OK?NO!!の上野翔とカンノアキオで市川うららFMにて『Radio OK?NO!!』を放送しています。ここでは毎週の特集を文字起こしという形で記載します。今回は第41回の1月17日放送分、「すっからかん特集~前編~」をお送りします。
上野:瑛人さんのアルバム『すっからかん』は聴きましたか?
カンノ:ちょいちょいね。上がってるMVとかは見てますよ。
上野:なるほど。今日僕が声を大にして言いたいのは、このラジオを聞いた人は絶対『すっからかん』は1回は通しで聴けってことですね。
カンノ:でも聴いても『すっからかん』なんじゃないの~?
上野:それが『すっからかん』じゃないんだよ。このアルバムはほとんど瑛人の私小説なんだよね。自伝です。逆にいうと自分のことを1stアルバムで語り過ぎちゃって、「ここからどうするんだ?」という思いもあるんですが(笑)とにかく瑛人がどういう人なのかがよく分かるアルバムになっています。
カンノ:なるほど。瑛人のリアルが分かるんだね。
上野:このメジャー1stアルバム『すっからかん』は14曲収録で1時間ぐらいのアルバムですね。それでこのアルバムをリリースしたら瑛人は曲のストックがゼロで今、”リアルすっからかん”らしいですよ(笑)
カンノ:去年、僕たちが瑛人特集をやったときも、その時点でのディスコグラフィーの4曲を全て流したもんね(笑)
上野:瑛人は溜められないっていう(笑)
上野:それでこれから色々曲を流したいと思うんですが、僕らみたいなひ弱で自意識過剰な文系人間にとって瑛人の人生はまあまあ壮絶でありつつ輝いてますね。ある種の劣等感を僕は覚えました。まずは瑛人の学生時代を紐解く1曲を聴きましょう。「ライナウ」です。
上野:この曲は「普通ってスーパー最高!」っていう意図で作られたらしいんです。だからここで歌われていることって瑛人にとっては普通の情景なんです。この曲は瑛人の高校時代について歌われている曲なんです。例えば歌詞に出てくる「あの鉄塔の下まで」とか「風が吹く街を ぼんやり見下ろしてる」というのは実際の通学路の風景なんだって。あと歌詞で「ノリで告ったり フラれて泣いたり」って出てくるじゃん。ノリで告ったことある?(笑)
カンノ:しかもノリで告ってるくせに、フラれたら泣くんだろ?(笑)
上野:その瞬間は本気だから(笑)この辺りを普通と思える感覚が、僕らひ弱な文系人間からすると輝かしく見えるんですよ(笑)
カンノ:「ノリで踊ったり 歌を歌ったり」している人を横目にしながら暗く生活していた我々ですから(笑)「シャレで小突いたり マジで怒ったり」する人は俺は本当に嫌いだったよ!
上野:「オーイッ!」って小突く奴ね(笑)
カンノ:「あっ、あぁ…」って苦笑いしてたよ(笑)それが嫌で授業終わったらすぐ家に帰ってBUMP OF CHIKENずっと聴いてたよ!
上野:情けないなぁ(笑)でもこれはリアリティあると思うんだよね。”瑛人な人たち”っていると思うんだよね。
カンノ:”瑛人な”っていう形容詞は非常に分かりますね。
上野:それで瑛人は中学が野球部で高校がダンス部、しかも応援団部の団長だったらしいの。
カンノ:学生生活のど真ん中行ってるね。
上野:そうそう。それで登校したら女の子たちから「キャー!!」って言われてたんだって。だからそういうことが普通だと思っている人に対して俺は憧れの眼差しを持ってしまうよね。
カンノ:そして瑛人は俺たちのような奴らのことは全く見えてないからね(笑)
上野:そんな明るい瑛人さんですが、幼少期の頃に何があったのかも歌になっています。これはちょっと壮絶なので聴いてください、「ハッピーになれよ」
上野:両親の離婚について歌われている曲ですね。僕はあんまりレゲエは詳しくないんだけど、このテイストでいきなり「酒癖の悪い父ちゃん 酒に溺れて暴れがち」とか歌われるとちょっとビックリするよね。
カンノ:だからこの曲で歌ってることは「一生一緒にいなくてもいい」ということでしょ?(笑)
上野:三木道山へのアンサーソングだね(笑)
カンノ:この曲は「Lifetime Respect」アンサーソングか!かつてRSPさんによる「Lifetime Respect -女編-」というアンサーソングがありましたが、その流れですね!分かりました!
上野:いや、全然違うよ(笑)
上野:タイトルは「ハッピーになれよ」だけど、「俺もこういう経験してるんだぜ」ってことですよね。この曲はアルバムでいうと3曲目で、「香水」の次の曲なんですね。だから「俺にもこういう面があるから」っていうのが提示できる曲順かなと。
カンノ:そういう面は瑛人にはあるよね。「俺は全然リアルじゃないから」って落ち込んだようなことを歌う曲とかさ。
上野:それを曲だけでなくアルバムの構成にも落とし込んでる感じかな。そしてこの曲の「みんなハッピーになれよ」というサビのメロディー部分は小学4年生のときに作ったんだって。両親の離婚が小2のときで、その離婚後の小4のときに親父さんに会いに行って、それを母親に伝えるときに普通に言うとちょっと重たいから、歌にのせて伝えてたっていう。それが曲の原型らしいです。
カンノ:なるほどね。もう、生活に歌が染み込んでる人だよね。そういう人っているじゃん。「この人は歌とは切っても切れない人なんだな」っていう人。俺たちってそこの憧れもあるじゃん。結局俺たちが音楽を好きになるのって後付けだからさ。「好きになろう」と思って音楽を好きになるから。それは本とかお笑いとか芝居とかもそうなんだけど。勉強するつもりというか。瑛人さんはもう音楽がそもそも身体に入ってる状態というかさ。天然物だよね。
上野:小4とかで歌を自然に作っていたっていうのは勝てないよね。
『Radio OK?NO!!』は毎週日曜23:30から放送です!市川うららFMにて、是非お聴きください!インターネットでも下記リンクから聴取可能です!次回の放送は1月31日(日)です。お楽しみに!