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Radio OK?NO!! Podcast #045「2004年」特集文字起こし(後編)

宅録ユニット・OK?NO!!の上野翔とカンノアキオでSpotifyで聴けるポッドキャスト番組『Radio OK?NO!!』を配信しています。こちらではその文字起こしを前編、後編に分けて掲載します。今回は"2000年代を1年毎に語り合おう"シリーズの第1弾として、上野とカンノが共に音楽にハマり始めた年である「2004年」特集(後編)を掲載します。(前編)は下記リンクから。

 

Radio OK?NO!! Podcast #045「2004年」特集音声は下記リンクから。ポッドキャスト登録を是非、よろしくお願いします!

 

 

カンノ:2曲バンド系が続きましたが、お次はヒップホップから1曲紹介したいなと思います。2004年の重要曲にこれは入ってくるのではないでしょうか。お聴きください、nobodyknows+で「ココロオドル

カンノ:今日はみんな泣いてるんじゃない?

上野:「懐かしい~!」って(笑)

カンノ:「レーベルゲートCDで聴いてた~!」って(笑)これを選んだ理由として、2001~2年にかけてRIP SLYMEKICK THE CAN CREWが売れに売れて、グループヒップホップ時代になっていったと思うんです。パーティーラップ系。それでなにが起こるかというと、みんな”第2のRIP SLYME”や”第2のKICK THE CAN CREW”になりたがったんだと思うんです。いろいろいたじゃないですか。SOFFetHOME MADE 家族、ET-KING…

上野:いたね~。

カンノ:ちなみに2000年代後半になるとその辺りのJ-ヒップホップ勢はすべてGReeeeNFUNKY MONKEY BABYSに駆逐されます。感謝系ラップ時代ですね。nobodyknows+とかはその手前の時期ですね。

カンノ:この時期にいろんなグループヒップホップの人たちが生まれて消えていくわけです。で、「ラップ楽しいぜ~!」という雰囲気が表で「ラップで売れて~!」を裏の思いとして持つ時代ですよね。

上野:そうだね。nobodyknows+って名古屋のグループじゃないですか。で、当時の名古屋ってポップス寄りのラップをやる人たちが多かったんですよね。

カンノ:当時はシーモネーター名義だったSEAMOがその長として君臨して、その下にHOME MADE 家族nobodyknows+がいた構図ですよね。

上野:ヒップホップとポップスで「ヒップス」と呼ばれる謎のシーンがありました(笑)

カンノ:そしてその最終到着点の一つとしてmihimaru GT「気分上々↑↑」はあったと思います。

カンノ:この曲でミヒマルが歌番組に出ているときの動画をいろいろ見てるんですが、間違ったクラブ観のセットで歌っていることが多いんだよね(笑)「クラブってこんなところじゃねえよ」っていうクラブ(笑)それがテレビで喧伝されていくという、間違ったヒップホップの伝え方をした大きい曲としてmihimaru GT「気分上々↑↑」は挙げられると思います。それについてはその年を選んだときにまた喋りますが、その変遷を遡るときにnobodyknows+ココロオドル」はブチ当たるのかなって思いますね。一般の人たちに「ヒップホップ楽しいぜ~!」と伝えた曲ということですね。

上野:続いて私が選んだ曲ですが、これは個人史的に大きいというか、単純に僕らが大好きな2004年楽曲を持ってきました。それではお聴きください、BENNIE Kで「サンライズ

上野:これ良い曲だよね~。

カンノ:良い曲選ぶし、でも「これが重要なんです」とはっきりと言い切れる理由が全然見当たらない(笑)

上野:こういう感じの空気感のユニットって2010年代以降に引き継がれなかったと思うんだよね。

カンノ:あ~、なるほど。

上野:女性2人組で、明るいイメージで、歌とラップでみたいなのってテン年代以降は引き継がれなかったと思うんです。これってゼロ年代特有の空気なんじゃないかなと。

カンノ:そっか、この感じいないのか。思い出したいな。

上野:もちろんいるのかもしれないけど、メインストリームに引き継がれなかったなと思うんです。

カンノ:そもそも2人組が2010年代以降、じつはそんなにいないよね。そしてゼロ年代は多かった気がする。ケミストリー、スキマスイッチ、リズム、ビリケン

上野:ジャンル関係なく2人組って多かったよね。

カンノ:でもいまだにBENNIE Kの「サンライズ」はFMラジオとかで普通に流れるの。だから引き継がれていいじゃん。

上野:そうなんだよ。でもなぜかなかったこととされてるんだよ。

カンノ:なんだろ、元気方向じゃなくてチル方向に持ってかれちゃったのかな?夏のヒップホップテイストな曲をやるときに、もう今はアゲていく方向じゃないもんね。あとバンドでもシティポップブームもあってゆるい方向の曲が増えたよね。BENNIE Kのラップって高速じゃん。でも今は高速よりも隙間空けたラップのほうが夏の曲としては映える感じになっちゃったよね。

上野:こういうラップの方向で進化しなかったよね。ちなみにBENNIE Kは今年2022年に22年の活動に終止符を打ちました。

カンノ:ちょっと俺らでBENNIE K的なことやるか!

上野:いろいろ前提条件が足りてないけどね(笑)

カンノ:今日はやっぱり良い特集だ。

上野:この手の特集でBENNIE Kを選ぶのは俺らしかいない自信があるよ(笑)

カンノ:これでお互い2曲ずつ紹介しました。では最後に僕ら2人が選ぶ、2004年最重要アーティスト。やっぱりこの人たちになっちゃいました。ORANGE RANGEです。

上野:そうですね。

カンノ:関ジャムの平成最強ランキングでも「ロコローション」が9位に入っていて、ラップ曲の1位がこの曲だったんですね。ということで、令和で活躍するアーティストはORANGE RANGEは「良かった」という結論が出たわけです。でも僕らは違うんです!

上野:そうですね(笑)

カンノ:当時のORANGE RANGEって好きな人か嫌いな人しかいなかったんです。で、僕は好きでした。上野君は嫌いでした(笑)

上野:アハハハハッ!

カンノ:この番組の初期作品であります「掲示板特集」で詳しく語りました。

カンノ:僕はとある掲示板に「ORANGE RANGEは第2のDragon Ashになる」と書き込みました(笑)

上野:僕はORANGE RANGEアンチ掲示板に入り浸って「こいつらはパクリだ」と書いてました(笑)

カンノ:アハハハハッ!

上野:本当に嫌な奴でした(笑)

カンノ:あのときのインターネットは本当もう見たくないね(笑)それでORANGE RANGEですが、番組の冒頭でオリコンランキングと着うたランキングの話をしました。それらを調べてみたら、オリコンは1位から10位までバラード曲が多かったです。で、着うたは軽快なラップ曲が多かったです。で、ここで喋ってる”着うた”って”着うたフル”じゃないですから。だからサビだけ聴くニュアンスですよね。そうなるとつまり音楽が軽薄化してるんですよ。2004年ってそれが始まった年で、思ったのが「ロコローション」のサビである「Ah ah なんかイイ感じ」ってすごく象徴的な歌詞だなと思ったんです。

カンノ:あと今回僕が選んだのはアジカンnobodyknows+ORANGE RANGEなんですけど、当時みんなレーベルがソニーだったんですよね。2000年代はソニーが超強かった時代。ヒップホップもロックもポップスもすべてソニーが牛耳っていた。そしてそれぞれでアニメのタイアップ、いわゆる「ソニー利権」という言葉がありますが(笑)たとえば「ココロオドル」はガンダムの曲ですから。アジカンも『NARUTO』のテーマをやっていたり、ORANGE RANGEもやってますよね。1つのレーベルが強くて、タイアップ幻想もまだまだ強く、そして音楽が軽薄化し始める2004年を象徴するバンドがORANGE RANGEだったのではないか。

上野:たしかに2004年を整理するとそういう結論になるね。

カンノ:あと平井堅の「瞳をとじて」が『世界の中心で愛を叫ぶ』の主題歌、そしてORANGE RANGEの「花」は映画『いま、会いにゆきます』の主題歌ですね。つまり”余命映画”もこの年から増えてきた気がします。

上野:あ~、たしかに。”恋人がどうにかなっちゃう系映画”ね(笑)

カンノ:だから軽薄だし大味だよね。2004年ってそういう年だったんじゃないかなと。ということで今日はORANGE RANGEの「花」を聴いてお別れです。

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『Radio OK?NO!!』はパーソナリティーの上野翔とカンノアキオが、最新J-POPやちょっと懐かしい曲をクイズやゲーム、時には曲同士を戦わせつつ(?)、今までになかった音楽の切り口を発見しようとする音楽バラエティ番組です。感想は是非「#okno」をつけてツイートしてください!お問い合わせはメール:radiookno830@gmail.com まで。