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Radio OK?NO!! 第45回「胸キュンしない童子-T特集~前編~」

OK?NO!!の上野翔とカンノアキオで市川うららFMにて『Radio OK?NO!!』を放送しています。ここでは毎週の特集を文字起こしという形で記載します。今回は第45回の2月14放送分、「胸キュンしない童子-T特集~前編」をお送りします。

 

カンノ:今日は2月14日、バレンタインデーですよ。お前、どうなんだよ?クラスメイトから何個チョコ貰ったんだよ?

上野:お前からそんなこと聞かれるの、学生のときもなかったよ(笑)

カンノ:らしくないことを言ってますが(笑)まぁ、こういった恋愛事ね。失恋でもいいでしょう。そういうものと歌というのは切っても切れない関係というか。ほとんどのミュージシャンはラブソングを歌ってきましたよね。

上野:それがメジャーで音楽をやることの意味と言っても過言ではないよね。

カンノ:少なくとも1曲はラブソングという手持ち札はあるよね。それで僕らが思春期の頃、2000年代後半ぐらいのラブソングって、R&Bとかヒップホップのジャンルの人がやることが多かった気がしますね。例えばアンサーソングという手法です。

上野:アンサーソングは多かったね!

カンノ:今、ヒップホップが好きな人が思い浮かべるアンサーソングって、ディスへのアンサーみたいな感じでしょ。こっちの言うアンサーソングって、そもそも男女がフィーチャリングし合ってて、「あなたのこと好きよ♪」「俺もだぜ♪」ってそれを別曲で返す文化のことですよ。

上野:本来的には、ディス曲へのアンサーソングっていう方が合ってるんだけどね(笑)

カンノ:こっちが言ってるアンサーソングは、出来レースアンサーソングですから(笑)

上野:「好きだよ~♪」「好きだぜ~♪」ね(笑)

カンノ:そもそもアンサーソングをシングルで切ることが決まっている出来レースですよ(笑)そういうタイアップで2枚シングル出すことが決まっていた文化ですから(笑)あと着うたね。

上野:着うたもあったね~。

カンノ:そういうものが綯交ぜになって、ヒップホップやR&Bで歌うラブソングがヒットしまくっていたムーブメントが2000年代後半にはあったわけです。その頃にハスキーな声でラップを聴かせていた男性ラッパーがいらっしゃいます。皆さん、童子-Tさんという方を覚えていらっしゃるでしょうか?

上野:童子-Tね!「第3の男」ですよ。

カンノ:アトミックボムクルーですよ。K DUB SHINEさん、DJ OASISさんと一緒にクルーを組んでおりましたね。僕は童子-Tさんが大好きだったんですよ。その2000年代後半の頃の童子-Tさんは甘くハスキーな声で「俺はお前を愛していた」みたいなことをラップしていたんですよ。それがめちゃくちゃ売れていましたが、それ以前は実はハードコアラッパーだったんですね。キングギドラ勢とかと一緒にね。

上野:「第3の男」と言われる所以もそこですよね。

カンノ:というわけで今日は、童子-Tさんのハードコア期を振り返りながら、何故胸キュンなことを歌うラッパーになったのかを探っていく、バレンタインデー特別企画「胸キュンしない童子-T特集」をお送りします!

上野:良いですね~、マジで令和3年に何故この企画をやるのかさっぱり分からない(笑)

カンノ:まずは童子-Tさんの胸キュン代表曲を聴きましょう。お聴きください、童子-Tで「もう一度… feat. BENI

カンノ:久々に聴いたけど良いですね。やっぱりこの曲はサブスクやYouTubeで聴いちゃダメですね。着うたフルで聴きたい。ガラケーで聴きたいね。iモードとかau LISMOで聴きたいよ。

上野:あったな~、au LISMO(笑)

カンノ:そういうので聴きたいよね。

上野:BENIさんもこの曲以前では「安良城紅」名義でしたよね。

カンノ:だからBENIさんもこの曲でブレイクすることになります。で、本題は「何でこうなった?」です(笑)

上野:そうね!そこを振り返っていくという。

カンノ:そうです。童子-Tさんは元々クルーを組んでいました。その名前がZINGIと言います。

上野:ZINGIね!

カンノ:良い名前だ(笑)ってことで曲調がガラッと変わった楽曲を聴いて頂きましょう。ZINGIで「ギャングスター」

ギャングスター

ギャングスター

  • ZINGI
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

カンノ:こちらは94年に発売の『夢』というアルバムに収録されているんですが、実はこの頃に童子-TさんはZINGIを脱退しています。

上野:あっ、そうなの?

カンノ:そうなんです。それでメンバーが足りなくなったということで急遽、ZINGIのセキュリティーをやっていた人がMCで加入します(笑)

上野:ZINGIのセキュリティー?そんなパターンあるの?

カンノ:良いよね、ちょっと危なっかしい状況が見えるよね(笑)あと危なっかしいエピソードが垣間見えるものとして、今日持って来ました。ラッパーであるダースレイダーさんの自伝『NO拘束』です。

カンノ:こちらはダースレイダーさんが脳梗塞になったときの体験を記した自伝なんですが、この本で童子-Tさんが病室にお見舞いに来たエピソードが書かれています。雷家族のDJパトリックさんと一緒にお見舞いに来たんですが、思い出話に花が咲くわけですよ。それが90年代初頭、ZINGIが先輩、それで後発だった雷家族がだんだんと勢いを伸ばしていた頃で。それで西麻布のクラブで雷がパーティーをやっていると聞き付けたZINGIの童子-Tさんは、そのパーティーに殴り込みに行くんですよ。

上野:ほおほお、なるほど。

カンノ:それで童子-Tさんは「お前ら最近、調子乗ってるんじゃねえの?」って(笑)それで雷も「なんだテメエ、表出ろや!」となり喧嘩しようとして外に出た途端、ZINGIのファミリーの面々が待ち構えていて雷をボコボコにするエピソードが書かれてましたね(笑)

上野:アハハハハッ!

カンノ:素晴らしいですよね。良いですか、MCバトルではありません。バトルです(笑)

上野:リアルバトル(笑)リアルファイトだ(笑)

カンノ:そういうクルーに童子-Tさんはいたんですね。そういうところが出身の人が何故甘い胸キュンソングを歌うようになったのか、引き続き見ていきましょう。

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『Radio OK?NO!!』は毎週日曜23:30から放送です!市川うららFMにて、是非お聴きください!インターネットでも下記リンクから聴取可能です!次回の放送は2月28(日)です。お楽しみに!