カンノアキオとオノウエソウによる、SOMEOFTHEMのポッドキャスト番組『SOMEOFTHEM OF PODCAST』を配信しています。こちらではその文字起こしを前編、後編に分けて掲載します。第3回は2023年にリリースされたカバー楽曲のなかでカンノの琴線に触れたものを紹介する「2023年カバーソング」特集の文字起こし(前編)を掲載します。ポッドキャストは下記リンクから。
カンノ:今週も2023年を振り返る企画をやりたいなと思います。前身番組も含め、この番組はカバーソング番組です。
オノウエ:カバーソング番組(笑)
カンノ:ということで2023年のカバーソングを振り返ろうと思います。昨年のカバーは一体なにがあったのか。で、調べたら昨年の年末付近に結構おもしろいカバー曲が多かったので、そこから引っ張りました。ということで1曲目なんですが、柴咲コウさん。
オノウエ:柴咲コウさんもカバー曲を出してるんですね。
カンノ:結構昔から出していて、柴咲コウさんによる星野源「夢の外へ」のカバーはかなり良いので是非聴いてみてください。全然違う曲になってます。
カンノ:ということでまさかの曲をカバーしているのでお聴きください。柴咲コウで「静かな日々の階段を」
カンノ:なんと、Dragon Ashをカバーしています。
カンノ:これは11月29日発売『ACTOR'S THE BEST ~Melodies of Screens~』というカバーアルバムに収録されています。
オノウエ:ACTOR'S THE BEST?
カンノ:これは俳優として出演した映画やドラマの主題歌や挿入歌を中心に歌ったカバーアルバムですね。
オノウエ:なるほど、柴咲コウさん自身が出演したやつね。
カンノ:だからKOH+のセルフカバーとか、あとはドラマ『GOOD LUCK!!』の主題歌だった山下達郎「RIDE ON TIME」、『オレンジデイズ』の主題歌だったミスチルの「Sign」などをカバーしていますが、これは映画『バトル・ロワイアル』のエンディングテーマだった「静かな日々の階段を」をカバーしていると。この曲のラストはちゃんと安藤政信に殺されますから。
オノウエ:『バトル・ロワイアル』だからね(笑)
カンノ:今はKJさんはMEGUMIさんとバトルロワイアルしていますが。
オノウエ:もう終わったんじゃないか?
カンノ:惨敗!
オノウエ:家庭はそれぞれですから!
カンノ:Dragon Ashとかカバーするんですね。
オノウエ:そうだよね。
カンノ:しかも今っぽいトラップでカバーして。
オノウエ:ちゃんとラップっぽいノリで歌ってるもんね。
カンノ:でもさ、いつもラップに慣れていない人のラップで思うんだけど、その身体つきじゃないんだなって思うんだよね。
オノウエ:まあね(笑)
カンノ:なんでラップに慣れていない人のラップって身体がカクカクしているんだろう?
オノウエ:そういう訓練とか能力って必要だからね。
カンノ:だから、俳優とリズム感って関係ないんだなって思いました。
オノウエ:暴論ですよ(笑)
カンノ:では続いてのカバー曲いきましょう。Adoさん。
オノウエ:おぉ!Ado。
カンノ:Adoさんが今の曲をカバーしたということでお聴きください、Adoで「可愛くてごめん」
カンノ:これは年末にリリースされました。12月13日発売『Adoの歌ってみたアルバム』という企画盤です。
カンノ:収録曲はファンからの公募で決めたみたいですね。「可愛くてごめん」はTikTokでバズった曲ですけど、このニュアンスのAdoをあまり聴いたことがなかったので新鮮ですね。あざとい系と言いますか。
オノウエ:たしかに。
カンノ:カバーアルバムって一種の品評会だと思うんです。そのミュージシャンの。「これだけの幅を持ってますよ」という、自分の能力値のプレゼン。それでいうと、Adoはむちゃくちゃ良い。振れ幅が。
オノウエ:こんな曲もできる、あんな曲もできる。
カンノ:曲によっていちいち表情を変えられるじゃん。やっぱりジェットコースターみたいな声だよね。
オノウエ:可愛い系もできるし「うっせぇわ」みたいなものもできる。
カンノ:だって「可愛くてごめん」の前に歌われてるのは椎名林檎の「罪と罰」ですからね。
オノウエ:それはイメージのなかのAdoとすごくフィットする選曲だね。
カンノ:これ、ちゃんとわかってるのが椎名林檎楽曲で「罪と罰」を歌ってほしいっていうのはいいよね。「ここでキスして。」とかではなく。
オノウエ:そうだね。
カンノ:あとAdoでおもしろいなと思うのは、正直「うっせぇわ」で出てきたときは「うっ…」って思ったじゃん。今はなんとも思わないね。風景化したというか。なんにも苦手に思わなくなった。むしろ「Adoいいな~」だからさ。それで、老化って2段階あるんだなって思った。
オノウエ:老化(笑)でもいいじゃん、好きになってるんだから。
カンノ:でもずっと苦手意識があるミュージシャンもいるじゃん。それに対してAdoは全然大丈夫になった感覚はおもしろいですね。
オノウエ:これは前身番組から引き続きだけど、カバー曲に対してのスタンスっていくつかあるじゃん。「普通にいいな~」と「これはおもしろいな」と「これはなんでやったの?」みたいな。それで言うとこの選曲は?
カンノ:これはすごく良いし、Adoとしてすごく正しいと思う。
オノウエ:なるほどね。
カンノ:このアルバムはAdoがやるべき企画盤だと思う。この手のやつを「なんでやってんの?」という人もいるの。能力もないのにさ。
オノウエ:フフッ。
カンノ:あと選曲も「お前がそれをやったらすげえチグハグなことになるぞ」っていうのもあるじゃん。
オノウエ:これは前身番組時代に僕らが言った言葉でいうと「企画会議に参加したい」っていうやつですよね。「なんでこうなった?」っていう。
カンノ:それで言うと、Adoのカバーアルバムは企画会議から成功しているように思えますね。
『SOMEOFTHEM OF PODCAST』はパーソナリティーのカンノアキオと聞き手のオノウエソウが、最新J-POPやちょっと懐かしい曲をクイズやゲーム、時には曲同士を戦わせつつ(?)、今までになかった音楽の切り口を発見しようとする音楽バラエティ番組です。感想は是非「#サムオブ」をつけてツイートしてください!ポッドキャスト版では番組の最後に4択のJ-POPクイズを出題していますので、是非そちらもお聞きください!