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ポルノグラフィティの楽曲リストを作った

グーグルスプレッドシートを使って、ポルノグラフィティの1999年のメジャーデビューからこれまでリリースされた全楽曲のリストを作った。

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1KE9CJUk7_5JzEZWMPKK_8cvB5NxWtQ3sJK85BN4fzbE/edit?usp=sharing

 

作った経緯

カンノ(4×4=16)より、Radio OK?NO!!の企画として、ポルノグラフィティで何かできないか?という相談を持ちかけられた。結果生まれたのが、2021年5月16日放送の「4択ポルノグラフィティ」の企画であった。

この企画の案を出すにあたり、ネットやウィキペディアポルノグラフィティの過去の楽曲情報を調べていたところ、楽曲のデータがひとまとまりになっていないことに気がついた。ポルノグラフィティの面白さを語るにあたり、手前の分析を行うのに、すべての楽曲の作詞者、作曲者、編曲者を一覧で眺めることができると良いと考えた。歴史の長いバンドだし、すでにやっている人もいるのではないかと思ったが、ネットで検索した範囲では見当たらなかったので、自分で作ってみた。

 

ポルノグラフィティのシングル曲一覧と作詞・作曲の担当割合

ためしに、リストを使ってデビューシングル『アポロ』から最新曲『VS』までのシングル53曲とその作詞・作曲の担当者を抽出。

 

たとえば以下のようなグラフもかんたんに作れる。

 

シングルの作詞・作曲者の組み合わせのリスト

 

作詞・作曲者の組み合わせを見ると、作曲ak.homma、作詞新藤晴一のいわゆる「黄金コンビ」の組み合わせが一番多い。初期ポルノグラフィティにおいて、ak.hommaの作ったクオリティの高い楽曲の貢献度は誰もが知るところだと思う。この「黄金コンビ」による楽曲は、オリコン最高位3位の曲が12曲、うち3曲『サウダージ』『アゲハ蝶』『あなたがここにいたら』が1位となっている。『サウダージ』は自身最大のヒット曲にして、ポルノグラフィティの「ラテン」のイメージを決定づけた楽曲である。多くの人がカラオケで歌って、そのキーの高さと譜割りの難しさを前に喉を痛めたりしたことだろうと思う。


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そんな中でも、メジャーデビューから5年程度の短い在籍期間のTamaの作曲した『サボテン』『ラック』がオリコン1位を獲得している。すでに10年以上前だが、Tamaの脱退はいまだに惜しいことだと思う。Tamaの脱退後2005年にリリースされたインスト楽曲中心のソロ・アルバム『Great Pleasure』でも、それぞれの楽曲のクオリティの高さに舌を巻くが、正直昭仁のボーカルで聴いてみたかった、という思いを拭いきれない。

 


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Great Pleasure (初回生産限定盤)(DVD付)

Great Pleasure (初回生産限定盤)(DVD付)

  • アーティスト:Tama,E.P.E,azumi
  • 発売日: 2005/12/21
  • メディア: CD
 

 

シングルの作曲者リスト

シングル楽曲を誰がどのくらい作曲したのかをグラフにするとまた違った側面が見えてくる。



 

初期のほとんどのヒット曲を担っていたak.hommaを超えて、ボーカルの岡野昭仁の楽曲が一番多くなっていた。岡野昭仁が初の作詞作曲をつとめたシングル曲は11thシングル『音のない森』である。このシングルは、2000年代のポルノグラフィティとしては、セールスが振るわない曲とみなされがちだが、シングルのタイトル曲をインスト曲の間にはさみ、独自の世界観を醸成しているこだわりのシングルである。楽曲も、多重録音の轟音ギターと静かなAメロの緩急が歌詞世界の閉塞感と共振し、他の楽曲のない奥行きを見せている稀有な楽曲である。


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なお、唯一の新藤晴一ak.hommaの共作曲は32thシングル『EXIT』である。この曲は、現在、ak.hommaが最後にポルノグラフィティの作曲に関わったシングル曲である。晴一による別れと、思ったことを言葉にできないもどかしさを表した歌詞が、ak.hommaとの別れの切なさを感じさせないでもない。


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シングルの作詞者リスト

シングル楽曲を誰が作詞したのかをまとめたもの。

 

シングル曲のうち41曲、実に8割弱の作詞を担っているのは新藤晴一

言葉の面で、ポルノグラフィティのパブリックイメージを担っているのは新藤晴一といっても過言ではないと思う。特に『サウダージ』をはじめとする女性目線の歌詞は、他のアーティストにはない特徴の一つと言える。

個人的に「空のワイングラスの横で/私の目覚めを待っているのは/千切られた紙切れに並んだ/青いインクで書かれた美しい文字」という歌い出しで始まる30thシングル『瞳の奥をのぞかせて』である。昨晩の情事の余韻を引きずりつつひとりで目覚める女性、帰る場所がある男。トレンディドラマのような道ならぬ恋がすぐに伝わる。作詞家としての新藤晴一の魅力が発揮されている一曲だと思う。


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ちなみに、岡野昭仁新藤晴一の共同作詞となっているのは、40thシングル『俺たちのセレブレーション』である。ナタリーのニュースで、『ポルノ、新作で昭仁&晴一が初の共同作詞』というタイトルで記事になるくらい、珍しい。ここから、誰が作詞・作曲をしているか、という楽曲ごとの背景を込みでファンが楽しんでいる事がわかると思う。(まるでビートルズみたいではないか!)

natalie.mu

という感じで、このようなデータを観ていくだけで、ポルノグラフィティについて語りたいことがたくさん出てくる。今後、定期的にポルノグラフィティについて深堀りしていきたいと思っているので、もし興味のある人がいれば、グラフと一緒に付き合ってもらえれば、嬉しい。

 

You-suck