身内音楽(学校の卒業記念や地域の合唱祭など、プロではない普通の人達が歌ったCDやレコードなど)を日夜集める数の子ミュージックメイトさんをお迎えして、カンノ、YOU-SUCKと「ディグ」についての駄話会(全6回)。第4回はハードオフ・ブックオフのフランチャイズ店の良さの話と、見放されていたジャンク品が企業に介入されてディグしづらくなった話。
YOU:ハードオフってフランチャイズの所も多いから、結構オーナーの裁量にもよりますよね。
数の子:そうだね。フランチャイズの所の方が良いものが多い気がするね。1回千葉のハードオフでめちゃくちゃ良い物がたくさん見付かって、レジに持って行ったら店長が「やっぱりこういう物を集めている人っているんですね。そういう人がネットでいるって見て、こういうものを買い入れるようにしてたんですよ」って言われて。
カンノ:YOU:アハハハハッ!
数の子:「それ、俺だよ〜!」って思ったよね(笑)そこ、本当にすごくいっぱいあったんだよ。そこの店長が本当に意識的に店に入れてたんだよね。
カンノ:辻仁成的に言うと「やっと逢えたね」ですね(笑)
数の子:そこはすごく良かったな。でもまた行ったら、どうやら色々あってレコードの在庫が少なくなっちゃってたけどね。
カンノ:今の話、めっちゃ面白かったなぁ(笑)
数の子:だからフランチャイズは店ごとの裁量だから結構良いですよ。ブックオフもそうだよね。
YOU:フランチャイズの方が古本がいっぱいあったりしますよね。
数の子:100円の箱があったりするもんね。直営だと無いんだよね。
カンノ:その違いの話、面白いですね。
YOU:直営かフランチャイズかって結構違いますよね。「このおかしな値付けの仕方はフランチャイズだな」って分かりますよね。
数の子:未だにシールの値付けだったりね。
カンノ:あっ、もう今シールじゃないんですね。
数の子:今はバーコードだね。
カンノ:全然シールのイメージで止まってました。
数の子:ハードオフもそこら辺は同じなんだよね、ネットモール(店の商品をネット販売で買えるサイト)にバンバン出品してないところは。
カンノ:なるほど。
数の子:最近、ハードオフが酷いんだよ。「ジャンクに優しくなった」という状況が一番マズい。ハードオフのジャンクのテーマソングみたいなのがあって、それが店内に流れてるんだけど、その感じが気持ち悪くて。聴き心地的にすごく良いことを言ってるんだけど、よくよく考えてみると「売れないジャンクは捨ててます」みたいなさ。嫌な感じなんだよね。レトロゲームはどんどん高くなって、売れないCDやレコードはバンバン捨てて。どんどんキレイになっていってるんだよね。
カンノ:キレイになることがマズいんですね。
数の子:そう。なのに、見た目は「ジャンクもハードオフのウリですから!」な感じなの。でもそれが一番、ジャンクを集めている人からすると、すごく嫌な感じなの。
YOU:高校生の時に友達と今はなき町田のハードオフに行ってジャンクコーナー漁ってたら何故かギターの1弦だけ売ってたんだよな(笑)
カンノ:アハハハッ!
YOU:絶対錆びてるよっていう(笑)
数の子:何で出したんだろう。売れる勝機があったのかな?(笑)
カンノ:でも、その感じですよね。隙がある感じというか。
数の子:そうそう、そういう感じがどんどん無くなってきてるね。その曲のCDもさ、ジャンクコーナー箱でしか売ってないの。それも嫌な感じなんだよね。良い曲なんだけどね。何に似てるんだろう、この感じは…。
カンノ:ハードオフも企業ですが、間に企業が入ってくる感じですよね。企業として本領を発揮してきた感じ。
数の子:そう!ハードオフやブックオフってさ、ほつれとか隙があった所だったんだよ。普通の小売りの店って、何が陳列されてるか在庫が管理されてるわけじゃない。お店に何が置いてあるのか理解してなかったんだよ。その未知感が良かったのに、段々それが無くなってきてるんだよね。
カンノ:お店が知ってきちゃった、学んできちゃったということですね。
数の子:ブックオフはPOS(バーコード管理)で商品を管理するようになっちゃったし。それがすごく嫌なんだよね。これからどんどんやりにくくなるんだろうなと思ってますね。