身内音楽(学校の卒業記念や地域の合唱祭など、プロではない普通の人達が歌ったCDやレコードなど)を日夜集める数の子ミュージックメイトさんをお迎えして、カンノ、YOU-SUCKと「ディグ」についての駄話会(全6回)。第3回は数の子さんの具体的なディグのやり方について。
カンノ:ディグをしていて一番良いときって何ですか?
数の子:なんだろうなぁ…。結構そういう瞬間はあるんだよね。ボールが止まって見えるじゃないけど。
カンノ:ゾーンに入る感覚ですね(笑)
数の子:そうそう。「ここ来たな!」って感覚はあるよね。でもそれって結果論なんだよ。見付けてるから、遡って考えた時に「あそこはそういう場所だったな」という結果論で、それって逆に言うと見付けてなかったら何も感じてないんだよ。
カンノ:なるほど。自分の中で「あそこはめっちゃ良い店」というのはあるんですか?
数の子:法則はあるね。汚い店はやっぱあるね。お店が乱雑だったり、あと店員の元気な所は良いですよ。
カンノ:あっ、店員は元気な方が良いんですか?
数の子:そうだね。あとは、店の物が入り口の所までバッと来ちゃている所は、在庫をちゃんと管理していない感じだから割と良い物がありますね。
カンノ:なるほど、整理されていない事が大事なんですね。コレクターが病気なのと同じように、お店も病気な感じが良いと(笑)
数の子:あとは例えばハードオフだったら、レコード箱から出てる上面の部分が白くなっていると結構見られてるって事なのね。ディグされてると結構白くなる。
YOU:人が触るからですね。
数の子:そうそう。触られてジャケが擦り切れちゃって。それが擦り切れてないと、「新入荷かな?」って思ったりね。あと俺って指が長いから、12インチのレコードをディグしてるんだけど、身内音楽って8インチや10インチもあるのね。指が短い人だと、12インチのレコードしか触れないんだよね。
カンノ:なるほど!
数の子:俺、ここまで触れるからさ…(実演)
カンノ:アハハッ!本当に具体的に指でディグしてますね!
数の子:誰かとディグしに行った時とか、その人が見た後に俺がもう一回見たりするんだよね。そうすると10インチのレコードが結構あったりする。
カンノ:指の長さが大事なんですね。
数の子:あとハードオフの棚って両サイドに青バコって言われるジャンク商品が入ったボックスがあるんだけど、その青バコ同士の間に隙間があるの。それで色々ディグしているとそこにポッと落ちちゃうことがあるの。そこもちゃんと見ると、「あっ、あった」みたいなこともあるね。まぁ、クシャクシャになってたりすることが多いんだけど(笑)
カンノ:見なきゃいけない所が多いんですね。
数の子:だから見逃してるものも多分いっぱいあるんだよね。でも、見逃したものって無いのと一緒だから、考えてもしょうがないよね。だからそこは諦める。
カンノ:探しても無かった訳ですもんね。
数の子:見てみるまで分からないんだけど、見て無かったらそれは「無い」だから。「あの時、見ておけば良かった」とかは考えないようにする。
カンノ:「あの店にアレあったよ」とか言われたりしますか?
数の子:結局俺の探しているものって他に探している人がいないからね。あとは、電話で聞いたりもするよ。
カンノ:聞くんですか?
数の子:うん。「レコードありますか?」って。ジャンクのレコードがないお店もあるからね。それでちゃんと箱数言う所は、あんまり信用しない。「よく分かんないけどいっぱいあります」と言う所は結構良い。
カンノ:アハハッ!整理されてないお店!(笑)ちゃんと箱数言う所は、自分の欲しいものは無いんですね。
数の子:そう。「結構あるんじゃないっすかね?」みたいな適当な所は掘り出し物がある。
カンノ:管理が適当かどうかなんですね。
YOU:適当に買い取ってるからですよね。
数の子:そうそう、適当に買い取ってるから非売品の物があったりするのよね。