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ルノアール会③ ~もう軽々しく語らないでくれ~

Y…You-Suck

オ…オノウエソウ

カ…カンノアキオ

3人で喫茶ルノアールに集まって音楽を中心とした駄話。特にテーマを決めずに話したことを3つに分け掲載。その③はその②で広げた説明し過ぎちゃうミュージシャン問題についての延長みたいなやつで、全然音楽の話はしてません。

 

オ:知り合いのバーデンダーが面白いこと言っててさ。今、バーテンダーYouTuberっていうのがいてさ。お酒の作り方の紹介や、バーに来るときはこう振る舞った方がいいですよとか。もう何人もそういう人がいて、「この人とこの人は嫌いだ」みたいな話をしてたんだけど。その嫌いなYouTuberの一つが、「こういうお客さんは面倒臭いからなっちゃいけません」というやつで。バーデンダーの心構えとしては、どんなお客さんが来てもその人が嫌な気持ちにならず、周りのお客さんにも迷惑を掛けずに帰ってもらうかが矜持なんだって。

カ:面白い話だね。

オ:「こういう客は面倒臭いから来るな」みたいなことをYouTubeで言ってることが嫌だと。あともう一個面白かったのが、YouTuberってバッサバッサ編集するじゃないですか。喋ってるところだけを繋いで、バーッと喋っているように見える編集にする。これってほとんど日本だけなんだけど。日本のYouTuberって独自の進化をしていて。海外だと高い機材と何台もカメラを用意してハイクオリティな番組みたいなことをしていて。それに対して日本は基本1カメ固定で置いて、空白を全部切ってずっと喋ってるみたいな感じ。で、バーテンダーの仕事って、お客さんの話を聞きながら、「あ~、えっと~、それはつまり~」とか言いながら、「この人にどんなこと言って、どんなお酒出したらいいのかな?」というのを考えるのを含めてバーテンダーの仕事なんだって。全部切っちゃうと、味も素っ気もなくなっちゃうからバーテンダーじゃないっていう話なんだけど。

カ:YouTuberになっちゃうとバーテンダーとしての振る舞いがダメになっちゃうんだ。YouTuber編集をするとダメなんだ。

Y:それ面白いね。

カ:YouTuberとバーテンダーは真反対ってことなんだね。

オ:バーの文化を広げたいとか、もっといろんな人に知ってほしい、バーテンダーってかっこいい仕事なんだよっていうのを思って発信したいなら、そんな編集しないはずだと。それで言うと前話したベルの話にも繋がってきて、YouTuberとして名を上げたいからスタートしていて、それに合わせてバーテンダーを使ってるからああなるって思うと、確かにそうだなって。

カ:“バーテンダーYouTuber”なのか、“YouTuberバーテンダー”なのかで全然変わってくるのね。この話してくれた人は、“めちゃめちゃバーテンダー”だね(笑)

オ:その人は“めちゃめちゃバーテンダー”です(笑)始める動機で、全然違うって話だね。

Y:なんか俺はね、今の会社に文学部卒の同僚が4月から入ってきて、海外文学の話したりしていたのよ。俺も海外文学が好きだから。で、会社で飲み会があって、その人を別の同僚に「文学好き」の人って紹介したのよ。そんで翌日その人から連絡あって、「実は僕、文学が好きって言われると違和感があって…」って来たのね。「僕、昔書いたブログの記事あるんで、見て下さい」って言われてさ。

カ:おぉ~。

オ:すごいね(笑)

Y:面白いよね(笑)そんで「あぁ、ごめんね」なんて言って。関係は良好なんだけど。そのブログを読むとさ、好きなものを語るときの気恥ずかしさとかモヤっとした気持ちとかがつら~っと書かれてるの。

カ:うわぁ~、なるほどなぁ~。

Y:「僕は文学が好きなんじゃなくて、要するに言葉について考えたりしている人やものが好きで、海外文学を翻訳したりするのが楽しい」って言っていて。

カ:すげぇ~。

Y:だから文学と言われるとモヤっとするんだって。でも確かに文学を嫌いとも言い切れないんだって。

カ:意訳が好きなんだね。

Y:そう、意訳をずっとやってるの。車谷長吉の「赤目四十八瀧心中未遂」っていう小説があって、それをドイツ語に訳すっていうことをしてて(笑)

カ:うわぁ~(笑)

Y:という人が「俺は文学が好きじゃない」って言ったときの、YouTuberの軽さって何だ?って思って(笑)「私だって難しい本を読んでますよ。でも毎回そんな本を紹介しても皆さん退屈でしょ?だから、間口の広げてやってるんですよ。出版業界に貢献してますよ」って言われてる感じがねぇ(笑)

オ:あぁ~、分かるわ~。分かるしかないな~(笑)

カ:もう今日はこれで良いね!良いね!(笑)