サムオブ井戸端話 #184『サムオブゼムと向井秀徳』(その④)
SOMEOFTHEMのメンバーであるカンノアキオ、YOU-SUCK(この回はポッドキャストメンバーであるオノウエソウも参加)で音楽にまつわる井戸端話の文字起こしを毎週アップします。
3月20日、日比谷野外音楽堂で行われた『ZAZEN BOYS MATSURI SESSION』を見たカンノメンバーとオノウエメンバー。公演後の有楽町の居酒屋でYOU-SUCKメンバーと合流し、NUMBER GIRL解散後を青春期として育ったサムオブゼムメンバーがどのように向井秀徳と出会い、どのように狂わされていったかを語りました。(その④)では、オノウエメンバーとカンノメンバーの出会いの話から、軽音楽部の一つ上の世代との対比とモテないバンドマンの象徴としての向井秀徳・後藤正文について。(その①)と(その②)と(その③)は下記リンクから。
オノウエ:ちょっとここでカンノとの出会いについて話したいんだけど、俺たちは同じ高校の軽音楽部で出会うじゃないですか。で、新入生の入部の最初の日にガールズバンドの先輩がいて、「みんなはどんなバンドが好きなの?」って一人ひとりが自己紹介も兼ねて言う流れになったの。それを順番に言っていくわけ。ちなみにそのガールズバンドの先輩は、もう名前も忘れてしまったけど、赤いテレキャスターを弾いてたんです。
カンノ:おぉ(笑)
オノウエ:その人が順番に聞いていって、俺の前がカンノだったの。そこでカンノが「ZAZEN BOYS、向井秀徳が好きです」って言ったの。その次が俺だったから「これは乗っかるしかない!」と思って「俺もザゼンが好きです」って言って、そこから話し始めたの。
カンノ:お前は本当に俺に乗っかる人生なんだな!
オノウエ:お前、ムカつくな!
YOU:今、みんな酔っ払ってます(笑)
オノウエ:でね、その赤いテレキャスターを弾いてる先輩が「私も向井好きだよ」って言ってたんだよ。
カンノ:マジ?もう全然覚えてないや。
YOU:すげえな。
オノウエ:そのときに「だから赤いテレキャスを弾いてるんだ」って思ったんだよ。
YOU:そのときにはもう向井は赤いテレキャスっていうのはアイコンとして機能してたんだ。
オノウエ:アイコンだったね。それがきっかけでカンノと話すようになってそれでバンドを組むようになって今に至るもんね(カンノがフロントマンを務めるバンド・4×4=16のVo. & Gt. をオノウエソウ a.k.a. 上野翔が担当)。
YOU:いい話だ。
オノウエ:っていうくらいには向井秀徳ってデカい存在だったんだよ。
YOU:俺ら世代の赤いテレキャスってYUIだったじゃん。それを意識してかはさておき、向井も「福岡の後輩の歌をやります」って言って「CHE.R.RY」を弾き語っていたけど。
オノウエ:話してるといろいろ思い出してきた。その赤いテレキャスを弾いてた先輩、SHAKALABBITSをコピーしてたんだよ。
カンノ・YOU:おぉ~!
オノウエ:そんな人が向井好きって意外だなと。で、それがきっかけでカンノと話すようになった。
YOU:俺たちの軽音楽部の1つ上の世代ってシャカラビとか175Rとか、青春パンク的なものも普通に好きだったよね。
カンノ:1つ上の世代は青春パンクやメロコアが大好きなんだよね。
オノウエ:全盛期だったもんね。
カンノ:でも、僕らの代から反青春パンク、反メロコアというか、いわゆる邦ロック的なものが好きという世代になっていった気がする。
YOU:今となっては「陽キャ」「陰キャ」って言葉があるからわかりやすいけど、当時は俺たちの間ではちょっと明るい陽キャ的なものを小馬鹿にする風潮ってあったよね。それこそサブカルノリだったと思うけど。
オノウエ:高校のころに俺とカンノはバンドを組んでたけど、茶髪のドラマーの先輩がいてさ、うちのバンドのベースに「なんでベースやってるの?モテないじゃん」って言ってたのをすげえ覚えてて(笑)この「モテる」「モテない」のギリギリの感じがうちらの代と、1つ上の代でわかれる感じがなんか覚えていて。
YOU:モテるからバンドをやってるか、モテに関係なくバンドがやりたいからバンドやってるか。
カンノ:そのモテない側のアイコンが向井秀徳と後藤正文だったと思うんだよ。
YOU:そうそう、この観点は大事だよ。
カンノ:僕にとってモテないバンドマン像の象徴がアジカンの「君という花」のビデオだと思っていて。なんでもないトレーナーとなんでもないジーパンを着た、小柄でメガネをかけた男性が中心で歌ってることの大きさってあると思うんだよ。
オノウエ:あのときのアジカンってさ、「浪人生みたいなルックスでこんなカッコいい音楽をやってる」みたいな言われ方をしていたんだよ。その歴史を辿ると向井なんだよ。
カンノ:チバユウスケでも浅井健一でもなく向井秀徳なんだよね。

普段ははてなブログ上で音楽にまつわるあれこれを書いているSOMEOFTHEMですが、たまに『SOMEOFTHEMOFZINE』というZINEを制作し、文学フリマや通販で販売しています。今回、その新刊『SOMEOFTHEMOFZINE Vol.6』を制作するにあたり、テーマを「向井秀徳」に絞ったものを作ることとなりました。そして、ブログ上では掲載しない向井秀徳にまつわる井戸端話をカンノアキオ、YOU-SUCK、オノウエソウの3人で語りました。その一部分をダイジェスト的にブログで掲載します。完全版は是非、5月11日開催の『文学フリマ東京40』にて『SOMEOFTHEMOFZINE Vol.6』をご購入ください!