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LL教室presents『実習#1』で見たMELODY KOGAさんの感想

4×4=16(ししじゅうろく)カンノです。

 

昨日はLL教室presents『実習#1』というイベントに出演しました。場所は新宿V-1という主にお笑い芸人さんが出られる劇場で、以下出演者。

 

4×4=16(落語×HIP HOP)

LL教室(日本語カバー特集)

MELODY KOGA(ピアノ弾き語り)

ナツノカモ(立体モノガタリ)

 

ぱっと見、何のライブかさっぱり分からない。(ピアノ弾き語り)が一番分かりやすそうだが、MELODY KOGAさんは全く同じ4コードで、1曲辺り30-45秒の楽曲を51曲演奏していた。「これは韻なのか…?駄洒落なのか…?」という絶妙なニュアンスで選ばれた言葉たちが、これまた1曲1曲が絶妙に異なったメロディに乗る。聴く限り、1曲1曲に起承転結がある。結部分で絶対に曲のオチとなるフレーズが来る。不思議と「あっ、これオチだな」と分かる。iPadの譜面をめくるKOGAさん。すぐに次曲の起部分に入る。

「子守唄として聞けるかな」と思い、目を瞑りリラックスして聴いてみた。結部分が終わり、すぐ次曲の起部分に入ると目が冴えてしまう。「また振り出しだ」という気持ちが湧いてしまうみたいだ。

「何でこの人はこんな表現を選んだんだ?」

「歌詞の意味は?」「意味はあるのか?」

「何故スカし駄洒落にリバーブをそんなにかけるのか?」「それに意味はあるのか?」

「曲順に繋がりはあるのか?」「曲順という概念に意味はあるのか?」という疑問が頭をぐるぐる巡る。全然、ライブ中に。むしろ、KOGAさんの奏でる音をBGMに自分の深読みを楽しんでいる感覚だ。

以前、劇団ナカゴーの「『とんかつ和幸』のバイトの先輩後輩が渋谷駅で待ち合わせして、近くの店長の家での飲み会に行く」といった内容の劇を観た。当時、渋谷駅前には「いつも綺麗に使って頂きありがとうございます」と手を振って呼び掛ける人が実際にいて、役者がその人を演じて劇をしていた。ずっとダラダラ先輩後輩が会話をしている。合間合間に手を振り、「いつも綺麗に〜」と呼び掛ける人。ノー笑いの15分が過ぎる。「この手を振るタイミングに意味があるのか?」「どこが伏線になるのか?」みたいな事に注視していたら「じゃあ行こっか」と店長宅へ。そうしたら店長がバイトたちの右腕をバッサバッサ包丁で切り落とす劇が始まってしまった。手を振っていた男も右腕を切り落とされた。前半15分には「店長宅へ行く」というくだり以外、何も意味がなかった。その裏切られ方、呆気なさに何故か笑いが止まらなかった事を覚えている。

打ち上げの際、KOGAさんに「あの表現の意味はなんですか?」と聞いた。KOGAさんは笑顔で「分かんないっす」と言った。僕も笑った。