたほうがいい」っていうことで顔にローションを塗ったりしたんだって。

YOU:いや、その理由も怖いよ。なんで急にそっちに振れるんだよ(笑)あと3人の時期もあったよね。

オノウエ:あったね。ギターの人が抜けるんだよね。その理由も殴り合いの喧嘩らしいけど(笑)そのあとにふざけ期に入るんだけど、そのころにはドラマーのBOBOさんの外仕事が増えててて、これは勝手な推測だけどそれで折り合いがつかなくなって終わったんじゃないかなって。

カンノ:BOBOさんが注目されまくった時期ってあったもんね。

オノウエ:あとその時期くらいに、この媒体の名前の元ネタになっている「some of us」っていうレコード屋の小林さんという、この人が54-71のマネージャーみたいなことをやってた人なんだけど、そこの経営が危ないってことでそのお店を手伝っていたらだんだん本業になっていって、そこからVICE Japanになっていくっていう。

YOU:で、今はなにやってるんだっけ?

オノウエ:なんかナラティブメディアをやってるらしいです。メディア自体は調べても出て来ないんだけど。最近プレスリリースに出てたけど、介護の会社の人事制度を作ってたらしいよ。

YOU:54-71って一応ハードコアの文脈で言われてたじゃん。そこはDIYでやるっていうのは徹底的にハードコアの文脈の人ではあるよね。

オノウエ:もともと自主レーベルで始めたんだよね。それで最初期のアルバムとかはカオスだったんだけど、どんどん音楽を突き詰めてやっていった結果、活動休止時期が30代後半くらいなんだけど、そりゃ続かないよね。とくにバンドってやっぱり続かないよね。

カンノ:バンドって青春群像みたいなところもあるからね。いずれ抜けなきゃいけないものなのかもしれないね。

f:id:someofthem:20220223091920j:image