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サムオブ井戸端話 #081「サムオブ的ゼロ年代よもやま話 ~僕らの『ぼっち・ざ・ろっく!』~」(後編)

SOMEOFTHEMのメンバーであるカンノアキオ、オノウエソウ、YOU-SUCKで音楽にまつわる井戸端話の文字起こしを毎週アップします。

 

誰とも共有できなかった邦楽ロック体験を語り合うサムオブメンバー。後編では「まだハイラインレコーズは存在する気がする」と語るカンノメンバーの妄想と、オノウエメンバーのフジファブリックにまつわる"良い話"を聞きました。前編は下記リンクから。

 

 

カンノ:YOU-SUCKが話したBURGER NUDSの幻感とかプレミア感でいうと、これはどうですか?ハイラインレコーズ

YOU:ね!ハイラインだよね!

オノウエ:昂ってきたな(笑)

YOU:ハイラインレコーズと言ったらインディーズ時代のBUMP OF CHICKENがリリースしたレーベルとして有名な下北沢のレコードショップですね。『FLAME VEIN』や『THE LIVING DEAD』って我々世代にとっては長らく廃盤状態で聴けなかったんだよね。

カンノ:のちに再発されましたね。

カンノ:でね、僕はハイラインレコーズってまだあると思ってるんだよね。

オノウエ:んんっ?(笑)

カンノ:まだどこかに”在る”と思ってるんだよね。

YOU:いや、俺は気持ちわかるよ。というのも俺たちは一回も行ったことがないんだよね。

カンノ:そう!で、「一回も行ったことがない」ことが強烈な印象となってしまって。むしろ「行ったことがある気がする」という思いなんだよ。

YOU:わかるよ。わかる。俺らが好きなバンドのインディーズのCDのほとんどに「HIGHLINE RECORDS」って書いてあったもんね。

カンノ:BURGER NUDSとか今日ハイラインでインストアイベントやってるでしょ?

YOU:やってるよ、多分やってる(笑)でもそんな気がしてくるよね。

カンノ:未だにハイラインレコーズを探し求めて下北に通ってる節はあるよ。

YOU:わかるな~!俺もそう。でもないんだよね。

カンノ:そう。いくら搔き分けてもないんだよ(笑)

YOU:ハイラインレコーズは『ぼっち・ざ・ろっく!』だよね〜(笑)

カンノ:アニメの『ぼっち・ざ・ろっく!』を見たときに「撮影協力:HIGHLINE RECORDS」の文字がなかったの、ちょっと意味がわからなかったもん(笑)

YOU:ちょっと誰かに『ぼっち・ざ・ろっく!』とハイラインレコーズを結びつけた文章を書いてほしいな~。

カンノ:その文章で僕らは”あの頃”に飛べるから(笑)

YOU:「ハイラインね!あそこでしょ。よく行ったな~」とか言いたいもんね、行ったことないけど(笑)

カンノ:まだどこかで光り輝いて存在していると思うんだよな。

YOU:特定の日時だけ行けるんだよね。

カンノ:「この期間だけ御開帳します」みたいな感じでしょ?

YOU:「秘仏:HIGHLINE RECORDS」

一同:アハハハハッ!

カンノ:今度、想像だけで「ハイラインレコーズってこういう場所だった」というnoteを書きますね(笑)

YOU:なんか、邦ロックで誰とも共有できなかった話を聞いたときに、相槌のように「それは『ぼっち・ざ・ろっく!』だな~」っていうノリ、何?

カンノ・オノウエ:アハハハハッ!

カンノ:まあこれは「僕たちの『ぼっち・ざ・ろっく!』」ですよ。だって誰とも喋ったことがない話なんだもん。本当に一人ぼっちの話だから。

オノウエ:俺は中学生のときに野球部だったんですよ。それで中学のときに唯一楽器とか音楽に興味があったのが、俺と野球部のエースのやつだったの。で、野球部のエースのやつはそんなに楽器が上手いわけじゃなかったんだけど「バンドやろうぜ」って言ってくれて。ちなみにそいつはそこそこの不良グループにいたの。で、そいつの家は団地だったんだけど、遊びに行ったら団地の家のなかにドラムがあったの(笑)

YOU:アハハハハッ!

カンノ:えっ?そいつの部屋のなか?

オノウエ:うん。団地だからべつに広くないんだよ。だからそいつの部屋の大部分がドラムなの。なぜなら、ドラムってデカいから(笑)

カンノ:アハハハハッ!

オノウエ:そいつの家でギター弾いたり、「このバンドいいよね」って話したり。

カンノ:家のなかでドラムは叩けるの?

オノウエ:叩いてた。

カンノ:アハハハハッ!

オノウエ:「大丈夫なの?」って聞いたら「この時間は誰もいないし、誰も怒らないから、いいんだよ」って言ってた(笑)

カンノ:音は響いてるの?

オノウエ:だって生ドラムだもん。

カンノ・YOU:アハハハハッ!

オノウエ:すごいよね。今考えても訳がわからないよ(笑)すごかったよ。だって全然うるさいんだもん(笑)

カンノ:アハハハハッ!

YOU:ガチじゃん(笑)

オノウエ:だから俺の最初のバンド体験はそいつの家なの。

YOU:良い話すぎるだろ、それ(笑)

カンノ:あ~、面白すぎる(笑)

オノウエ:そいつと昼休みのときに、バンド名でしりとり遊びを始めたんだよ。そのときってたしかフジファブリックがメジャーデビューしたタイミングだったの。

オノウエ:俺はラジオとかでフジファブリックを聴いてたから。だから「フジファブリック」って言ったら、そいつが「そんなバンドはいるわけがない」って言ったの(笑)

カンノ・YOU:アハハハハッ!

オノウエ:なんか全然認めてくれなかった(笑)フジファブリックって今は教科書に載ってるけど、当時の俺にとっては誰も知らないバンドだった(笑)

YOU:良い話すぎるな~(笑)

カンノ:しかも相手が不良グループにいる野球部のエースだから、そっちの意見が正しくなっちゃうんだよね。

オノウエ:フジファブリックに関してはもう一つ話があって、FMヨコハマで『MUSIC KINGDOM』という帯番組があって毎日聞いてたの。で、そこのメール募集で「あなたが恋に落ちたとき、脳内で流れる音楽はなんですか?」というのがあって、当時1stアルバムを出したフジファブリックの「TAIFU」って曲を送ったら読まれたの(笑)

カンノ・YOU:アハハハハッ!

オノウエ:そのメール募集の前の週にフジファブリックがゲストで来てたから、フジファブリックの曲を送ったら読まれるんじゃないかと思って送ったんだよね。それが初めてラジオで読まれた瞬間。

カンノ:恋に落ちたとき、脳内で流れるわけないじゃん(笑)

オノウエ:そうそう(笑)

YOU:今、大事なことを思い出した。

カンノ:それはなんのマーカーを引いたんだよ(笑)

YOU:2000年代ってフジファブリックの存在は大きかったと思うんだよ。今思い出したんだけど、俺とオノウエでフジテレビの音楽番組の収録でフジファブリックのライブを見に行ったよね。

オノウエ:行った。『FACTORY』だよね。

YOU:『FACTORY』も正しく2000年代的だったよね。

カンノ:そうだね。

YOU:無料でライブ見られて最高だったよね。しかも、意外と当たるんだよ。規模感とニーズが絶妙で応募出せば割と当選しやすかったんだよね。あと『ぼっち・ざ・ろっく!』にフジファブリック的な人は出てこなかったよね。

カンノ:思うのは、あのアニメで求められるのは「下北的疾走感」だと思うの。すなわちギターロック。で、フジファブリックのあの感じは、むしろ歌謡曲になっちゃうんじゃないかな。

YOU:あ~、なるほどね。

オノウエ:たしかにあのアニメに歌謡曲は求められないね。

カンノ:そんな感じでそれぞれのゼロ年代を振り返りました。これは定期的に遊びとしてやってもいいかもね。

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