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Radio OK?NO!! Podcast #060「頑張れ!山下達郎」特集文字起こし(後編)

宅録ユニット・OK?NO!!の上野翔とカンノアキオでSpotifyで聴けるポッドキャスト番組『Radio OK?NO!!』を配信しています。こちらではその文字起こしを前編、後編に分けて掲載します。今回は自身のラジオで過密スケジュールだったことを「老人虐待だ」と話す山下達郎を様々なミュージシャンが励ます「頑張れ!山下達郎」特集(後編)を掲載します。(前編)は下記リンクから。

 

Radio OK?NO!! Podcast #060「頑張れ!山下達郎」特集音声は下記リンクから。ポッドキャスト登録を是非、よろしくお願いします!

 

 

カンノ:田島貴男さんも応援しに来ました。ちょっと気になりませんか?

上野:気になりますね。ORIGINAL LOVEですね。

カンノ:ここは信頼持てそうですよね。それまでが信頼持てなかったので。

上野:もう言っちゃってるね(笑)

カンノ:それではお聴きください、ORIGINAL LOVEで「あまく危険な香り」

カンノ:これは「接吻 第2章」でしたっけ?

上野:違いますよ(笑)「接吻」じゃないですよ。

カンノ:あっ、「あまく危険な香り」でしたね。

上野:すごく意味を含んだ言い間違いですよね。「接吻」を聴き間違えたんですか?それはダメですよ(笑)

カンノ:「長くあまく危険な香り」っていうね(笑)歌が粘っこいね~。

上野:粘っこい。

カンノ:「あまく危険な香り」をORIGINAL LOVEがカバーするってすごくわかるじゃん。すごく想像つくんだけど、やっぱり山下達郎って清涼感がある人なんだなって思ったね。

上野:そうだね。

カンノ:ヤマタツって生々しくないんだなって。ラブソングを歌っても。いやらしくないんだよね。それを田島貴男がカバーすると、すごくトレンディな意味がついてくるんだよね。

上野:たしかにね。

カンノ:だからやっぱり田島貴男ってすべてを「接吻」に変える人なんだよ。

上野:ヤマタツと比べてもボーカルのスタイルが全然違うもんね。ヤマタツって声を多重録音してルーツにゴスペルがある人だけど、田島貴男ってギター1本でツアーを回るような人だから。

カンノ:じつはフィジカル、歌筋肉の人なんだよね。

上野:自分の声1本でやる人だから。

カンノ:歌い出しの「あなたの~」とか筋肉でガっと掴まれる気分だもんね。

上野:それであの曲調だから「おっ?接吻か?」って思うという。

カンノ:あと「あまく危険な香り」だと達郎さんの歌のサビ終わりで特有の癖部分があるじゃないですか。「ウェ~ウ~♪」みたいな。あれを「田島さんはやるの?やらないの?」って思っちゃうよね。それでやってて、なんかおかしみを覚えるというか。

上野:やってたね(笑)

カンノ:カバーってそういうことあるよね。「これを通過するのかどうか?」っていう。宇多田ヒカルの「First Love」の「だろう~♪」を「だはぁ~♪」って歌う部分があるじゃん。「そう歌うの?歌わないの?」って試される感じとか。

上野:はいはい。

カンノ:キリンジの「エイリアンズ」の頭のイントロのギターは「弾くの?弾かないの?」みたいな。

カンノ:すべてのカバーってそういう通過点ってあると思うの。そこは避けるか否か。で、やったらやったで「やったんだな」って思うだけなんだけど(笑)「カバーのあの部分、やったかやってないかクイズ」はできますね(笑)

上野:もうなんでもかんでもクイズにしていくんですね(笑)

カンノ:続きまして、俺はこの人のカバーは励まされた。

上野:励まされましたか。

カンノ:ダイスケさんという方なんですが、覚えてらっしゃいますかね。『ZIP!』という朝の番組で、犬を連れて全国旅をしていた人、覚えていませんか?

上野:あぁ~、いましたね。

カンノ:あの人、ミュージシャンなんですよ。どんな歌うたってるか知らないでしょ?

上野:知らないね。

カンノ:ヤマタツのカバーしてます。

上野:ほぉ、なるほど。

カンノ:ちょっと聴いていただきたい。これは励まされます。

上野:それは気になりますね。

カンノ:ということでお聴きください、ダイスケで「高気圧ガール」

カンノ:この声ですね。あまく危険ですね。

上野:あまく危険な声(笑)

カンノ:山下達郎をカバーするって、それなりに意味があるじゃん。

上野:ミュージシャンからしたら、ヤマタツをカバーするって一世一代の大勝負だよね。

カンノ:なにかが試されるじゃん。それって音楽やる人からするとわかる話だと思うの。でもこの声でカバーされると、そんな試験はなかったことにされる感じというか。「試されてるとか、そういうことじゃないですから」みたいなことを言われてる気がするんだけど。

上野:僕はこのカバーのアレンジとかテイストはじつは結構好きなんです。これも言い方難しいんだけど、結局それをヤマタツでやる意味があるのかっていうね。

カンノ:「高気圧ガール」なんだけど、この曲の説得力は低気圧というか。

上野:下がっているんだね(笑)

カンノ:頭痛い感じ(笑)ヤマタツカバーって批評が伴うんだよ、本来は。そもそもカバーには批評性があるし、しかもそれが山下達郎の曲ですよ。あの人は「歩く批評」みたいなところがあるじゃないですか。山下達郎の曲を聴くときに、山下達郎の理屈を楽しむ感じもあるじゃない。山下達郎の曲を聴くことで、山下達郎の脳みそを垣間見る楽しさというかさ。それが一気になしになる感じの声なんだよね。これはあまく危険ですね。危険だよ、ダイスケさんの声は(笑)

上野:危険だと(笑)

カンノ:山下達郎をカバーするってやっぱりどこか一線を超える意識があるはずなんだけど、それを感じないんだよな。田島貴男がヤマタツをカバーすることと、ダイスケがヤマタツをカバーすることって全然意味が違うじゃん。

上野:それはたしかに違うね。なんだろうね、やっぱりカバーアルバムの選曲会議に潜り込まなきゃいけないよね。

カンノ:でもさ、レコード会社の人とかも言うわけでしょ。それが採用になってズルズルとトンネルを抜けてゴールになってカバーアルバムに収録されるんでしょ。音楽業界、マズいよな!

上野:やっぱり俺たちはいち早く会議に潜り込まなきゃいけないな(笑)

カンノ:やっぱり山下達郎のカバーがバンバン出るなんて、音楽業界がヤバいんだよ!ヤバい、ヤバい!

上野:ちょっと今回の企画を思い出してください、「頑張れ!山下達郎」特集ですから(笑)ほかには誰かいるんですか?

カンノ:えっ?あぁ、広瀬香美です。

上野:アハハハハッ!

カンノ:気を取り直しますね(笑)先週も流しましたが、広瀬香美さんのカバーアルバムが素晴らしくて。

カンノ:本当にアレンジャーによって楽曲のスタイルが変わってるんです。それでこちらはストリングスのアレンジです。なので、こちらはちゃんと広瀬香美の歌筋肉が見えるカバーになっております。それではお聴きください、広瀬香美で「さよなら夏の日」

上野:これは「THE」な感じがしていいですね。

カンノ:バーンとやってくれてるよね。こちらは朝川朋之さんという方がストリングスアレンジをしていて、いわゆる劇伴ですね。ドラマや映画とかCM、そして数多のミュージシャンのサポートをやっております。もうシンプルに歌をわっと聴かせるために、リズムセクションもほぼなく、ほぼストリングスだけでやっております。

上野:このアレンジいいですよね。

カンノ:これは励まされるな(笑)

上野:あと原曲とこのアレンジの整合性もすごく取れてて。「なんでこのアレンジなんだ?」っていう感もないし。

カンノ:なんか、そういうカバー曲を流すの久々だったな…。

上野:そうじゃないカバー曲ばかり探してたから(笑)

カンノ:違うんだよ、そうじゃないカバー曲が多すぎるんだよ。

上野:ありすぎるのか(笑)

カンノ:ということで「頑張れ!山下達郎」特集をお送りしました。どうですか?元気になりましたか?ツアー頑張れますか?

上野:『サンデー・ソングブック』のメールみたい(笑)

カンノ:もう送ってやろうかな、この番組のURL(笑)

上野:黙殺されて終わりでしょうね(笑)

カンノ:ということで最後は、サブスクで本当に聴ける山下達郎さんの曲を聴いてお別れです。9分尺のインスト楽曲が聴けるのでBGM代わりにしてください(笑)山下達郎で「ノスタルジアオブアイランド」

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『Radio OK?NO!!』はパーソナリティーの上野翔とカンノアキオが、最新J-POPやちょっと懐かしい曲をクイズやゲーム、時には曲同士を戦わせつつ(?)、今までになかった音楽の切り口を発見しようとする音楽バラエティ番組です。感想は是非「#okno」をつけてツイートしてください!お問い合わせはメール:radiookno830@gmail.com まで。