カンノアキオとオノウエソウによる、SOMEOFTHEMのポッドキャスト番組『SOMEOFTHEM OF PODCAST』を配信しています。こちらではその書き起こしを前編、後編に分けて掲載します。第9回はカンノが好きなカップリング曲をただただ流していく「好きなカップリング曲」特集の書き起こし(前編)を掲載します。ポッドキャストは下記リンクから。
カンノ:今週はただただ僕の好きな曲を流す息抜き回です。
オノウエ:ついにそういう回が出ましたね(笑)
カンノ:でも、さすがに単純な「好きな曲」特集だと看板としてアレなので、一つ縛りを設けて好きな曲を流したいなと思います。カップリング曲。
オノウエ:カップリング。
カンノ:みなさん、カップリング曲って知ってますか?
オノウエ:たしかに(笑)カップリングってまだ言うのかな?
カンノ:今、発売されてますマキシシングル。
オノウエ:フフッ。
カンノ:その1曲目が表題曲やA面と言われる曲でございますけど、2曲目以降収録されている、インストやアカペラ楽曲を省いて、そこに入っている表題とは別の曲ですね。これをカップリング曲と言います。アルバム曲でもない、シングルの裏面。マジで地味な曲。
オノウエ:そうだね。
カンノ:今回はあえてこのサブスク時代にカップリング曲をフィーチャーしたいなと思います。
オノウエ:そのなかでカンノが好きな曲ですね。
カンノ:これは特集のネタが切れたときにいくらでもできます。
オノウエ:無限にできるね(笑)
カンノ:こちとら、どれだけカップリング曲を聴いてきたか(笑)マキシシングル世代ですからね。ということで、シングルの表題曲ではない地味な曲だが「こんなに良い曲もあるんだよ」というのを紹介する「好きなカップリング曲」特集をお送りします。まずは僕らが大好きなバンドのカップリング曲を聴きましょう。ASIAN KUNG-FU GENERATIONで「エントランス」
オノウエ:懐かしいですね。
カンノ:じゃあ次の曲いきましょうか。
オノウエ:そうだよね(笑)
カンノ:えっ?喋んなきゃダメ?
オノウエ:この曲も、これから流す曲も、理由はすべて「好きなカップリング曲」
カンノ:以上、終了(笑)
オノウエ:そりゃそうだ(笑)
カンノ:一応喋りますか(笑)2003年の1stシングル『未来の破片』の2曲目。
カンノ:「エントランス」というタイトル含め、こっちのほうがメジャーデビュー曲っぽいのにカップリング。
オノウエ:こっちのほうがリード曲っぽいよね。
カンノ:それでアルバム『君繋ファイブエム』に収録されるのは3曲目の「その訳を」っていうね。その戦略はいまだによくわからないんですが(笑)
カンノ:のちにシングル『ループ&ループ』にライブ版の「エントランス」が収録されるんですが、「あー!さっそう!」とゴッチのモノマネをよくしていましたね(笑)
オノウエ:ありましたね(笑)
カンノ:急にアジカンを聴き返したくなるときに、まずこれを聴いてるね。
オノウエ:じゃあアジカンのなかでもかなりトップクラスで好きなんだね。
カンノ:だって「アジカンのカップリングのこれがいいんだよ~」って言いたいじゃん。
オノウエ:アハハハハッ!
カンノ:「リライト聴くなら、こっち聴かなきゃ~」みたいな(笑)
オノウエ:面倒な古参ファンみたいになってるな(笑)
カンノ:では次にこちら。野猿。
カンノ:全然わからないでしょ。僕も最近、野猿を聴き直したときに「これは良い曲だな~」と思ったものがあったのでお聴きください。野猿で「泳げない魚」
オノウエ:これは初めて聴きました。
カンノ:改めて説明すると、野猿はフジテレビ『とんねるずのみなさんのおかげでした』内で結成された音楽ユニットです。とんねるずの二人と番組スタッフで構成されたダンスボーカルグループ。2001年に「撤収」という名前の解散をしました。当時僕らはテレビで見てました。紅白にも二回出場しています。
オノウエ:二回出てるんだね。
カンノ:そんな野猿の2000年リリースのシングル『First impression』のカップリング曲です。メインボーカルはCAという当時音声スタッフをしていた女性です。
オノウエ:アハハハハッ!
カンノ:急遽、女性が入った時期があったんですよね。口下手でいじられていた印象があります。で、この表題曲はめちゃくちゃ宇多田ヒカルを軸にしたJ-R&B楽曲です。
カンノ:そういう意味でいうと、この表題曲はめちゃくちゃわかりやすくて良い曲なんです。ただ、このカップリングの「泳げない魚」がですね、とんねるずが参加してません。
オノウエ:あ~、そうなんだ(笑)
カンノ:CAさんという女性と、野猿の男性ボーカリストの二人で歌ってる曲です。で、聴いてもらったらわかると思うけど、イントロでリズムパターンが変わるよね。
オノウエ:そうだね。
カンノ:これ、アウトロもそうなるの。
オノウエ:なるほど。珍しいアレンジだね。
カンノ:この曲もR&Bテイストが軸だと思うけど、ラテンの要素もリズムパターンとしては入っている気がして、なにかまかり間違ってシティポップ楽曲に受け入れられる可能性がある。
オノウエ:この曲は全然ありえそうだね。
カンノ:で、この曲を作ったのもとんねるずではお馴染み、「作詞:秋元康 作曲:後藤次利」タッグですよ。あのさ、どこで本気出してるの?
オノウエ:アハハハハッ!
カンノ:秋元康は構成作家だからさ、当たり前だけど、「なにが売れるか?」で動くわけだよね。これは音楽的にめっちゃ好きな曲なんだよ。でもカップリングなんだよね。やっぱりわかりやすい曲が表題曲になる。あととんねるずに対しては「情けねえ」みたいな男らしいことを歌わせて、「ガラガラヘビがやってくる」みたいなコミックソングをやりつつ、「雨の西麻布」で演歌っぽいこともさせるじゃん。それらが全部同一線上なんだよね。
カンノ:だから「かっこいい」だけの曲とかってそこには入ってこない。
オノウエ:少なくともリード曲にはならない。
カンノ:だから秋元康が「これはそういうモードじゃないよね」と思った曲ほど、後藤次利がおもしろいことをしている場合がある。これはそういう曲かなって思います。
『SOMEOFTHEM OF PODCAST』はパーソナリティーのカンノアキオと聞き手のオノウエソウが、最新J-POPやちょっと懐かしい曲をクイズやゲーム、時には曲同士を戦わせつつ(?)、今までになかった音楽の切り口を発見しようとする音楽バラエティ番組です。感想は是非「#サムオブ」をつけてツイートしてください!ポッドキャスト版では番組の最後に4択のJ-POPクイズを出題していますので、是非そちらもお聞きください!