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化学反応って言葉、よく雑誌のタイトルで付いてたなぁ(笑)〜ギスギスしちゃう4人の化学反応型バンド〜

音楽トークイベントを行うLL教室からハシノさんをお招きして、カンノとオノウエの3人で喫茶店2時間ノンストップ音楽駄話を文字起こし(全5回)。第4回目はソロアーティストやプロジェクト型バンドが台頭するようになった昨今、”4人の化学反応”型バンドは”ギスギスしちゃう”から今の時代、難しいのかもね話。

 

カンノ:バンド名義じゃなくてソロ名義の人たち増えたじゃないですか。最近も聴いた感じが初期GRAPEVANEみたいな感じな人がいて、それをバンドじゃなくてソロでやっているみたいな。バンドのブランディングって難しいのかなって思いますよね。サポートで食っていくという人が増えている。

オノウエ:僕らはギリギリバンド幻想があったんですけど、僕らの下からは多分、ほぼないんですよね。「このバンドでやって行くぞ!」感というか(笑)それがない。

カンノ:「1人抜けたら解散だ!」みたいな(笑)

オノウエ:それがもうない。活動見ていても、他に何かやるのが当たり前。

ハシノ:そうだねぇ。最近のバンドの曲の作り方ってどうなんだろ?1人で全部作り込むのか、何となくスタジオにだらっと入って「これいけるじゃん」みたいななのか。

カンノ:スタジオにだらっと入るのは無くなってきてますよね、多分。

オノウエ:ジャムってみたいなのって全然ない気がしますね。

カンノ:デスクトップ上からはみ出ることがあんまりないかな。

ハシノ:そういえば、バンド幻想に付きもののワードで“化学反応”って(笑)

オノウエ:ありますね(笑)

カンノ:ご都合ワード(笑)

ハシノ:化学反応を信じているから、メロとコードだけ持っていくみたいな(笑)

カンノ:ダメだ、化学反応って言葉、何年ぶりに聞いたんだろう(笑)

ハシノ:「この4人でしか出せない音!」みたいな(笑)

カンノ:化学反応って言葉、よく雑誌のタイトルで付いてたなぁ(笑)「傑作アルバム!4人の化学反応!」みたいな(笑)

オノウエ:僕、家に膨大な某音楽雑誌のバックナンバーがあって最近読み返したんですが、一冊のうち大体そんな言葉が60%ですね(笑)残りの40%は「子供の頃どうだった?」とか。

ハシノ:うんうん(笑)

オノウエ:今のバンドってどんなこと訊かれてるんだろう。プロジェクト形式のバンドが多いじゃないですか?訊くことあるのかなって(笑)「あのとき、あいつと出会って。こういうきっかけで一緒に組んで。初めて音を出したら超良くて。そっからの化学反応が~」みたいな感じじゃないですか?その某音楽雑誌のインタビューって(笑)でも、今だったら「こういうことしたいからこういうメンバーが必要だったんで、それで誘いました」みたいな。「話、広がんねぇな」みたいな感じ(笑)「バンドの曲はどう作ってるんですか?」に対して「僕が完全に作ってます」みたいな回答しか出来ない感じ。

カンノ:味も素っ気もないインタビューだね(笑)

オノウエ:バンドの裁量が完全に分担されている気がして。「俺はここまで。お前はここまで」みたいな。

ハシノ:メインソングライターががっちり作ってね。

カンノ:仕事になってる感じね。

オノウエ:プロジェクトの要員のイメージというか。

カンノ:会社だね。

ハシノ:それは他のメンバーに聞くことないよね。メインの1人で充分。

カンノ:“関係性で萌える”みたいなことってなくなってきてるのかなぁ。

オノウエ:かもね。最近ナンバーガールが復活に関して向井秀徳のインタビューがあったんですけど、そこで「復活以降はギスギスしないようにします」って言ってて「そうだよなぁ」って思って(笑)

カンノ:あった、あった(笑)

オノウエ:ギスギスして解散しちゃうんだよ。プロジェクト型じゃなくて、バンド幻想型のバンドだと。

カンノ:なるほどねぇ~。

オノウエ:くるりももっくん辞めて、スーパーカーも解散するし。「ギスギスしない」ってリアルな言葉だなと思ったんだよね。

ハシノ:うんうん。

オノウエ:「ぶつかり合い」とかね。頻出ワード(笑)

ハシノ:「個性のぶつかり合い」とか(笑)

オノウエ:そういう感じは“平成置き去り”じゃない?

カンノ:あぁ~、聞かなくなるかもね。