SOMEOFTHEM

野良メディア / ブログ / 音楽を中心に

Radio OK?NO!! Podcast #070「ウイスキーが、お好きでしょクイズ」特集文字起こし(前編)

宅録ユニット・OK?NO!!の上野翔とカンノアキオでSpotifyで聴けるポッドキャスト番組『Radio OK?NO!!』を配信しています。こちらではその文字起こしを前編、後編に分けて掲載します。今回は流した「ウイスキーが、お好きでしょ」のカバー曲がサントリーハイボールのCMで使われているかをクイズ形式で紹介したウイスキーが、お好きでしょクイズ」特集の文字起こし(前編)を掲載します。

 

Radio OK?NO!! Podcast #070「ウイスキーが、お好きでしょクイズ」特集音声は下記リンクから。ポッドキャスト登録を是非、よろしくお願いします!

 

 

カンノ:お正月明けで、まだまだコロナ禍も大変な中ではございますが、どうですかね?お酒とかは飲んでたりするのかな?

上野:新年会だったりね。

カンノ:家族で飲んでたり田舎帰ったりもするでしょう。そういうのを経たタイミングですかね。どうですか?もうお酒飲みたくなりませんか?お酒を飲みたくなるような回をやろうじゃないですか。

上野:いいですね。

カンノ:いい音楽にはいいお酒よ。こんな話、一回もしたことねえよ(笑)

上野:そんなことを言うタイプじゃないしね(笑)

カンノ:あとね、いいお酒には、いいカバー。

上野:だんだんわかってきたぞ(笑)だんだんいつも通りになってきた(笑)

カンノ:じゃあまず最初にお酒が飲みたくなるような曲を聴きましょう。そのあとに趣旨説明しますね。ということで『Radio OK?NO!!』2023年一発目はこの曲から始めたいと思います。石川さゆりで「ウイスキーが、お好きでしょ

カンノ:選曲がこの番組っぽくない!

上野:っぽくないね(笑)

カンノ:今年からモードを変えていきますよ!この曲は1991年リリース。30年前ですね。で、今もハイボールのCMで使われてますよね。

上野:よく聴くよね。

カンノ:しかもいろんな人のカバーで。ということは、クイズができるってことですね。

上野:相も変わらず2023年もよろしくお願いしますね(笑)

カンノ:モードをガラッと変えて、カバー曲でクイズをします!

上野:なにも変わってない…(苦笑)

カンノ:どんなクイズをやるかと言いますと、サントリーの角瓶、ハイボールのCMソングで使われてるか使われていないかクイズです。

上野:どういうこと?

カンノ:これから誰かによるカバーバージョンの「ウイスキーが、お好きでしょ」を流します。その曲がちゃんとサントリーハイボール関係のCMソングで使われてるか否か。

上野:おぉ!たしかに今までと毛色の違うクイズ企画だ(笑)

カンノ:だからこれがちゃんと「ウイスキーが売れるようなCMソングを作ってください」と言われてカバーされてるかどうか。それともただ乗っかってるのか。ということで今回は「ウイスキーが、お好きでしょクイズ」特集。

上野:オフィシャルのカバーかどうかね。

カンノ:ニセモノかどうか当ててください。

上野:言葉が強いんだよ。

カンノ:全5問です。では1問目、このカバーをお聴きください。ゴスペラーズで「ウイスキーが、お好きでしょ

カンノ:さぁ、この曲はサントリーの角瓶、ハイボールのCMソングで使われているでしょうか?

上野:これは使われているんじゃないんですか?

カンノ:「使われている」ですね。ゴスペラーズは本物のウイスキー好きですね?

上野:本物のウイスキー好きかどうかは話が変わってきちゃいますよ。

カンノ:メンバーの黒沢さんはカレー好きですからね。

上野:そうですね。

カンノ:ということで正解は、、、CMソングで使われていました~!

上野:これはそうですよね。

カンノ:2009年から10年にかけて使われていました。これはイメージあるよね。

上野:あのCMと言えばゴスペラーズのカバーだよね。

カンノ:これは小雪さん、菅野美穂さんと連続でCMで使われていましたね。

上野:そうだ、そうだ。イメージある。

カンノ:ということでゴスペラーズウイスキーがお好きでした。では次からです。

上野:まぁ、今のは例題だよな。

カンノ:この人のカバーはCMで使われていたかお答えください。田島貴男で「ウイスキーが、お好きでしょ

カンノ:ORIGINAL LOVE田島貴男さんによりカバーですけど、これはCMソングとして使われていたかどうか?

上野:これも聴いたことがある気がするんですよ。これはわりと最近使われてなかったっけ?

カンノ:なにをもって最近とするかね。

上野:それで言ったらゴスペラーズのカバーは10年以上前でしょ?ちょっとビックリだよね。

カンノ:ゴスペラーズの印象、相当強いもんね。

上野:だから最近かどうかはわからないんですけど、これも使われていたと思いますよ。

カンノ:公式で使われていたと。

上野:あと田島貴男はすごくウイスキーが好きそうな顔をしていますよ。

カンノ:日本酒やビールよりも。

上野:バーで文庫本片手にウイスキー飲んでるのとか似合いそうじゃないですか。

カンノ:ということで正解は、、、CMソングで使われています!

上野:よし!

カンノ:これは2014年です。

上野:全然最近じゃないね~。

カンノ:9年前になるのか。この辺りから井川遥さんがCMキャラクターをやられているんですが、今も続いている長期政権です。

上野:ここからずっと井川遥なんだ。

カンノ:井川遥が10年くらいやっていますね。

f:id:someofthem:20230109165429j:image

 

『Radio OK?NO!!』はパーソナリティーの上野翔とカンノアキオが、最新J-POPやちょっと懐かしい曲をクイズやゲーム、時には曲同士を戦わせつつ(?)、今までになかった音楽の切り口を発見しようとする音楽バラエティ番組です。感想は是非「#okno」をつけてツイートしてください!お問い合わせはメール:radiookno830@gmail.com まで。

サムオブ井戸端話 #075「『KICK BACK』と対比する”いなたい”という価値観」(後編)

SOMEOFTHEMのメンバーであるカンノアキオ、オノウエソウ、YOU-SUCKで音楽にまつわる井戸端話の文字起こしを毎週アップします。

 

米津玄師の「KICK BACK」の情報量について語るサムオブメンバー。後編では、情報量が多い音楽が今のJ-POP界で重宝されているなかで、"いなたい"という言葉で表せられるような"なんでもない曲"じゃないと普段聴きができないのではないかという話をしました。前編は下記リンクから。

 

 

YOU:前編の話を踏まえたうえで、最近カンノが好きなバンドは誰かいる?

カンノ:リュックと添い寝ごはんの新譜は好きでしたね。

カンノ:すごく雑な言い方をすると、「なんでもないような曲が12曲入ったアルバム」なんだよ。こういうことが良さとして伝わればいいなって思うんだよね。それって「KICK BACK」の価値観と対極なものとしてあるような気がしていて。「KICK BACK」って1曲のなかに「何かである」ということの連続だと思うの。”仕掛け”とか”作用”とかを見てもらうための楽曲だと思うのね。

YOU:これは『シナぷしゅ』回でも話したけど、「KICK BACK」って正しく『チェンソーマン』的な楽曲なんだよ。

YOU:それは歌詞もそうだし、曲の展開もそうなの。『チェンソーマン』ってほかの少年漫画が40巻かけてやることを10巻でやってんだよね。

カンノ:あ~、なるほど。ジェットコースター漫画だ。

YOU:そうそう。本当にジェットコースターみたいな速さで展開するの。「このキャラを活かしたあとは、このキャラとあのキャラの友情を使って敵と対決させて…」みたいなのをやるのが普通の少年漫画だとしたら、『チェンソーマン』はキャラとの関係を描くのは最低限にして、キャラが敵と1,2回対決したらガンガンキャラが死んで次の展開に行く感じ。それでも凡百の少年漫画より面白いしキャラ同士の関係性もエモい漫画になってるのがすごいんだけど。

カンノ:ファスト映画っていう問題があるなかで、作り手がファスト映画的なものを作ることによって何の問題もなく読まれるっていうことに近いのかな?

YOU:そうそう。『チェンソーマン』って正しくファスト映画的・要約的なコンテンツ。だからこそ今ウケてるんだと思う。

カンノ:合法でファストっぽいものが読めるわけだからね。

YOU:そういう意味で、あの速さと展開量で適度に暴力的な「KICK BACK」という曲は正しく『チェンソーマン』の主題歌だと思うんだよね。

カンノ:いろいろ喋ったけど、つまり洗練されてなくてもうちょっとベタっとした音楽に価値が置かれてもいいのにっていうことを僕は思ってるんですよね。最近だとサニーデイ・サービスの新譜がベタっとしてる印象で。

カンノ:個人的にサニーデイってベタっとした印象のアルバムと、すごく洗練されたアルバムが交互にリリースされてるイメージがあって。ホッとするアルバムと尖ったアルバムと言えばいいかな。このホッとしたほうのアルバムが好きなんだよね。あとはさっき言ったリュックと添い寝ごはんね。本当に白湯みたいな曲がずっと続くアルバムで聴いてて疲れなくてよかったんだよね(笑)

YOU:それは褒め言葉なのかよ(笑)

カンノ:「ちょうどいい」ってことかな。なにかを懐かしむような遠い目をしながら聴いてますよ。

オノウエ:この話でちょっとわからないのは、米津って国民的音楽家のポジションにもういるじゃないですか。でもリュックと添い寝ごはんは違うじゃん。あと僕らが中学生当時も音速ライン音速ラインレベルの広まりだったし、LUNKHEADLUNKHEADレベルの広まりだったわけじゃないですか。

カンノ:規模感が釣り合わないから比較が難しいっていうことね。

オノウエ:そうそう。話はわかるんだけどね。

カンノ:僕は「KICK BACK」を聴いて爆笑するんですが、これって否定とか嫌いとかじゃなくて、「やっぱ面白いな~、この曲」って思っちゃうんですよね。ジェットコースターみたいだから。でもジェットコースターが面白いのはどうしてもそのとき限りで、これがずっと常に存在しちゃうのは違うと思うんですよ。聴く側の感情を波立たせまくる曲じゃん。でもそれは何年経っても繰り返して聴くような曲じゃないと思うんだよね。僕は結局カップヌードルとか町中華の450円くらいの醤油ラーメンが食べたいんですよ。ずっと家系ラーメンを食べてるわけにはいかないんですよ。

オノウエ:あ~、なるほどね。

カンノ:「なにを普段食べたいのか?」っていう話と同じかな。「なにを普段聴きたいのか?」っていう。そこに「KICK BACK」が入ってきちゃうのはちょっと個人的にマズいんですよ。マルチプレイヤーで一人でどんなアプローチでもできる米津玄師とかVaundyとかKing Gnu的なものとかが国民的なものになってしまうと「これから太る人、いっぱい出てくるだろうな~」と思ってしまうんだよね。

オノウエ:その例えで言うなら、もうみんな太ってるかもね。だってイントロがいらなくて、1曲に何曲分の情報が集まってて、横のつながりでいろんな人がくっついては離れてをやっていたらさ。

カンノ:甘さに特化した曲、辛さに特化した曲、甘くて辛くて苦い曲とかもういろいろありすぎてね。ヒャダインがやったことってそういうことかなと思いますね。ラーメンが美味しくなり過ぎたことによって「そういう舌になった」と同じように、J-POPの味が強くなり過ぎたことによって「そういう耳になった」ということかもしれません。

オノウエ:「味濃いめをそろそろやめませんか?」という提案ですね。

カンノ:「薄い味っていうのもいいよね」という価値観を覚えておくのも一つの手ですよ。それはこれからも自分が音楽を聴き続けるために。チェイサーですよ。

オノウエ:チェイサーの提案ね(笑)

カンノ:チェイサーミュージック(笑)9%のアルコールを飲んだあとに家系ラーメン食ってる状態ですから。

オノウエ:なるほどね。そしてこの例えは正しいのか…?(笑)

YOU:以前もこういう話をカンノしてたよね。「アルバムの捨て曲みたいなものも結構大事にしたほうがいいよね」みたいな。

カンノ:クチロロの『ファンファーレ』の中間にある曲たちは本当にチェイサーですよ(笑)

YOU:フフッ。

カンノ:あのアルバムは頭とお尻はすごく美味しいラーメンとかお酒が並んでるんだけど、間の楽曲が本当に水みたいなんだよね(笑)その塩梅が好きなんだよね。そういう聴き方の提案でございます。

f:id:someofthem:20230104123944j:image

Radio OK?NO!! Podcast #069「NUMBER GIRL」特集文字起こし(後編)

宅録ユニット・OK?NO!!の上野翔とカンノアキオでSpotifyで聴けるポッドキャスト番組『Radio OK?NO!!』を配信しています。こちらではその文字起こしを前編、後編に分けて掲載します。今回は先日の解散ライブを見に行った興奮冷めやらぬままにNUMBER GIRLの思い出を語ったNUMBER GIRL」特集の文字起こし(後編)を掲載します。(前編)は下記リンクから。

 

Radio OK?NO!! Podcast #069「NUMBER GIRL」特集音声は下記リンクから。ポッドキャスト登録を是非、よろしくお願いします!

 

 

カンノ:では続いて私の選曲の2曲目です。お聴きください、NUMBER GIRLで「日常に生きる少女」

カンノ:ラストライブを見て一番カッコよかったところは、4人がただ大きい音を出すところだったんですよ。

上野:この曲もすごいもんね。

カンノ:ただ大きい音を出す場面っていろんな曲であるじゃん。そのなかでも一番尺が長かったのはこの曲だったかな。これは一緒に行った友達とも喋ったんだけど、4人全員が大きい音を鳴らしていて、でもそれによるバンドアンサンブルって普通起こると思うんだよ。それがアンサンブルになってなくて、ただ4人が大きい音を出してるんだけど一切混ざっていない瞬間が何回かあったんだよね(笑)

上野:フフッ。

カンノ:ただ4人が大きい音を出してるだけでなにも混ざっていない訳のわからない感覚になって(笑)

上野:それすごいよね。でもそれが気持ち悪い感じでもないんでしょ?

カンノ:っていうか「めちゃくちゃNUMBER GIRLを見てるぞ!」っていう感覚だったかな。

上野:あ~。「これこそNUMBER GIRLだ!」っていうことね。

カンノ:ただ4人が大きい音を出す、それでいい。

上野:面白いな~。

カンノ:その尺が一番長かったのが「日常に生きる少女」だったと思います。多分、どのライブ音源やライブ映像に収録されているものよりも一番長いんじゃないかな、あのノイズパートは。で、そのあとに向井がすごくテンションを落としたギターを弾くじゃん。で、これが向井秀徳の表現の巧みさというか、「曲から情景をどう伝えるか?」っていう話だと思うんだけど、この向井のギターだけになるパートでこのあとに「寒い日にコートを着る人は多い」という歌詞になっていくんだけど、もう頭がバグってるからそのときに急に「このあと、なんか冬のことについて歌う気がする」って思ったんだよね。

上野:それは全員知ってるんだけどね(笑)

カンノ:多分、向井さんが冬のことについて歌う場面がすごい好きなんだよね。ZAZENで「WHISEY&UNUBORE」っていう曲が あるじゃないですか。あの曲からすごく冬感を感じたりするのよ。

カンノ:ライブだと向井さんとカシオマンがギターで音階をなぞりながらハモったりするじゃん。そういうのを終えた後の冬感とか。「日常に生きる少女」だと4人で大きい音でバーンと長尺鳴らし終えた後の向井さんのギターから感じる冬感とか。

上野:冷たい感じね。

カンノ:そしてコートを着込んで歩く人の情景。歌詞として言葉が出る前からその風景を感じ取れること、それは作詞をする者にとって、その感覚はどうやったら掴めるものなのか?そういうことを思いましたね。まぁ、この曲におけるライブでのハイライトはめちゃくちゃ身体が伸びる人形ですよね(笑)

上野:なんか見ましたよ、それ(笑)

カンノ:あれで遊んでるんだよ(笑)

カンノ:でもそういうことで遊び切ったあとに、あの冬感を感じるギターの音を聴くと「寒い…」っていう感覚。僕、もともとパーカー着てたんですよ。まぁ、椅子もあるしライブハウスみたいな暴れ方もできないし、ゆっくり見ることになるだろうと思ったんだけど、4~5曲目くらいでパーカーを脱いでTシャツ1枚になってたんですよ(笑)で、「日常に生きる少女」のときに「あっ、寒いかも。冬。Tシャツ1枚だ」って気が付いて(笑)体感と曲と脳内での解釈とかが全て合致した音楽体験って今後もそうそうないだろうなと思ったんですよね。

上野:今日はずっと羨ましいな~(笑)

カンノ:「曲だけ楽しい」とかそんなもんじゃないんだよね。もっと立体的に楽しかったんだよね。たとえば音楽を聴いてるのに、それが味覚で感じる場合とか匂いで感じる場合とかあると思うんだよね。僕はそのときは温度感でしたね。

上野:では次、僕の選んだ曲です。NUMBER GIRLで「水色革命」

上野:この曲は初期楽曲ですけど、メジャーデビュー以降はいわゆる向井さん用語で言うところの「キワキワ」なバンドになっていくと思うんだけど、それ以前のちょっと甘酸っぱい感じみたいな。言葉として合ってるかわからないけど、いわゆるギターポップ的な青さがすごいある曲で僕は大好きなんですけど。この曲って再結成しなかったら演奏してなさそうだよね。基本的には自分のセットリストから外すよね。それを再結成してからのライブは大体演奏してるんじゃないかな。それが個人的にすごく嬉しくて。

カンノ:昔のNUMBER GIRLってこの曲の2番削ってたじゃん。それが復活以降はほぼフル尺に戻したでしょ。

上野:それをあの年齢のNUMBER GIRLがやっているのはキュンと来るよね。

カンノ:あの曲、キュンと来るのに歌詞に放送禁止用語が入ってるんだよな~。

上野:アハハハハッ!

カンノ:そんな言葉、サビに入れるなよ(笑)

上野:これもラストライブでやったんだよね。

カンノ:やりましたね。あの曲と「喂?」をやったのは嬉しかったな~。

上野:「喂?」もやったのか!羨ましいな~!

カンノ:「水色革命」はまだしも「喂?」はレア曲でしょ。

上野:再結成後のライブでもほぼやってないんじゃないかな。

カンノ:俺はバンドをやれるなら「喂?」と「水色革命」をやりたいんだから(笑)

上野:めっちゃわかるな(笑)

カンノ:ということでNUMBER GIRLについてたくさん喋りました。もう3週はできるね。

上野:これ、ただの居酒屋トークだけどね(笑)

カンノ:最後くらい居酒屋トークさせてくれないかな?それまで俺、めっちゃ頑張っていろんなカバー曲聴いたんだよ!

上野:本当にありがたいんだけど、誰にも頼まれてないからさ(笑)

カンノ:ということでNUMBER GIRLの話をたくさんしました。解散後は正直僕はロス状態だったので。ナンバガロスで、ナンバガの音源を聴くってことがなかなかできなかったんですが、やっと正常に戻ってきたので、「OMOIDE IN MY HEAD」をラストライブの初っ端に持ってきたわけですから、思い出に浸らずに、4人も引き続き音楽活動していますから、それも追っていかなきゃなと思うところで、「透明少女」を4回演奏したんですよ。

上野:そうらしいじゃないですか。

カンノ:だから4回流そうかなと思ったんですが。

上野:このあと4回連続で違うライブ音源の「透明少女」を(笑)

カンノ:まぁ、これから流す1回を4回分として「透明少女」を聴こうと思います。今年も『Radio OK?NO!!』ありがとうございました。それでは最後の曲。女将さん、お会計。「透明少女」

f:id:someofthem:20230102124618j:image

 

『Radio OK?NO!!』はパーソナリティーの上野翔とカンノアキオが、最新J-POPやちょっと懐かしい曲をクイズやゲーム、時には曲同士を戦わせつつ(?)、今までになかった音楽の切り口を発見しようとする音楽バラエティ番組です。感想は是非「#okno」をつけてツイートしてください!お問い合わせはメール:radiookno830@gmail.com まで。

サムオブ井戸端話 #074「『KICK BACK』と対比する”いなたい”という価値観」(前編)

SOMEOFTHEMのメンバーであるカンノアキオ、オノウエソウ、YOU-SUCKで音楽にまつわる井戸端話の文字起こしを毎週アップします。

 

米津玄師の「KICK BACK」を初めて聴いたとき、あまりの情報量の多さに爆笑したカンノメンバー。情報量の多さが重宝される昨今のJ-POP界において、「この曲を頂点にもうそういう曲を聴くことをやめませんか?」という余計なお世話と"いなたい"という価値観を提案してみました。

 

 

カンノ:米津玄師さんの「KICK BACK」って曲があるじゃないですか。最初にあの曲を聴いたとき爆笑したんですよね。

オノウエ:フフッ。

カンノ:すごすぎてね。情報過多具合が半端ないというか。秒毎になにか起きてるじゃん。

YOU:速いよね。

カンノ:「努力 未来 A BEAUTIFUL STAR」という歌詞はもちろん、こういう曲を米津玄師が歌うこと、アレンジャーにKing Gnuの常田さんがいること、そして「何曲分なの?」っていうくらいの展開具合。それが目まぐるしくて笑っちゃうんですよね。1曲のなかに何曲分の要素があるっていうのは僕らが知ってるところでいうとヒャダインがやった芸ですよね。

カンノ:「KICK BACK」は1曲のなかにマキシシングル分の楽しみは入っているよね。途中ストリングスだけになる箇所とかすげえ笑っちゃうもんな。「何で?」っていう(笑)

YOU:あの曲は「米津玄師ってこんな声出るんだ」って思ったね。それでクレジット見たら常田が関わっていてビックリしたね。

オノウエ:たしかに「KICK BACK」は展開も要素も多いけど、取り立てて「すごいな~」という印象でもないかな。その観点で言うならヒャダインのほうが俺は笑っちゃうかな。

カンノ:なるほどね。ヒャダインがシーンに登場してきたときは、まだ僕はあまり理解が追いついていなかったかも。まだ笑えるリテラシーがなかったかな。その流行が続いて今なら笑えるっていう感じかもしれませんね。で、どうでしょうか?この曲を最後にこういう曲を聴くのやめませんか?

オノウエ:相変わらず余計なお世話ですね(笑)

カンノ:もう「KICK BACK」が頂点でよくない?もういいかなって思うんです。で、これを情報量J-POPの一つの頂点と見立てたときに、最近はゼロ年代のギターロックバンドばっかり聴いてるんですよ。音速ラインとかLUNKHEADとか椿屋四重奏とか。

YOU:それは米津と比較できねえだろ(笑)

カンノ:でね、”情報量”というものが価値としてJ-POPのなかで重宝されている時代だと思うんです。それに対して”いなたい”という価値観はどうでしょうか?J-POPに”いなたさ”を求めた聴き方をしてみませんか?

オノウエ:いなたいってどういう意味?

YOU:田舎っぽいとかかな。

カンノ:芋っぽいとかね。洗練されてるというよりはベタっとした感じかな。そういう音楽が僕個人としては最近いいなと思っているんです。

オノウエ:でも、いなたいって相対的な価値観でしょ?「都会に比べて田舎っぽい」ってこととか、「垢ぬけた人に対して芋っぽい」っていうことでしょ。”いなたい”という感覚を自ら目指してやることなのかな?音楽を志す人が「俺はいなたい音楽をやるんだ!」と思ってやることじゃないよね。

カンノ:それはよくないね。

YOU:それはあれだね、「俺は鬱ロックをやるぞ!」っていうことと同じ話だね。

カンノ:「鬱ロックを頑張ります!」

YOU:それは全然ダメだな(笑)

カンノ:矛盾が生じてるから(笑)

オノウエ:「健康のためなら死ねる!」みたいなね(笑)

カンノ:そもそもマルチプレイヤーであることや、一人でなんでもできるとかが僕個人的としてはあまり価値が高いものとして置いてないんだよね。

YOU:一般的に言われているのは、昔と違って今はロックとかバンドとかって金持ちがやる音楽になりつつあるっていう話があるじゃないですか。昔は不良が楽器を持ってバンドを組んで学園祭で演奏するとかあったけど、今はヒップホップが流行ってるからマイク1本でできちゃうみたいな。イギリスとかで起きてるらしいけど、イギリスって階級社会だから、上層クラスの人が授業の一環でバンドとかできちゃうから、それでエリート集団みたいなバンドがいっぱいいるらしいんだよね。労働者階級のバンドが出てこなくなってるという。

カンノ:これもよく言われるけど、実家が太いかどうかとかさ。

YOU:そうそう。それは露骨にあるよね。

カンノ:家に楽器がいっぱいあるとか、いつでも楽器を鳴らすことができる環境下にあるとかに「強さの差ってあるよな」と思っちゃうよね。楽器を始めた親が音楽を好きで居続けて、子にレコード聴かせたり、ギター教えたりするっていう流れはあるもんね。ミュージシャンのインタビューとかで「親のレコードを聴いて」とか「親の楽器を借りて」とかって、2人に1人くらいは喋ってるじゃん。「家にレコードがある」っていうことがそもそも資本だし、もう差がついてるっていう話だからさ。

YOU:その一方で米津玄師ってボカロPだから、インターネット側の人じゃん。これの捉え方って「一人でなんでもできる」ではなくて、「一人でできることをやる」ってことだと思うんだよね。だから米津を「資本や知識があって一人でなんでもできるエリート」って思っちゃうと捉え方が難しくなっちゃう気がするかな。

カンノ:なるほどね、そもそもの捉え方の話ね。

YOU:ただ、カンノの言いたいこともわかる。J-POPアーティストがみんな洗練されて技巧派になってるなかで、「シンプルな音を鳴らすバンドです」っていうことを表明するバンドがあまりいなくなってるよね。

カンノ:実質すべてを一人でやれちゃう環境にあるから、なんでもできるっていう見え方になるんだろうね。

オノウエ:バンドを組んでないから、一人でなんでもやらなきゃしょうがないもんね。

YOU:元も子もないけどね(笑)

カンノ:一人で作れて社交性のある人が強いってことだね。バンドという結束がないぶん、横のつながりで即席のユニットなり楽曲提供なりプロデュースなりがバンバンできる身のこなし方ができる人がとても強い時代だなって思うかな。そういうことを思うなかで、これは相対的な見方になっちゃうけど、そのうえでガチガチに一方向の音楽しかやってない人が好きということですかね。

f:id:someofthem:20221228102758j:image

Radio OK?NO!! Podcast #069「NUMBER GIRL」特集文字起こし(前編)

宅録ユニット・OK?NO!!の上野翔とカンノアキオでSpotifyで聴けるポッドキャスト番組『Radio OK?NO!!』を配信しています。こちらではその文字起こしを前編、後編に分けて掲載します。今回は先日の解散ライブを見に行った興奮冷めやらぬままにNUMBER GIRLの思い出を語ったNUMBER GIRL」特集の文字起こし(前編)を掲載します。

 

Radio OK?NO!! Podcast #069「NUMBER GIRL」特集音声は下記リンクから。ポッドキャスト登録を是非、よろしくお願いします!

 

 

カンノ:今年の振り返り系は前回まででやり切りましたね。自分たちの好きな曲を一切流さずに…、いや、好きですよ(笑)

上野:「興味のある」という意味での好きね(笑)

カンノ:interestingな曲に賞をつけてお送りしましたね。

カンノ:そして今年のラストは自分たちがただ好きな曲を流す回をやりたいなと思います。

上野:締めくくりはそれでいきましょう。

カンノ:ナンバーガール

上野:シンプル(笑)

カンノ:今回の特集の名前は「NUMBER GIRL」特集です(笑)

上野:各所で山ほどやられている特集ですね(笑)

カンノ:12月11日にNUMBER GIRLが「無常の日」というワンマンライブをもって再解散しました。そのライブ、私見に行きました!

上野:行ったんですね。

カンノ:前から15列目でした。

上野:羨ましい!

カンノ:田渕ひさ子側でしたね。上手側ですね。もちろんデカいスクリーンもあるんですが、ほぼ肉眼で見ました。

上野:ラストライブを肉眼で。

カンノ:いや~、3回泣いたかな。

上野:アハハハハッ!

カンノ:ライブ本編で3回泣いて、そのあと一緒に行った友達と飲み屋に入って、上野も合流して、そこでもう1回泣いて、帰りの東横線でも泣いたので、計5回泣いたかな。

上野:一緒に合流して飲んでたら泣いてるんだもん(笑)泣きすぎですよね。

カンノ:だってNUMBER GIRLを見た人生になったからね。

上野:そうだよね。羨ましい。

カンノ:上野君もナンバガは見ましたよね。

上野:僕はeastern youthのツーマンライブを見ましたね。『FUN CLUB』というイベントを日比谷野音で。

カンノ:この企画を嬉々としてやろうと思ったんだけど、いざやろうとすると「いや~」しか言えなくなっちゃうね(笑)

上野:ライブの興奮を思い出しちゃってね(笑)どうだったんですか、ラストライブは?

カンノ:NUMBER GIRLってめちゃくちゃライブ音源出してるじゃないですか。サブスクでも聴けるし。でも、この2週間くらいは聴けなかったね。

上野:逆にね。

カンノ:なんか聴いたら冷めちゃう気がしてね。あれだね、最初の解散後に知ったバンドなのにもう老害みたいな感じになってる(笑)

上野:この番組って基本音楽を茶化す姿勢なのに、いざ自分たちの好きな音楽の話になるとなにも喋れなくなるっていう(笑)

カンノ:本当に好きな子にはなにも喋れないのと一緒だね(笑)

上野:イタズラすらできない(笑)

カンノ:そして1曲目を流すタイミングを失っている(笑)ということで今日はお互い2曲ずつNUMBER GIRL楽曲を選曲しまして、その思い出について語る回をやりたいなと思います。今日はただざっくばらんにNUMBER GIRLの話をして今年を終えたいなと思います。まず1曲目に「OMOIDE IN MY HEAD」を流したいなと思います。この曲をラストライブのほぼ初っ端で演奏したんですよ。3曲目くらいかな。で、2回目来るかと思ったら来なかったんですね。ということで、「思い出にするなよ!」とのメッセージと受け取りまして、これを1曲目で聴きたいなと思います。NUMBER GIRLで「OMOIDE IN MY HEAD

カンノ:これは曲紹介する前に説明するべきだったんですけど、今回は全曲ライブ音源です。そんな大事なことを興奮のあまり言うの忘れていました(笑)

上野:今日は落ち着いてないですね~(笑)

カンノ:あと「感傷に浸るな」とか「思い出にするなよ!」みたいなメッセージを受け取った話は、曲紹介したあとに話すべきでしたね(笑)曲を流す前に言いたいことだけ喋って、言うべきことを言い忘れました。

上野:順番を間違えまくったってことですね。

カンノ:今日は僕はそういう情緒なんですよ、今NUMBER GIRLについて喋ると。

上野:そうだね(笑)「OMOIDE IN MY HEAD」は何度も聴きましたし、高校のころ軽音楽部でカバーもしました。

カンノ:そうでしたね。ラストライブの話でいうと、最初のノイズはこの曲かな。頭の部分ね。まずそれで耳がおかしくなりました(笑)

上野:会場はどんな感じでした?

カンノ:Twittrで見る限り「めちゃくちゃ音響よかった」みたいな話はよく聞きますね。多分それは後ろのほうとか2階席、3階席とかの人たちもちゃんと聴けたっていうことだと思うんだけど、前から15列目は関係ないですから。

上野:音の良さとか関係ない(笑)

カンノ:「ドカーン!」と来るだけですから(笑)NUMBER GIRLと僕の耳が終わりました!

上野:でも良いな~!NUMBER GIRL聴いて耳終わりたいよね~!

カンノ:超最高でした。

上野:僕は野音なので、音が抜けるんだよね。野音自体も音が良い会場じゃないから、逆に「意外とNUMBER GIRL音いいな」って思っちゃうくらいだったんだよね。NUMBER GIRL聴いて翌日耳鳴りみたいな経験は羨ましいよ。

カンノ:最初は「アリーナだとどうなんだ?」とは思ったんだよ。ライブハウスは狭いから当然楽しめるのはわかってるけどさ。「アリーナでNUMBER GIRL楽しめるかな?」とは思ったんだけど、関係なかったですね。

上野:最高じゃないですか(笑)そのなかで「OMOIDE IN MY HEAD」が聴けるんだもんんな~。

カンノ:ということで「感傷に浸るな!」というメッセージを受け取りつつ、感傷に浸りたいなと思います(笑)ここからは交互に選曲した曲を聴きつつ、NUMBER GIRLの思い出話をしたいなと思います。まずは私からです。私の2曲はラストライブで印象的だった2曲を紹介します。まずはこちらお聴きください。NUMBER GIRLで「TATTOOあり」

カンノ:あんまりこういう経験をしたことなかったんですけど、音の1発の説得力とでも言いましょうか。

上野:イントロのリフとかね。

カンノ:そう。ひさ子さんのギターの頭1発目の音で「うわぁ~!」ってなっちゃった。「あ~、あ~あ~。あ~!」ってなっちゃったの。

上野:全然説明になってません(笑)大声を出しているだけです(笑)

カンノ:ほかの曲は普通に楽しく最高な気分になれたんだけど、「TATTOOあり」のひさ子さんの1発目の音で喰らっちゃったんだよね。もう完全に天を仰いで泣いてましたね(笑)「あ、もう俺ダメだ…」と思ったし、横にいた友達も「あ、カンノ、ここでダメになってる」と思ってたみたいです(笑)

上野:ひさ子さんのギターリフの音もそうだし、ソロの音もそうだし、「このギター弾きてえ!」と思わせる音だよね。

カンノ:音で説得力を感じる経験があんまりなかったからさ。持ってかれたよね。まぁ、この手の話はよくある話だけど、本当にあるんだなって思ったよね。

上野:羨ましいな。今日はずっと「羨ましいな」しか言えません(笑)

カンノ:「TATTOOあり」はライブでは結構後半に演奏した曲だから、それまでは「いつ来るかな?」とずっと思ってたんだよね。

上野:演奏しないわけないもんね。

カンノ:札幌のラストライブのときはわりと序盤に演奏した曲だからね。

上野:ライブは全何曲演奏したんだっけ?

カンノ:31曲。

上野:31曲!?

カンノ:オールタイムベストアルバムでもこんなに入らないよ。

上野:そうだね(笑)じゃあ次僕が選んだ曲です。NUMBER GIRLで「NUM-AMI-DABUTZ」

カンノ:「NUM-AMI-DABUTZ」は「これはどう捉えればいいんだろう?」って一瞬悩みつつも、やっぱりキャッチーだよね。

上野:僕はNUMBER GIRLより前に先にZAZEN BOYSを知って、そこから後追いで辿ったんだよね。

上野:だから逆にすんなりと入ったんだけどね。

カンノ:ZAZENの0枚目みたいな感じだよね、NUMBER GIRLのラストアルバム『NUM-HEAVYMETALLIC』は。

上野:とはいってもMV含め意味わからないし、「これはなんなんだ?」とは同時に思ったけどね。

カンノ:じつはNUMBER GIRLの最初の解散前にチラッと音楽チャンネルで「NUM-AMI-DABUTZ」のMVは見たことあるんだけど、小6の感性じゃあれは怖かったね(笑)キモかった!

上野:テーマパークにいるピエロって怖かったりするじゃん。あの感じで向井がずっと怖かったんだよね(笑)

カンノ:後ろのセットの顔のパーツがない顔とかね(笑)

上野:あと配色も訳わからないし。

カンノ:あと画質ね。

上野:そしてこの歌唱法もわからないしね。

カンノ:ラップなのか、歌なのか。あと途中でめちゃくちゃ叫んでるし。まともな歌箇所が一つもないよね。

上野:あとはNUMBER GIRLは全曲そうだけど、特にこの曲はギターの音が圧倒的にかっこいいですね。ラストライブではどんな感じでした?

カンノ:なんだったかな…?「若手筆頭バンド、NUM-AMI-DABUTZの登場だ!」みたいな前口上だった気がするかな(笑)

上野:再結成してからこの曲はそういう扱いだよね。

カンノ:ショーパブとか、素人モノマネ番組とかだよね。「3週目突入、NUM-AMI-DABUTZの登場だ!」みたいな。擬人化扱いだったよね。

上野:そういうMCで始まってたね。

カンノ:そういう派手感はあるよね。あのMVの配色もそうだけど、原色すごい使ってるけどくすんでる感じって、浅草とかショーパブみたいな昭和芸能界の香りを感じさせるんだよ。

上野:『NUM-HEAVYMETALLIC』は和っぽい曲が多いもんね。このアルバムはさっき「ZAZENの0枚目」みたいな話もしたけど、ほかのアルバムに比べてちょっと異質だもんね。ラストライブでも全体のセットリストに比べると演奏された曲では少な目だもんね。そんななかでも「NUM-AMI-DABUTZ」はやり続けてるよね。

f:id:someofthem:20221227154553j:image

 

『Radio OK?NO!!』はパーソナリティーの上野翔とカンノアキオが、最新J-POPやちょっと懐かしい曲をクイズやゲーム、時には曲同士を戦わせつつ(?)、今までになかった音楽の切り口を発見しようとする音楽バラエティ番組です。感想は是非「#okno」をつけてツイートしてください!お問い合わせはメール:radiookno830@gmail.com まで。

Radio OK?NO!! Podcast #068「Radio OK?NO!! AWARD 2022」特集文字起こし(後編)

宅録ユニット・OK?NO!!の上野翔とカンノアキオでSpotifyで聴けるポッドキャスト番組『Radio OK?NO!!』を配信しています。こちらではその文字起こしを前編、後編に分けて掲載します。今回は毎年恒例、この番組で流れた曲に勝手に賞をつけて贈る「Radio OK?NO!! AWARD 2022」特集の文字起こし(後編)を掲載します。(前編)は下記リンクから。

 

Radio OK?NO!! Podcast #068「Radio OK?NO!! AWARD 2022」特集音声は下記リンクから。ポッドキャスト登録を是非、よろしくお願いします!

 

 

・BEST English ver.賞

カンノ:この番組でも企画でやりましたね。J-POPアーティストが自身の曲をEnglish ver.としてリイシューして出してるよと。

カンノ:オケはそのままで、歌詞を英語にしたものを本人が歌っている楽曲がサブスク以降増えているという話ですね。そういう曲が今年もリリースが多かったんですが、このBEST English ver.賞はそのなかで一番良かった曲に贈ろうと思っております。でね、このポッドキャストを収録する前日までに贈ろうと思っていたのは、優里の「ドライフラワー Chinese ver.」でした。

上野:ほお。

カンノ:「それはEnglish ver.じゃないじゃないか!」というツッコミも想定内です(笑)「いやいや、English ver.と言っといてChinese ver.じゃねえか!でも優里さんも中国語で歌っててすごいね」という話をしようと思っていたんです。

上野:そうですよね。このEnglish ver.賞は僕も優里さんが受賞すると思っていましたよ。

カンノ:「ドライフラワー」はEnglish ver.もあるので2連続で流すという手もありますけどね(笑)

カンノ:ここでまさかの最後の最後にまくって優里さんを2番手に落とし、1位に躍り出た楽曲がございます。なのでこの曲だけまだ番組で流したことはありません。前日に急に知ったので(笑)ということで、急にまくって追い抜いた曲を聴いてもらいたいと思います。瑛人で「香水 Thai ver.」

カンノ:ということで瑛人「香水 Thai ver.」がBEST English ver.賞を受賞です、おめでとうございます!

上野:もう僕たちは戻れないところまで来てると思うんですよ。自分の好きな曲は選考基準から外れてるから選べないって言った人が、瑛人の「香水 Thai ver.」は選考基準を捻じ曲げてでも入れるっていうさ(笑)

カンノ:瑛人を可愛がっている自分に今、気付きました(笑)この曲は11月23日にリリースされていますね。これはビックリしましたね。

上野:英語や中国語はありましたが、タイ語で来ましたね。なんでタイ語なんだろう?

カンノ:僕この曲にあまりにビックリしてツイートしたんですよ。そうしたら知人からリアクションがありまして、その人もこの曲にビックリしたらしいんですよ。で、この曲をタイ人の友人に聴かせて感想をもらったらしいんですね。

上野:おぉ、面白そう。

カンノ:でね、その知人の人が「これはタイ語に聞こえますか?」と質問したら、タイ人の友人は「正直なところ、いくつかの単語しか理解できません」とのことでした。

上野:アハハハハッ!

カンノ:「なので文法や意味は聴いただけでは理解できません。しかし、タイ語はアクセントが難しいので仕方ありませんと思います。でも彼の歌声は素晴らしいし、メロディも私はかなり好みですよ」との返答をもらえたみたいです。つまり、タイの人が聴いてもさっぱりわからないらしいです!

上野:なるほどね(笑)感覚的には日本語で歌われてるのと一緒ってことね。

カンノ:ただ僕らもタイの人も、瑛人さんの素朴な歌声に惹かれている観点は一緒っていうことです。「香水」は国境を超えています。言語感覚はわかりませんが。「ドルチェ&ガッバーナ」とも歌ってないですからね。「ドルチェ&ガッバーナ」ってタイっぽく歌える気もしますが。ということでBEST English ver.賞は瑛人で「香水 Thai ver.」でした(笑)

上野:この賞が一番難しいね(笑)

 

・BEST AI賞

カンノ:2022年にリリースされたなかで、一番AIっぽかった曲を紹介します。

上野:AIっぽかった曲ね。アーティストじゃなくてね(笑)

カンノ:あっ、ちょっと語弊がありましたね。アーティストです(笑)

上野:そうですか(笑)

カンノ:この番組では「平井大AI」特集っていうのをやりました。

上野:もう言ってるじゃねえか(笑)

上野:AI関連の特集は平井大でしかやってないんだよ(笑)

カンノ:この番組はサイエンステクノロジー番組ですから。

上野:全然違うから(笑)

カンノ:一番テクが出ている曲を紹介します(笑)「テクだな~」っていう曲ですね。

上野:そんなのでっちあげだよ(笑)

カンノ:そのAI具合がわかりやすいように、これは2曲連続で聴きたいなと思います。それでAIっぽさというものを皆さんにも体感してもらえたらと思います。ということでBEST 平井大AI賞はこちら!「小さな丘の木の下で」と「「いつも通り」のキセキ。」の2曲連続でどうぞ!

カンノ:どうですか?合致率は何%でしたか?

上野:85%です!9割近いです(笑)マジですごい。

カンノ:爆笑ものですよね(笑)

上野:どういう仕組みなんだろう?

カンノ:「公園の先~♪」はどっち?

上野:もう今のどっちなのかわからないもん(笑)

カンノ:ギターをアルペジオで爪弾いて同じようなメロディで歌われたら平井大AIですから(笑)

上野:いや~、本当にすごい。この2曲は本当にAIだよ。BEST AI賞はこれしかないよ(笑)

カンノ:来年のAI賞は誰が受賞するんでしょうかね。

上野:AIってそういう使い方じゃないからね(笑)

カンノ:なにがビックリってこの2曲が同じアルバムに入っているからね(笑)

上野:これは本当にあった怖い話ですよ(笑)

 

・Radio OK?NO!! AWARD 2022 大賞

カンノ:というわけでこれまで、浜崎あゆみさん、遊助さん、ジャンクフジヤマさん、瑛人さん、平井大さんという流れで来ましたが。

上野:平井大でやっとオリジナル曲が来たと思ったらAIの曲でしたね(笑)

カンノ:「オリジナルとは?」という問いかけをされてしまいましたね(笑)ということで5つの賞を計6曲で紹介してきましたが、最後は大賞の発表です。今年大変お世話になった曲を大賞にしたいなと思います。この曲はこの番組でいうと「May J.デュエル」「頑張れ!山下達郎」特集、「サブスクで聴ける山下達郎」特集、「シティポップカバー」特集の計4回流れております。

上野:この曲には大変お世話になりましたね(笑)

カンノ:この曲があったから僕たちはこういう音楽お喋りができてると言っても過言ではないです。そして、今回この曲を流すことをもって、この曲を出禁にしようと思います(笑)

上野:殿堂入りですね!

カンノ:もう流しません!

上野:神に誓って言えますか?

カンノ:ライドーン!

上野:来年ド頭に流してる可能性がありますね(笑)

カンノ:「来年ド TIME」ということですね?面白いこと言いますね。

上野:言ってねえんだよ(笑)

カンノ:ということでRadio OK?NO!! AWARD 2022 大賞の曲を聴いてお別れです。May J.で「RIDE ON TIME

f:id:someofthem:20221225094056j:image

 

『Radio OK?NO!!』はパーソナリティーの上野翔とカンノアキオが、最新J-POPやちょっと懐かしい曲をクイズやゲーム、時には曲同士を戦わせつつ(?)、今までになかった音楽の切り口を発見しようとする音楽バラエティ番組です。感想は是非「#okno」をつけてツイートしてください!お問い合わせはメール:radiookno830@gmail.com まで。

サムオブ井戸端話 #073「NUMBER GIRLと菊地成孔から”散り際”を考える」(後編)

SOMEOFTHEMのメンバーであるカンノアキオ、オノウエソウ、YOU-SUCKで音楽にまつわる井戸端話の文字起こしを毎週アップします。

 

NUMBER GIRLと菊地成孔から"散り際"について考えるサムオブメンバー。後編では解散後の人生の長さやコミュニケーションを円滑に回せるようになったことで再結成に至るバンドが増えたことや、トリビュートアルバムから"散り際"ついて考えました。前編は下記リンクから。

 

 

カンノ:再結成は増えたよね。最近だとELLEGARDENがトピックとして大きいね。

YOU:エルレの話でいうと、最近のSpotifyYouTubeの広告で、ELLEGARDENのトリビュートアルバムを聴いた女子高生が流れでELLEGARDENを聴いてたら、お父さんが部屋に入ってきて「お前がエルレを聴くようになるなんて…!」と感極まって涙流したっていうやつがあって(笑)

カンノ:アハハハハッ!

オノウエ:このCMは「エルレは父親世代を代表するバンド」みたいなことになってるよね。

YOU:エルレを聴いていた世代で女子高生の子どもがいる人は少ない気がするし、プロモーションは間違ってる気がするんだけどな(笑)その解散とか再結成みたいな話でいうと、昔のバンドとかありがちだけどさ、20代や30代で解散して別のプロジェクトをやる人って多いじゃないですか。ハードロックのバンドとかってメンバーは全員変わって屋号だけ残るみたいなこととかもあるわけで。ようはバンドの維持コストってめっちゃ高いからパッと解散しちゃうってことなんじゃないかと思うのだが。

カンノ:それを物語的に言うと「バンドって青春だから」みたいな言い方になるよね。

YOU:そうそう。その勢いでバンドをパッと解散させるんだけど、そこで別の問題が起こるの。バンドを解散したところで、そこから人生はまだまだ長いんだよね(笑)

カンノ:たしかに長いよな~。

YOU:だからこそ再結成という選択肢が出てくるんじゃないかな。人間的に角が取れてさ、コミュニケーションができるようになってきて、「またバンドやろうぜ」って言えるんじゃないかと。だから再結成は増えてる感じがするのかなと思うんだけど、その一方で頑なに再結成しない人もいるよね。BLANKEY JET CITYとかTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTとか。絶対にやらないじゃん。あれはあれで美学を感じるよね。

カンノ:改めてやる選択をするのも人間だし、頑なにやらない選択をするのも人間だなって思うね。どっちの気持ちもわかるよね。

オノウエ:NUMBER GIRLの実動って7年くらいで、メジャーデビューしてからは3年でしょ。それで解散するじゃん。多分、解散したあと全員「ヤバい」って思ったんじゃないかな。若いから勢いで解散するじゃん。でも解散してからの人生は長いんだよ。仮に自分がその立場だったらと考えたら「ヤバいな」って思っちゃうな。実際に大友良英がGROUND-ZEROというバンドを解散したときは1ヶ月間ずっと家にこもって漫画を読むことしかできなかったらしいし。だからそのあとに組むバンドに関しては柔軟になっていくんだろうね。ZAZEN BOYSもメンバー変わっても続いてるし。そういう感じで自分の音楽と人生に折り合いをつけていくんだろうね。

カンノ:NUMBER GIRLはさ、「続けないことが正解」っていうことが演者もファンもスタッフも薄々気付いているのがいいよね。「これは期間限定だな」っていうことを喋らないで伝えることが大事だなって思うの。「ここまでです」っていうことを言わないでやってくれたのはよかったね。その線引きの仕方が向井さんはめっちゃうまいなって思った。

オノウエ:それは俺も思ったな。あと解散発表をしたときも「まぁ、やっぱりそうだよな」って自然に思えたね。

カンノ:僕はちょっとホッとしましたね。正直に言うと「新曲が出ないでよかった」と思ったかな。「新曲聴きたかったけど、出さないという手だよな」と思ったね。

オノウエ:たしかに、それもそうかもね。そういうところに美しい美学を感じるよね。

カンノ:J-POPをとおして、美学を感じる場面がちょっと少ないかな。

YOU:フフッ。

カンノ:音楽に情報が多いんだよな。それってサービス性の塊なんだよ。「こういう気持ちにさせたい音楽」っていうのがガバガバで出ちゃってるじゃない。そういうの、もう嫌なの。

オノウエ・YOU:フフッ。

カンノ:「お客様のために」みたいな音楽はもういいの、別に。「そのミュージシャンが本当にやりたい音楽をやれば、それを聴きたいと思うリスナーが勝手についてくる」ということの大成功例がNUMBER GIRLだったと思うからさ。エルレのトリビュートの面子、見てみなよ。サービス業じゃん。

YOU:そんなこと言ってやんなよ(笑)我々の世代のトリビュートアルバムの金字塔ってthe pillowsの『SYNCHRONIZED ROCKERS』じゃないですか。

YOU:いつか「トリビュートアルバム特集」みたいなことをやってもいいと思うんだけどね。

カンノ:僕らからすると、ピロウズのトリビュートが中学2年生のころにリリースされたけど、すごい衝撃だったよね。

YOU:めちゃくちゃいいもんね。下手したら原曲超えてくると思えるような曲もあるし。

カンノ:あとあれは興行として100点だよね。「トリビュートアルバムは興行だ」という認識がどれだけあるのかっていうさ。このエルレのやつは全然興行になってないよね。

YOU:「今、流行っている人」という人選だもんね。

カンノ:見たいマッチメイクが一つもないじゃん。

YOU:見たい意外な組み合わせや事故がないよね。こっちはPOLYSICKSの「チェリー」のカバーみたいなのが聴きたいからさ(笑)

カンノ:人選を担うのがレコード会社なのか事務所なのかよくわからないけど、そういう観点のトリビュートが最近はあまり見られないよね。

YOU:音楽業界にお金がないんだよ。

オノウエ:やっぱりそこに戻っていくのかな~(笑)

YOU:散り際話でいうと、bloodthirsty butchersがいるじゃないですか。ボーカルの吉村さんが亡くなったあとにラストアルバムとトリビュートアルバムが出たんだよね。

YOU:あのトリビュートが本当に良くて、それはやっぱりbloodthirsty butchersというバンドの曲が全曲あまりにも良すぎるからだよね。亡くなっちゃってるから”散り際”という言葉はあんまり使わないほうがいいのかもしれないけど、あのラストアルバムとトリビュートアルバムは一つの理想な気がするかな。

カンノ:世代問わずに本当に好きな人が集まってるかどうかだよね。

YOU:そういうことだよね。オノウエが提示した”散り際”という話題に関しては、悲しいけどどうしてもbloodthirsty butchersのことを思い出してしまいますね。

オノウエ:たしかにそれは一つの形だよね。

f:id:someofthem:20221222113115j:image