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Radio OK?NO!! 第49回「花束みたいな恋をした特集~前編~」

OK?NO!!の上野翔とカンノアキオで市川うららFMにて『Radio OK?NO!!』を放送しています。ここでは毎週の特集を文字起こしという形で記載します。今回は第49回の3月14放送分、「花束みたいな恋をした特集~前編」をお送りします。

 

カンノ:最近、所謂ポップカルチャーと呼ばれる、音楽、映画、小説、お芝居なんかが好きな人がみんなTwitterのタイムライン上で発狂している映画があるんです。

上野:なんか噂には聞いておりますよ。有村架純さんや菅田将暉さんが出ている映画ですよね。

カンノ:そのお二人がダブル主演している『花束みたいな恋をした』という映画がありますね。僕、見ましたよ。もうブチ上がりましたね!

上野:”ブチ上がる”っていう形容をするような映画じゃないと思うよ(笑)

カンノ:まあ、いろんなポップカルチャーのワードが出てきて、そういうものが好きな男女が付き合って別れるまでの5年間を描いた映画なんです。

上野:大丈夫ですか?ネタバレ注意なんじゃないですか?

カンノ:別れる結末はそもそも出てるので大丈夫ですよ。菅田将暉さん演じる麦くん、有村架純さん演じる絹ちゃんの二人が、サブカルチャーポップカルチャーが趣味で、運命的な出会い方をするんです。明大前で終電を逃す出会い方なんですよ。

上野:明大前で終電を逃す!いいですね~。

カンノ:そういう出会い方してみたかったなぁ~!

上野:本当だよね。

カンノ:そういう映画を観てテンションが上がったんですけど、まあいろんな小説とか作家の名前とか劇団の名前とかラジオ番組とかお笑い芸人とかがいろいろ出て来るんです。

上野:カルチャー的な固有名詞がいっぱい出て来るんですね。

カンノ:そうそう。僕はそれを観ながら、「実はこの二人は、映画には出て来なかったけどまた別のものを観たり聴いたりしているんだろうな」と思ったんです。

上野:この二人は映画の中では出て来てないけど、また別のポップカルチャー的なものが好きなはずだと。

カンノ:「映画には出て来てない何月何日にはこういうの聴いていたり、こういうの観ていたりしていたんだろうなぁ~」っていうのが俺の頭の中にあるわけですよ。

上野:そういうのありそうだね。

カンノ:なので今日は、俺の頭の中で麦くんと絹ちゃんが聴いていた音楽を紹介する「芯食っていない『はな恋』特集」をやろうと(笑)

上野:なるほど、そういうことか(笑)

カンノ:今日は芯食った映画評なんて一切しないです(笑)この映画ってみんなの映画評が聞きたくなるんだよ。例えば麦くんが途中から仕事人間になっちゃって、カルチャーから遠ざかっていくみたいなシーンがあるんです。そういった労働観とかのお話でもあって、その中で現代社会がどうのこうのという話ももちろんあるんですが、今回はそんな重たい話、一切しないです!

上野:アハハハハッ!

カンノ:今日は僕が勝手に頭の中で鳴った音楽を紹介しようかなと思います。だから映画には一切出てこない曲しか流れない映画特集です(笑)

上野:存在しなかったシーンについてね(笑)

カンノ:そういう『花束みたいな恋をした』特集をしようと思うんですけれども、でもまあ申し訳程度にAwesome City Clubの曲は流します(笑)

上野:「申し訳程度に」って言うなよ(笑) 

カンノ:そこは一応礼儀、お作法としてね(笑)では『花束みたいな恋をした』のインスパイアソングになっている曲をお聴きください。Awesome City Clubで「勿忘」

カンノ:じゃあまず、この映画の嫌いなところを言います。

上野:アハハハハッ!

カンノ:はい?

上野:「はい?」じゃなくてさ(笑)

カンノ:この映画の批判ポイントです。批判って言うほどでもないんですけど(笑)先週、僕はShiggy Jr.の話の流れからAwesome City Clubの話をしました。

カンノ:それでこの映画って2015年から2020年までの間の物語なんですが、Awesome City Clubの2015~2020年辺りってちょっと危ない時期だった気がするんです。メンバーが一気に立て続けに二人も抜けると。

上野:映画は2015年から2020年が舞台になってる話で、その期間の中でのリアルAwesome City Clubの話ね。

カンノ:その頃のAwesome City Clubって俺もライブ見たことあるけど、ちょっと危ないです。

上野:僕は何も言いませんが(笑)

カンノ:メンバーも抜けちゃったりして、これ以上プラスな話題がないとヤバそうだなと。解散に追い込まれるぞと思っていたら、この映画のインスパイアソングで爆売れするというね。起死回生バンドになったと。

上野:何度も言うけど、”インスパイアソング”って何?(笑)

カンノ:だから”出来レース”なんだって(笑)インタビューで読んだんだけど、脚本家の坂元裕二さんが主題歌を設けたくなかったと言ってるんですね。

上野:でもこれはほぼ主題歌でしょ?

カンノ:予告編で流れてるからそういう扱いなんだけど、映画の本編やエンドロールとかでは流れていないんだよね。

上野:あ~、なるほどね。

カンノ:で、この映画の嫌なところとしてはAwesome City Clubって映画でブレイクしちゃったんですよ。「映画の中の世界より現実世界で売れてくるなよ!」と。

上野:アハハハハッ!

カンノ:そういうことを思っちゃった(笑)映画の世界を越えてきちゃうと冷めるよね。「フィクションから出てきちゃったなぁ~」って。それで売れちゃって。

上野:2015年からの5年間で言ったら、そこにいたシーンのバンドマンとかミュージシャンたちとか結構変わっていく5年間だったじゃん。そこから続けられなくなった人たちとかも結構いてさ。それでそこから5年経ってみたら、それを使って復活したみたいな(笑)そういう見方をしちゃったんだろうね。

カンノ:その5年間を生贄に捧げて自分が進化しちゃってんだよ(笑)だってそれがなかったらMステとか出てないもんね。

上野:この話、結構危険だぞ(笑)

カンノ:それでAwesome City Clubの女性ボーカルのPORINさんが、麦くんと絹ちゃんが付き合うきっかけになる運命のファミレスがあるんだけど、そこの店員さん役で出てるんです。

上野:あっ、映画に出てるんだね。

カンノ:それで「私こんなバンドやってて~」みたいな。「Awesome City Clubっていうバンドを~」みたいなことを言ってて。で、麦くんと絹ちゃんが「すごいですね~」みたいな。

上野:それは名前として出てるんだ。

カンノ:そうそう。Awesome City Clubとして映画に出て演奏もしてる。それでここがちょっとリアルだなと思ったのが、麦くんと絹ちゃんはずっと「ファミレスのお姉さん、すごいね~」という言い方をしてるの。「Awesome City Clubすごいね~」っていう具体的にバンド名を出した言い方はしないの。

上野:なるほど。それは売れてないってこと?

カンノ:いや、どんどん売れていく過程を見せてくの。

上野:あ~、なるほどね。

カンノ:実際にその頃のAwesome City ClubのMVとか映画で出したりしてるからね。でも、「Awesome City Club」というワードは彼らは言わない。これの何がリアルと思ったのかというと、「この二人はAwesome City Clubの音楽面をそんな見てない」って思ったの。

上野:そういう仮説ね。

カンノ:Awesome City Clubの音楽が好きだったら、「うわぁ~、オーサムこんなところまで行ったよ!」っていう言い方とかするんじゃないかなと思うんです。

上野:確かにね。

カンノ:でもそこまでは言ってない。だから、バイトしているときを知っている人がどんどん芸能の道を突き進んでいく様は、「ファミレスのお姉さんすごいね!」という言い方になるのかなと。この身内感だけはあるのよ。もっと具体的に言うと、「ceroの高城さんがやっている阿佐ヶ谷のRojiっていうお店知ってる?」とか、「TBSラジオの粋な夜電波聞いてる?」っていう会話が映画内であるわけですよ。で、「Roji」とか「粋な夜電波」とかの話をする人はAwesome City Clubは聴かないんじゃないか。それは好みとしては別なのではないかと思ったんです。

上野:それは分かるね。

カンノ:で、ここから全く映画で描かれていないシーンの話なんだけど(笑)、全然サブカルとかポップカルチャーとかに興味がない人に対してAwesome City Clubの動画を見せて、「俺、この人がバイトしている時、知ってるんだよ~」って友達に自慢してるはず(笑)

 上野:来ました、映画で描かれていないシーンを話す回(笑)

カンノ:絶対に浮かれて自慢してると思うんだよね。

上野:ありそうだね(笑)

カンノ:でも音楽の琴線にはそんなに触れていないっていうところにちょっと震えましたね。で、これも映画に描かれてない話なんですが(笑)、「じゃあこの二人が名前を出して喜びそうなミュージシャンって誰かな?」と。ファミレスの店員として働いているミュージシャンで、どんどん売れていく中で「〇〇さん、こんなところまで行った!」って具体的に言っちゃうようなミュージシャン。

上野:二人が好きそうなミュージシャンってことね。

カンノ:俺はそのシーンを見て、頭の中ではAwesome City Clubじゃなくてこの曲が流れました。ってことでこの曲を流します。カネコアヤノで「光の方へ」

上野:これは絶対聴いてるね。

カンノ:特に絹ちゃんが好きだろうね。

上野:俺は映画観てないけど、聴いてると思うよ(笑)

カンノ:カネコアヤノさんがジョナサンでバイトしているんですよ。それで、「今度私CD出すんです」って二人に言うんです。「1994っていうYouth Recordsと同じ並びのレーベルなんですけど…」なんて言ったら、麦くんが「えっ?andymoriと同じ並びなんですか!?」とテンション上がって言うシーンが絶対あったと思うんですよ(笑)

上野:絶対あった!今、本当にあったのかと思ったよ(笑)

カンノ:絶対あるよ。「いや、俺、マジでandymoriが大ファンで!」って。

上野:そんなテンションで喋るの?(笑)

カンノ:坂元裕二の最初の脚本であったはずなんですけど、弾かれてしまいましたね(笑)

上野:でもカネコアヤノは絶対聴いてると思う。

カンノ:「カネコアヤノさん、フレシノさんと一緒に曲がやってるよ!」って(笑)

上野:話してるよね~!

カンノ:麦くんと絹ちゃんはヒップホップはそんな聴いてないけど、スチャダラパーPUNPEEとフレシノは聴いてるから(笑)

上野:アハハハハッ!

上野:カネコアヤノは絶対聴いてるね。土曜日にちょっと遅めに起きて、これを流しながら部屋を片付けてるよ(笑)

カンノ:部屋片付けてるね~(笑)「部屋片しプレイリスト」も作ってるよ(笑) 

上野:Spotifyでね(笑)

カンノ:そんなの作ってるに決まってますよ。いやぁ、俺の中の”はな恋アナザーストーリー”がどんどん出来上がっていくよ(笑)

上野:今日は面白いなぁ~。

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『Radio OK?NO!!』は毎週日曜23:30から放送です!市川うららFMにて、是非お聴きください!インターネットでも下記リンクから聴取可能です!次回の放送は3月28(日)「迂闊ソング特集」です。お楽しみに!