セ…セルラ伊藤（絶対忘れるな）
春…DJ春菊
カ…カンノアキオ
4×4=16ライブのリハ終わりで入ったバーミヤンで喋ったことの文字起こしを３つに分けて掲載。その③は鬱モードの音楽が減ったね、お客さん参加型の楽しいライブ、春菊によるフレンズの考察、結局KREVAは凄い！という話。
セ：Syrup16gとかはどう？
カ：鬱ロックは今、難しいと思うんですよね。
セ：今の大学生とかは聴いたりするのかな？
春：全然好きな人は好きだと思うんですけどね。で、平成に遺すみたいなことで言ったら、けみおの「どこまでいっても渋谷は日本の東京」はあると思ってて。俺らが学生の頃の、“鬱”って言葉は病気としての言葉だったと思うの。だけど今の子の使う「病んだ～」とか「鬱だ～」って“鬱っぽい”だと思うのね。
カ：“鬱モード”としての“鬱”という言葉。
春：それを言葉に出すことで、自分の中でどんどん“鬱モード”に入っていく。で、それをアンチテーゼ的に出したのが、けみおの「どこまでいっても渋谷は日本の東京」って曲なんだと思う。
カ：なるほどね。それで思うのが、バンドマンが「バンドで楽しい！」って方向でしか振る舞えなくなってる気はしてて。それで鬱ロックが成立しなくなってると思う。誰も求めていない感じ。フェスとかの、“どんだけ盛り上がってるか合戦”みたいな。
春：あ～、それはちょっと前に終わっているような気もしてて。所謂4つ打ちロック的なものって。
カ：なんか最近見た対バンライブなんだけど、2組とも“自分たちなりの盛り上げ方合戦”をやってたのね。どういうことかと言うと、「僕らが～～します。したら、お客さんたちは○○して下さい。その後に僕らが△△します。その後、みんなで□□しましょう！ね、簡単でしょ？」って言ったの。俺は心で「簡単じゃねえよ！複雑だよ！」って（笑）
セ：アハハッ！
カ：「俺たちは他よりも、こういう盛り上げ方するぜ！」が少なくともアーティスト側の意識としてあるのかなって。
春：それはまさにフレンズのブログで書いたんだけど、あえてダサく見せることにフレンズは注視してて。Perfumeはずっと昔からやってるんだけど。参加型の振り付けを。で、絶対的にダサいの。でもお客さんもそれが好きだし、求めてて。それをフレンズもやってるの。「こんな振り付けがあります～、みんなで一緒にやりましょう～」って、明らかにメンバーもそれをダサいと思ってて。だって元々はオルタナの人たちだからさ（笑）でも、あえてやってるの。
セ：ピエロになってるんだ。
春：そうそう。で、楽しそうに「アハハッ」って言いながら、ちょっと照れもありながらやるみたいな。それは戦略的。大きいハコやフェスでやるときは、そういうことはとても大切なんだよ。
セ：なるほどね。
カ：男女ツインボーカルっていろいろ増えてきたけど、でもそこのフレンズの強さってあるよね。
春：チケットは即完ですよ。
カ：どうしても女性ボーカルになるといつまで続けられるのか問題というのを考えちゃうんですが…。
セ：難しい問題よね。
春：最近聴いた女性ボーカルバンドのアルバムで、とうとうその女性が歌わない曲が出てきて。ギターの男の人が歌ってるシティポップの曲がすごく良かったの。女性ボーカルのゴリ押しで行くんじゃなくて、多分いろんな可能性を探っている段階なのかなって思って。
カ：あぁ～、なんだかちょっと切ない話な気もするね。
春：そのバンドが男女ツインボーカルになっていったら個人的にはアツいけどね。
セ：という風に考えたら、フレンズのやってたことって早かった気がするね。
カ：先駆的ですよね。
春：で、お客さん参加型の音楽も取り入れてね。もう音楽は参加型になったので、みんなで一緒に楽しく音楽をやろうという風に。オルタナからしたらダサいやつだけど（笑）、世の中がそうなったからね。
カ：抗えないもんね。それで言うと、KREVAがめちゃくちゃ良かったのが、あの人すごくサービス精神あるライブをするんだけど、それと同じぐらい「客より俺の方が上！」というアティチュードが見えるライブをやってて、とても良いんだよね。アーティストってそうでいてほしいんだよね。木村カエラもそうで、どのバンドよりもロックミュージシャンみたいな振る舞いをしていたのが、とても皮肉なもんだなと思ったんですよね。
セ：なるほどね。迎合してないんだね。
カ：媚びてなかったですね。自由にやってる。
春：『Countdown Japan』で見たKREVAで、まだ全然4つ打ちロックが流行っている時代に、「来年からは横揺れが来るから。お前らもちゃんとこの曲聴いとけよ」って「音色」やったの（笑）
カ：クゥ～！（笑）
春：超かっこいい（笑）確かそれは2011年ぐらいだったかな。
