2019/6/23に行われたトークイベント「中洲産業予備校 一コマ目『今さら聴けないザ・ビートルズ』の書き起こしです。
とはいえ、お伝えできる内容はほんの一部。
当日はこの10倍脱線しつつ、過激な内容を挟みつつ、イベントならではの内容になっていたことを断っておきつつ、ほんの触りだけお送りします。
日高さんのビートルズとの出会い
日高:小学校の時「ザ・モンキーズ・ショー」の再放送があって。「モンキーズ」っていうのは当時イギリスのビートルズに対抗して作られたアメリカのバンドで、今だったらバックストリート・ボーイズとかワン・ダイレクションみたいなテレビ用に作られたアイドルバンドだったのね。その再放送が当時やっていて見てて。そこから洋楽へ興味を持つようになっていった。
で、モンキーズのレコードを買ってもらってライナーノーツを読むと、当然ストーンズとかビートルズとか出てくる。
カンノ:なるほど、そこから数珠繋ぎ的にストーンズとかビートルズとか聴くようになっていくと。
日高:そう。で、当時は大体友達の親とか兄ちゃんとか誰かしらビートルズのレコード持ってる人が周りにいたから、遊びに行ったら聴かせてもらうみたいな。俺は多分最初「赤盤」「青盤」を聴かせてもらったかな。しかも、当時アナログ持ってる人たちって大体良い家に住んでて良いオーディオ揃えてるから、広いリビングで凄い良い音でビートルズ聴かせてもらった(笑)
カンノ:周りに聴いている人も多かったから、聴くまでのハードルが全然低かったわけですね。
日高:そうそう。で、聴いたら「なにこれ!『およげ!たいやきくん』より全然かっこいいじゃん!」みたいな(笑)
カンノ:当時テレビで流れた子供向けの音楽と比べると、衝撃的なカッコ良さだったと。
日高:全然違ったね。と、同時に楽器に興味を持ち始める年頃だから、みんなギター始めるんだよね。俺はガットギター買ってもらって。ちょっと裕福な家だったら親にエレキ買ってもらったりして、ちょっとみんなでやってみよう!って感じで、楽器持ってるやつ4〜5人集まってやってみたり。
カンノ:へ〜!ビートルズに出会ってから音楽だったり、バンドだったりにハマる人っていうのが凄く多かったんですね!
日高:多かった多かった。当時はまだビートルズが解散して10年経ってないくらいだったから今より全然現役感があったし。
カンノ:武道館行ったって人も周りにいたりとか?
日高:いたいた。
カンノ:すげー!
カンノ:ビートルズ原体験の話は尽きないわけですが、一旦そういう思い出話を一切排してWikipediaだけの情報を読み込むとどうなるのか。
会場:(笑)
日高:気になるね。
カンノ:じゃあWikipediaから引用しますね。
ーザ・ビートルズ (The Beatles) は1960年代から1970年にかけて活動したイギリス・リヴァプール出身のロックバンド。20世紀を代表するアーティストの一つである。音楽誌『ローリング・ストーン』による「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100組のアーティスト」において第1位にランクされており[注釈 1]、経済紙ウォール・ストリート・ジャーナルの統計算出に基づく「史上最も人気のある100のロックバンド」にても1位となっている。『グラミー賞』7回受賞(23回ノミネート)。
日高:グラミー賞ってもうあったんだね。
カンノ:もうこの時あるんですよね。
日高:そっちの方が気になっちゃった(笑)
カンノ:あとWikipedia読んでる時、「音楽誌『ローリング・ストーン』」っていうのがバンドとローリング・ストーンズとごっちゃになりそうで(笑)
日高:バンドと雑誌どっちが先か知ってる?
カンノ:どっちだろう?知らないです。
日高:バンドが先です。被せたというよりは、まだ情報がすぐ届く時代じゃないからたまたまじゃないかな。今でこそローリング・ストーン誌はアメリカのロッキング・オンになっちゃったけど(笑)
カンノ:じゃあ一万字インタビューもあったんですね!(笑)
日高:まぁこの話はいいか(笑)でも、ローリング・ストーン誌で一位って言われてもみなさんピンときませんよね。
カンノ:そうですね。僕らの世代からすると、どれからビートルズを聴けばいいのか選択肢が多く過ぎてわからなくて。800通りあるじゃないですか(笑)800の中から選ぶの無理なんですよね(笑)
日高:無理だよね(笑)俺がいつも思うのはポールとジョンの声の勝利だと思ってて。例えば、ミックジャガーの声で「イエスタディ」歌われても残らなかったかな、って思う。逆に言えばポールがストーンズの曲歌ってもカッコ良くなかったのかもしれないし。俺の持論なんだけど優れたロックの条件って「曲と声の合体」にあると思ってて。
カンノ:あ〜。
日高:メロディーがとか、コード進行がとかよく言われるけど、実はそこはそんなに重要じゃなくて、曲と声がマッチしてるかが大切だと思うんだよね。例えば、ミスチルの曲を霜降り明星のせいやさんが歌ったら…
会場:(笑)
日高:あとは桑田さんが歌ったらとか…それは良さそうだな(笑)
会場:(笑)
日高:ジョンレノンってハスキーなのに凄いキーが高いんだよね。通常男性のキーってハイBが出たら凄く高いんだけど、ジョンはそこまで出るんだよね。ポールはハイC、Dくらいまで出るんじゃないかな。その変幻自在な歌声とオクターブの広さっていうのが魅力の一つだと思う。それが良くわかる曲があるので一曲聴いてみましょう。
「Oh! Darling」
日高:CMでみなさん聴いたことありますよね。ちょっと口ずさむとわかるけど、めっちゃ高いから!
カンノ:普通男は出ないですよね、これ(笑)
日高:曲が良いのは当然なんだけど、声の良さが他のバンドと比べて明らかにレベルが上っていうか。もちろん同時代の他のバンドってたくさんいて、ゾンビーズとかキンクスとかザ・フーとかね。でも、ザ・フーの好きな曲ってなんだ?って訊かれたら相当好きな人じゃないと出てこないじゃない。俺とかは「キッズ・アー・オールライト」が好き!とか出てくるけど(笑)でもやっぱり、ポピュラーミュージックとしての使いやすさというか、アイキャッチとしての使いやすさという点でビートルズは凄かったと思う。
カンノ:なるほど〜。
日高:あと、サビ始まりを最初にやったのはビートルズ。
カンノ・春菊:へー!!
日高:良く言うじゃん、ヒットの法則みたいなのでさ。「サビ始まりが新しいんです」みたいなこと。クソみたいなプロデューサーが(笑)
会場:(笑)
日高:そんなん50年前からやってますよって(笑)
カンノ:確かに(笑)
あとめちゃめちゃ聴きやすいですよね。一曲2分半〜3分くらいで。
日高:そうだね。かつやっぱりアイキャッチ、イヤーキャッチの強さというか。例えばベンチャーズをさ、今の10〜20代にアルバムフルで聴けって結構キツイじゃない(笑)
カンノ:歌なしのインストアルバムをいきなり聴けっていうのはキツイですね(笑)
日高:だよね(笑)でもビートルズなら聴けるじゃない。かつ、このキャッチーさっていうのが狙って作られたわけじゃなくて、ジョンとポールが偶然出会って生まれた、っていうストーリーの強さ。だから、俺から上のおじさん達はビートルズをロマンをもって語るわけです(笑)例えば、ザ・フーの4人だって俺からすれば奇跡的な4人だけど、キース・ムーンがどれだけ凄いかってロックに詳しくないとわからないじゃん。そもそもザ・フーのメンバーの名前全員言えるかっていったらそれも難しい。でも、ビートルズのメンバーだったら知ってるって人も多いし、知られてる分ストーリーを乗せやすいっていうのはあるよね。
カンノ:確かに。あと、ビートルズの場合メンバーがCM出たりとか、割と軽薄なこともやってますよね(笑)
日高:リンゴスターがりんごジュースのCM出たりとか(笑)
日高:そこのバランスも良いんだよね。軽薄なことするリンゴとポール/ストイックなジョンとジョージっていう、その関係性も化学反応っぽいんだよね。だからこそ、奇跡の集まりというか…
カンノ:じゃあビートルズはバンプ・オブ・チキンってことで良いですか?(笑)
日高:…そ、そうですね(苦笑)
春菊:それでいいんですか?(笑)
カンノ:チャマさんがインスタとかあげる、みたいな…
日高:でもマスくんはあんまりチャラくないから…
カンノ:完璧にリンクするわけじゃないのか(笑)
【中洲産業予備校2コマ目〜今さら聴けないレッチリ】開催決定!
7/21(sun)@喫茶SMiLE
start19:30 チャージ¥500+1D
中洲産業大學
日高教授(THE STARBEMS)
菅野助手(4x4=16)
春菊助手(DJ)
問:喫茶SMiLE (@udagawasmile)