宅録ユニット・OK?NO!!の上野翔とカンノアキオでSpotifyで聴けるポッドキャスト番組『Radio OK?NO!!』を配信しています。こちらではその文字起こしを前編、後編に分けて掲載します。今回はレキシがアルバムをリリースしたので、それを祝してレキシ以外のアーティストが歌った歴史曲をお送りする「レキシが流れない歴史曲」特集(前編)を掲載します。
Radio OK?NO!! Podcast #042「レキシが流れない歴史曲」特集音声は下記リンクから。ポッドキャスト登録を是非、よろしくお願いします!
カンノ:今回は新譜ですね。レキシですね。レキシさんが4月20日にアルバム『レキシチ』をリリースしました。
上野:アルバムとして何枚目?
カンノ:これは7枚目ですね。僕は結構好きでした。なにが好きって、7枚も同じことしてるの。
上野:それはすごいよね。
カンノ:レキシが1枚目を出したとき、「池ちゃんがこんな飛び道具的なことをやってきた!」って思ったじゃん。
上野:それはそうだよね。
カンノ:これはそういう”色物”として楽しむものだなと思ってたんだけど、これが7枚だよ。ずっと同じことをやってるんだよ。
上野:この感じって出ても3枚くらいじゃん。
カンノ:完全にこれで食べてる人だもんね。7枚も同じアプローチのアルバムをやってるからね。そもそも「J-POPやファンクのアプローチで歴史について歌う」という突飛な設定だから、その枠内からはみ出ることもないんだよね。これを7枚ですよ。もはやマンネリズムになってるという。
上野:偉大なるマンネリズムだよね。
カンノ:で、僕が勝手に思った叶わなかった夢なんだけど、「レキシ feat. バカ殿」が見たかった。
上野:あぁ~、なるほどね。それはいいね。
カンノ:これは夢あるでしょ。だって志村けんという人も偉大なるマンネリズムの人だったじゃないですか。何十年アイーンをやってきたか。変なおじさんもバカ殿もそうですよ。
上野:ザ・ドリフターズもジャパニーズファンクやブラックミュージックの第一人者だしね。
カンノ:それがレキシと噛み合ったらね。どう音楽を笑いをもって提示したのかっていうことをやってきた2組だったから、ここが混ざり合ったらどうなったのかは見たかったね。そんなことを『レキシチ』を聴いて思ったりしました。ずっと歴史ネタをやり続けるレキシさんですよ。で、歴史曲ってもう池ちゃんの専売特許のレベルだと思うんですよ。でも本当はいろんな人がやっているはずなんです。ということで今回は「レキシが流れない歴史曲」特集。
上野:レキシの曲は流れないのね(笑)
カンノ:レキシの曲は1曲も流さないで、ほかの歴史にまつわる曲を流そうと思います。それでほかの人はどのように歴史に対してアプローチしているのかを探ってみようと思います。こういう企画って「じゃあ最後にレキシの曲を流そうと思います」とか言うじゃん。流しません(笑)
上野:本当に流さずに終わるのね(笑)
カンノ:今回は僕と上野君で交互に曲を流そうと思いますが、まずは僕から。この歴史曲を聴いてもらえたらと思います。U-zhaan×環ROY×鎮座DOPENESSで「BUNKA」
カンノ:これはヒップホップとタブラの文化史をラップとポエトリーリーディングみたいな形で紹介する曲ですね。
上野:U-zhaanのポエトリーリーディングがいいよね。
カンノ:僕がU-zhaanのリリックで好きなのが、「華麗なDheReDheRe奏法で魅了」っていう。その奏法がわからない(笑)DheReDheRe奏法がどこまで華麗なものなのかがわからない(笑)あと「前人未到の音速タブラで泣く子も黙るオニンド・チャタルジー」っていう(笑)
上野:タブラってそういう言葉で語られてないよね?(笑)
カンノ:これはふざけてるよね(笑)この曲が池ちゃんのレキシと違うのが、ユーモアは混ざっているにせよ、どこか理屈というか、「この歴史はこうでこうでこうなんです」みたいなことが曲になっているというか。でも歴史を曲にするってそういうことだよね。特にラップになると言葉数が多くなるし。
上野:あとジャンルの特性もありそう。ヒップホップも歴史がまだ浅い分、レぺゼンやリスペクトっていう文化があるなかでそういうことを受け継ぐ流れはあるじゃん。それを言葉にしていく必要性とかはあるのかなと思いますね。
カンノ:では続いて上野君の選曲です。
上野:はい、ではお聴きください。エレファントカシマシで「歴史」
上野:さっきのとは毛色が全然違いますね。
カンノ:歴史にまつわる曲ってなんでこんなに暗いの?
上野:アハハハハッ!暗いのもそうだし、さっきの「BUNKA」に冠してはヒップホップとタブラの歴史じゃないですか。この曲は森鴎外の歴史です(笑)
カンノ:だから本当のタイトルは「歴史」じゃなくて「森鴎外」だよね(笑)
上野:ここまで本当に森鴎外っていうか、一個人の歴史、生涯を歌った曲ってあんまりないよね?
カンノ:他人だもんね。森鴎外が好きってことだよね。
上野:宮本さんは小説が大好きで、森鴎外や永井荷風が大好きだっていう話があるなかで、僕らの企画のなかで「東京ソング」特集とかやったじゃないですか。
上野:それと同じくらい、「歴史」って曲タイトルをつけることって人生に1回しかできないんですよ。それを森鴎外にぶっこむという(笑)
カンノ:たしかに、それは突飛だね!で、ほとんどベースだけっていう(笑)
上野:めっちゃ暗いしね(笑)
カンノ:僕たちはエレカシを「さぁ、頑張ろうぜ」以前と以後で分けてるんですけど(笑)、これは「さぁ、頑張ろうぜ」以前エレカシですね。
上野:頑張るための準備期間の楽曲ですね。
『Radio OK?NO!!』はパーソナリティーの上野翔とカンノアキオが、最新J-POPやちょっと懐かしい曲をクイズやゲーム、時には曲同士を戦わせつつ(?)、今までになかった音楽の切り口を発見しようとする音楽バラエティ番組です。感想は是非「#okno」をつけてツイートしてください!お問い合わせはメール:radiookno830@gmail.com まで。