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Radio OK?NO!!第10回「あの頃のDAX」特集

OK?NO!!の上野翔とカンノアキオで毎週金曜日27時から、市川うららFMにて『Radio OK?NO!!』を放送しています。ここでは毎週の特集を文字起こしという形で記載します。今回は第10回の6月12日放送分、カンノによる「あの頃のDAX」特集をお送りします。

 

 

カンノ:僕も音楽思い出話を今日はしたいと思うのですが。まぁ、要はどのツールで音楽と出会うのかって大きいですよね。その人が音楽を語る上で。

上野:そうね。

カンノ:ラジオからなのか、テレビからなのか、雑誌なのか、タワレコみたいなCD屋なのか、レコ屋なのか。それでいうと僕は完璧にここという場所がありまして。スペースシャワーTVがその昔、独自の動画ストリーミングサイトで「DAX」というところを持っていました。

上野:「Digital Archives X」の略称ですね。

カンノ:よく覚えてるな(笑)スペシャが独自でストリーミングサイトを持ってたんですよね。超早かったよね?2005年ぐらいからだよね。

上野:早かったね。

カンノ:今、DAXYouTubeチャンネルとして機能しているんですが、あれはですね、僕の好きなDAXじゃないです(笑)

上野:アハハハハッ!スペシャが自前でサイトを持っていて、その中に動画がたくさんあったんだよね。

カンノ:ストリーミングだから粗っぽい動画の有象無象がたくさんあったんだよね(笑)

上野:やたらめったら数があったんだよね。

カンノ:毎日ライブ動画とPVが上がってたんだよね。しかも2000年半ば当時のインディーズシーンのものがバカスコ毎日上がっていましたね。ここに僕の音楽原点みたいなものが詰まっていました。というわけで今日は「あの頃のDAX特集」をお送りしたいなと思います。

 

カンノ:本当にレアな動画が毎日上がってたんだよね。2000年代はまだYouTubeにそんなに動画が上がる時代じゃなかったからね。僕が中学3年生頃に始まったサイトだったと思います。感覚的には、本家スペースシャワーTVで流れているライブ映像やPVはメジャーでしたね。で、DAXは2軍(笑)この2軍たちがどんどん本家スペシャで流れていく様を見て気持ちがアガったりしてましたね。それで言うと、このDAXから出発して一番メジャーに行った人の楽曲をまず紹介しますかね。

上野:ニューカマーからメジャーに行った人ね。

カンノ:2軍サイトから這い上がった人ね(笑)いや、本当に好きだったんだよ!このサイトにビデオが載るときに、ミュージシャン名や曲名が載るのは当然として、レーベル名とかも書いてあるんだよね。俺が生意気だったなと思うのは、中3から「P-VINE RECORDS」を知っていることね(笑)生意気だよね、P-VINEとかULTRA-VYBE知ってるの(笑)それでその中の一つに「カクバリズム」というレーベルがありました。

上野:今やもうね。

カンノ:今やね、「ceroがいるところでしょ?」とか、「思い出野郎Aチームがいるところでしょ?」みたいなね。俺からすると、未だにそんな人たちはいません!

上野:いや、いるんだよ!(笑)

カンノ:いるのはYOUR SONG IS GOODSAKEROCKMU-STARSだけです!

上野:言いたいことは分かるけどね(笑)

カンノ:僕の中ではこの3組しか未だにいないんですが(笑)、この中から一番のメジャーシーンに行った星野源さんが属していたグループの曲をかけましょう。SAKEROCKで「殺すな」

上野:僕らの好きなSAKEROCKですね(笑)

カンノ:結局SAKEROCKは解散までずっと好きでしたね。この曲のPVで好きなのは、メンバーが演奏している中、ハマケンさんだけパグとずっと戯れてるんだよね(笑)

上野:SAKEROCKってそういうふざけが1個あったよね(笑)

カンノ:パグの肛門の臭いを嗅いで「くっせー!」っていう顔をするハマケンさんがすごく良いんだよね(笑)言ってないけど、「くっせー!」って言ってるのが分かるんだよね(笑)

上野:字幕をつけたらそうなるよね(笑)

カンノ:それが好きでしたね。あと曲を聴いてても、めちゃくちゃ変な曲だよね。変だけど、俺はつんのめってノッてたかも。パソコンの画面の前で。多分、「なんかよく分からないけどエネルギッシュなもの」がDAXには相当詰まってたんですよね。で、今日はそういう曲をバンバンかけたいなと思ってます。これは本当にね、俺がやりたいと思っていた音楽がそこには詰まってたんだよ!

上野:良い話だなぁ〜。

カンノ:この話をしようと思っていろいろ見返してたんだけど、「この時代に戻って欲しい!」って(笑)俺はもうスタイリッシュな音楽をやるのも聴くのも嫌なんだよ!!

上野:じゃあ、次の曲行ってもらっていいですか…?(笑)

カンノ:怒っちゃうからね(笑)で、当時はいろんなインディーズシーンにネーミングがついていたりするんですが、その中の一つに「関西ゼロ世代」というのがあります。具体例でいうと、あふりらんぽワッツーシゾンビオシリペンペンズとかですね。関西のアングラたちですよ。

上野:関西のライブハウスシーンですね。

カンノ:そうそう。それでジャンルもごった煮でね。その中で確かこの人たちは素早くメジャーに行って、速攻で解散しましたね(笑)そんなこの人たちの曲を聴いていただきましょう。ミドリで「ロマンティック夏モード」

上野:これは懐かしい!

カンノ:これは若返るね(笑)

上野:このパワーはそうだね(笑)

カンノ:それで今聴いてて思ったけど、パンクとジャズが正面衝突して何にも残ってないよね(笑)この感じが僕は大好きでしたね。本人たちのエネルギーはすごいし、「何か新しいことをしよう」という気概も感じられるんだけど、”結果このザマ”って感じね(笑)それがすごい好きだった。これもパソコンの前でかじりついて見てましたね。

上野:これは確かに「俺の思い出のDAX」ではあるね。ミドリは入る。

カンノ:ミドリは入るよね。関西ゼロ世代の中でも筆頭で売れて、すぐ解散しましたね。

上野:何回も言わないでいいよ(笑)

カンノ:この「何かと何かの掛け合わせ」を不器用ながらにやろうとしている様みたいなものは、このDAXで熱くなってましたね。で、次に流すのが僕にとってそれの最高峰です。東京インディーズシーンのスーパースターたちが集まったバンドです。その曲を紹介しましょう、younGSoundsで「ヤングサウンズのDISCO」

上野:面白い曲だね!

カンノ:そしてあれだね、どうしようもないね(笑)

上野:ざっくりし過ぎだよ(笑)

カンノ:聴いて呆れるじゃないですか(笑)それで最高というね。メンバーがすごいですよ。ボーカルがidea of a jokeのモリカワアツシさん、ラップがやけのはらさん、ベースが中尾憲太郎さん、ギターがKIRIHITOの竹久圏さん。元メンバーにはイルリメさんや、最初のメンバーにはLess Than TVの谷口順さんがいたり。この下北やO-NESTスターズみたいな(笑)

上野:分かる、分かる(笑)

カンノ:やっぱり俺からすると、「こんなミクスチャーの形があったのか!!」というね(笑)「こういうのが聴きたかったー!」って。固定観念もクソもないんだよね。そんな感じの楽曲がDAXにはたんまりありましたね。

上野:あったね。あと、そういう時代だったんだよね。

カンノ:そうそう。それに比べて今のDAXは洗練されすぎてるね!

上野:じゃあ怒っちゃうので次の曲へ…(笑)

カンノ:えっ?これ、スペシャ世直し特集じゃないの?違いましたか?(笑)

上野:俺らがそんな大層な特集できるわけないだろ(笑)

カンノ:大好きだから言ってるんですよ!お次も、「こんな価値観があったんだ」というようなミュージシャンの曲をかけたいんですが、あとこの頃からミュージシャンたちが自主レーベルを持つ文化もちょくちょく見始めたときなんですね。2000年代半ばというのは。それでもともとメジャー契約してたけど、切られて自分たちで自主レーベルを始めたパターンもありますが、最初から自主レーベルを始めた人というのもいて、それで「GAL」という自主レーベルを自分たちで運営していた人たちの曲を紹介したいなと思います。聴いてください、group_inouで「SHIP」

カンノ:やっぱりラップの上手い下手じゃないよね。

上野:これはなんて言えばいいんだろうね?

カンノ:僕はDAXクチロロgroup_inouを聴いて自分でもラップをやろうと思いましたね。ここの2組は大きいですねラップの上手い下手じゃないという観点は。

上野:カンノはずっとその話をしてるもんね。

カンノ:でね、「上手い下手じゃない」という価値基準もDAXに詰まってたんだよ!はっきり言ってね、俺の人生がこうなってしまったのはこのサイトのせいだよ!!呪いだよ。呪いのサイトだよ!!恐怖動画がたくさんあったよ!!

上野:「怖い、怖い」って(笑)

カンノ:「あ〜、怖い!怖い!」って言いながらノッてましたよ(笑)その集合体でしたね。で、最後の曲なんですが、DAXって月1で生配信番組をやってたんです。ブライアン・バートンルイスさんが司会で。この番組に毎月ゲストが来るんですが。でね、俺はこのゲストの抽選で3名に当たるサイン入りポスターを当てたんですよ。

上野:たしかに!カンノの家に高校の頃、遊びに行ったらそのポスター飾ってあった!

カンノ:俺の部屋に御本仏を飾るように貼ってありましたね(笑)「僕、これから高校受験なのでほしいです」みたいなメールを送ったら当たったんですね。中3の1月です。そういう思い出もあるし、この金曜の夜中にぴったりな曲でもあるのでかけてお別れしたいと思います。聴いてください、ZAZEN BOYSで「Friday Night」

 

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