音楽トークイベントを行うLL教室からハシノさんをお招きして、カンノとオノウエの3人で喫茶店2時間ノンストップ音楽駄話を文字起こし(全5回)。第3回目は過去の音楽ランキングで「何でこんな曲が入っているのか?」という現象を”バグ”と名付け、最近のバグになりそうな曲の話と、新しい音楽の文化は”笑い”と共に入ってくるという話。
ハシノ:例えば30年前のある週のオリコンチャートで、めっちゃ売れて上位にいるけど「誰、これ?」みたいな人っているじゃない。名前聞いても覚えられない人みたいなの。ユーミンや浜省よりも売れてるけど、誰か分からない人。
カンノ:「英語4文字だけど…?」みたいなのですね(笑)
ハシノ:そうそう。あと、昔の紅白も知らない人いるよね。
カンノ:それこそ最近、これまでの『THE夜もヒッパレ』で、誰がランキング入ってて、誰が歌ってるのかというのをまとめているサイトを見付けまして。
ハシノ:あぁ、すげぇ!最高だね。
カンノ:最高なんですよね。見返すと素晴らしいですよ。EGO-WRAPPIN’「くちばしにチェリー」とか入っちゃってるんですよね。で、それを千秋が歌ってるんですよ。「見たい!」って(笑)
ハシノ:めっちゃ見たいね~(笑)
オノウエ:今から見ると、過去ってバグが起きてますよね(笑)時代によるバグが発生している(笑)
カンノ:話の流れでいうと、『私立探偵 濱マイク』が日テレのプライムタイムで放送されていたのもバグですもんね(笑)
ハシノ:バグだね。あれはテレ東0時だよね(笑)普通に憂歌団の人が出て来てたもんなぁ。
オノウエ:なんか、そこら辺までは面白いバグは起きてたけど、これから先ってバグって起こらなそうだなって。
カンノ:確かになぁ、面白いバグって難しそう。
ハシノ:でも、今は「これが人気あるの、確かにな」と思ってるけど、30年経ったら分からないよ。
カンノ:なるほど。
オノウエ:バグって言えるのは自分がその時代から見て未来人だからですもんね。
ハシノ:そうそう。
カンノ:音楽でバグになりそうなことってちょっと前とかにあったのかな?
ハシノ:未来人じゃなくても、リアルタイムでバグ検知をする方法として、自分が外国人だったらという目線を持つと検知しやすいと思っていて。「何でこれが日本で流行ってるの?説明してよ」みたいな。
カンノ:ちなみに「U.S.A.」ってバグですか?
ハシノ:バグじゃないですか(笑)完全にバグでしょ(笑)
オノウエ:近いところでいくと「U.S.A.」の面白がられ方は「江南スタイル」と似てたと思うんですけど、でも向こうはオリジナルだけど「U.S.A.」はそれ自体が過去のユーロビートのカバーだから、もう捻れ過ぎてて訳わかんない(笑)
カンノ:無茶苦茶なんだよね(笑)
ハシノ:理解不能(笑)
オノウエ:どういう風にこの曲をやろうとなって、結果こうなったのかのか全然分からない(笑)バグ感あるね。
カンノ:外国の人からしたらより意味分からないよね(笑)
オノウエ:バグ過ぎて説明がつかない(笑)
カンノ:「はぁ?」っていう(笑)
オノウエ:でも、TikTokの「め組の人」の早いやつみたいなものと、若い人の受け入れ方は近い気はする。ちょっとキッチュというか。
ハシノ:そうね。TikTokの早回しの面白さって、それこそ「DJというものがあるらしい!」みたいなので、80年代後半ぐらいで普通にテレビでスクラッチとか、わざと回転数が早いとか遅いとかで「もわぁ~」って言ってたりとか、ああいうのだったよね。何か分からないけど面白いみたいな感覚はあって。本当の最初の最初って、「面白い、もっと早くやって!」とか(笑)純粋なやつだったんじゃないかなぁ。
オノウエ:僕らで言うと、カセットの一時停止停止を半分押すと「キュルルルルッ」ってなるみたいな。
ハシノ:そうそう!
カンノ:サンプラーとかも面白かったですもんね。
ハシノ:そうだね!それがものまね四天王とか、加トちゃんケンちゃんとかで使われたり。
カンノ:コロッケさんが「与作」をヒップホップバージョンでやってたのとか腹抱えて笑ってましたもんね。それこそ矢野利裕さんの著作での「新しい文化は笑いと共に紹介されていく」という話に繋がりますもんね。
ハシノ:そうだね。