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最高だと言うために

大学を卒業し、6年経った。
大学時代は中古CD屋に入り浸り、無い金を注ぎ込んで投げ売られているCDからレア盤から買い漁り、悦に入りながら電車に乗り、我慢できずにジャケを取り出し隅々まで読み更に悦に入り(特に日本のパンク盤のSpecial Thanksを見て脳内相関図作るのが好きだった)、リッピングしてiPod Classicにぶち込み聴いたり聴かなかったりした。
 

バンドもやっていたので、色々な人に会いイベントに誘ってもらったり誘ったりして、こんなことずっと続けられたらいいなぁと思ったりしていた。
 

学校には適当な時間に行って、授業に出なかったり出なかったりして、そのくせバイトばっかりやって、しかも偉そうに塾講師とかやって、生徒の心配するまえにてめぇの単位の心配しろよって感じで全くもって本末転倒なのだがちょっとヤベェなと思うくらいなもんで、特に疑問も不安も感じずダラダラしていた。
 

4年生になり、人並みに就活をし就職をし、まぁまぁデカい会社に入り、これでとりあえず人生安泰、仕事以外の時間で今まで通り好きな音楽を聴いてバンドやりながら暮らしていけたらと思っていた。
余裕で出来ると思っていた。
一言で言えば舐めてた。
 

就職してからCDを買う機会が減った。激減した。
当たり前だが、仕事って大変だ。
生活の比重がズレていく感覚と上手く付き合えず、なんか辛いなぁという日々がしばらく続いた。
聴くとしてもこんな感じのもんだ。
“安心して”心酔できる音楽。
“安心して”感動できる音楽。
“安心して”激怒できる音楽。
 

それまでの自分のアイデンティティは、それなりに音楽聴いてるヤツ、だった。
しかし、そうではなくなってしまった。
周りにいるのは会社の先輩。飲み会に行けば話題は当然仕事の話。もっと言えば大体プロジェクトに対する悪口だ。
誰も音楽について話す人なんていないし、たまにカラオケに行ってもネタでチャゲアス歌ってお茶を濁すくらいなもんだ。
 

そういう日々が続くと自分のために音楽を聴くことが辛くなってくる。
元々音楽は自分のためのものだった。そして、いつからかコミュニケーションのためのものになっていた。そして、その役目を終えた。その頃から音楽を聴かなくなった。恐らく4年くらい。
 

しかし、最近また聴くようになった。
きっかけは本当にふとしたもので、たまたま聴いたVTuberの曲だった。
 

YuNi - 透明声彩
 
最高だ、と思った。

そこからVTuberのオリジナル曲を聴き漁り(そんなに数はないが)、プレイリストを作り、ヘビロテし、仕事への行き帰り毎日聴いている。


輝夜月も最高だよね。

富士葵も最高。



なんだ、最高じゃないか。
渋谷系もRow Life系も好きだった自分からすれば、こんなの最高じゃん。だった。


あと、完全にロロロやってるYACA IN DA HOUSE



そしてアズリムの人類みなセンパイ!
人類みなセンパイ! - Single

人類みなセンパイ! - Single

  • アズマ リム
  • J-Pop
  • ¥250


途中からただのVTuber曲紹介記事になった。
なったけれども、きっかけなんて得てしてそんなもんだ。


少なからず、好きだったものから離れている人がいるはずだ。
いや、きっと少なくない数いるはずだ。
そんな人が好きだったものを思い出し、もう一度興味を取り戻すきっかけになれば、なにより嬉しい。


その上で、このサイトは大勢の音楽好き/好きだった人と最高を共有することは目的としない。
まず、扱う題材は音楽に限らない。
もちろん共感出来ない記事もあるだろう。
しかし、雑誌が死に、メディアが乱立したり無くなったり、SNSが隆盛を極めたんだかなんだかの現在、大切なことは瞬間最大風速ではない。 そして、共感ではない。思うこと、考えることだ。


最高だ、と思えない事柄に対し何故そう思うのか。逆に最高だと思っていない相手が何故そう思っているのか。
良い/悪いの間に豊かな場がある。
たとえ小さくとも、豊かな場を作っていきたい。と思っている。


オノウエソウ