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Radio OK?NO!! 第18回「星野源一代記」特集(前編)

OK?NO!!の上野翔とカンノアキオで市川うららFMにて『Radio OK?NO!!』を放送しています。ここでは毎週の特集を文字起こしという形で記載します。今回は第18回の8月9日放送分、「星野源一代記」特集の前編をお送りします。

 

 

 

上野:今日は星野源一代記を1時間お送りします。星野源がいつからデビューして、どういう変遷を辿って、天下を取るに至ったのか。

カンノ:カクバリズムという区議会議員から始まり、それが最終的に首相と横並びになる変遷ですね(笑)

 

 

カンノ:良いですね、佐藤栄作とか吉田茂みたいな政治家一代記風にやりましょうよ(笑)

上野:対象年齢はどこなんだよ(笑)ってことで今日は星野源を取り上げますが、まずは星野源の音楽キャリアのスタートはどこかというとSAKEROCKですね。で、このSAKEROCKというバンド名のきっかけになった曲が存在します。

カンノ:なるほど、曲名から取ったんですね。

上野:そうそう。まずはその曲からスタートしたいと思います。聴いてください、Martin Dennyで「Sake Rock」

 

 

カンノ:これはMartin Dennyの「Sake Rock」という曲じゃないですか。僕にはSAKEROCKが演奏した「Martin Denny」という曲に聴こえます(笑)

上野:順番逆だけどね(笑)このMartin Dennyという人は、ジャンルでいうとラウンジ・ミュージックとか、エキゾチカですね。ちなみにエキゾチカというジャンルは、この人が出したアルバム名に由来します。

 

 

上野:のちに星野源がソロデビューするときに寵愛を受けることになる細野晴臣、この人は星野源にとって重要なキーマンですが、このエキゾチカというジャンルを日本で広めたのは細野晴臣で、その影響を星野源が受けるということなので、この曲からバンドが始まり、のちに細野晴臣の寵愛を受けてソロになって大成功するという、この流れの全部が入っている1曲なんですよ。あまりにも出来すぎた話だけど(笑)あと、SAKEROCKってどういうイメージとかある?

カンノ:結局SAKEROCKっぽいバンドって下の世代から出て来なかったね。だから異端で居続けた印象はあるかな。

上野:確かにそうだね。あとバンドだけどふざけてるとかさ、他のメンバーも役者とかやってるとかさ。そういうもので見ると、クレイジー・キャッツは浮かぶかなと。

カンノ:昔の芸能だよね。クレイジーとかドリフとか。もともと音楽やお笑いや芝居がセットだったという、戦後芸能史みたいな話はあるじゃん。ジャニーズやナベプロとかさ。その辺りの芸能を今の形でやりたかった印象はあるよね。

上野:あるね。だからその参考点として、今クレイジー・キャッツを聴いてみたいなと思います。お聴きください、クレイジー・キャッツで「スーダラ節」

 

 

カンノ:「スーダラ節」はSAKEROCKが2nd Album『song of instrumental』内でカバーをしていますが、確かそれが星野源が初めて歌を歌ったものがCDに収録されたやつじゃないかな。あとこのアルバムから白タキシードで衣装を揃え出したよね。そこで芸能感を出してきたのは見ておくべきポイントだと思います。

 

 

上野:格好とか振る舞いとかは、日本芸能史的なものに則りつつ、でもルーツにはMartin Dennyや細野晴臣がいたりするというのは面白いんだけど、逆にこれがSAKEROCK解散につながる一つの要因だったのではないか…!

カンノ:お前、この企画での本性を露わにしてきたな(笑)

上野:だからパフォーマンスをやりたい、音楽を追求したい、ポップネスでいたい、このどれもやりたかったと思うんだけど、のちのち個々人で先鋭化していくわけですね。まぁインタビューを読んでいると、SAKEROCKのメンバーって好きなことややりたいこともバラバラだし、でもそれがメンバーとして集まるのが良いっていうことは言っていて。で、そんなことは皆言うんだよ(笑)

カンノ:インタビュー上ではね(笑)

上野:そのズレみたいなものが後々出てきて、しかも個々人も忙しくなったからSAKEROCKは解散したのでは、という見立てなんですが。ということで、SAKEROCKが幸せだった時代の曲をかけようと思います(笑)

カンノ:SAKEROCKは幸せに終わっていったよ(笑)

上野:まぁ、パフォーマンスの良さや、音楽的豊潤さもあるというのは1st Album『LIFE CYCLE』の時期かなと思うんだよね。

カンノ:ジャケットの話に戻ると、2ndで白タキシードで衣装を揃えたけど、それに比べて1stって粗雑だよね~。

上野:粗雑だし、そこに写っている星野源が本当に童貞臭いよね。

カンノ:ブッサイクだよね!丸坊主でね。

上野:そんな人が今やこうなっているのも不思議だよね。それであの頃のSAKEROCKのフロントマンというか、目立つ人って星野源じゃなくてハマケン(浜野謙太)なんだよね。

カンノ:SAKEROCKはハマケンのバンドっていう印象だったよね。

上野:その感じが出ている曲をかけたいなと思います。SAKEROCKで「また来てね/京都」

 

 

カンノ:「SAKEROCKの幸せな時期」とこちらが勝手に仮定しているのって、ハマケンがどれだけ活き活きしているかってことだよね(笑)

上野:正しくハマケンが機能していることが重要だよね。飛び道具としての動きが一番目立つ形で使われていたりね。

カンノ:このアルバムではその飛び道具的動きがポンポン出てくるんだけど、2ndはそれがボーナストラックだけになっちゃうんだよね。それで3rdからはもう出て来ないんじゃないかな。だからSAKEROCKのCDの歴史ってハマケンがどんどん大人しくなっていく歴史なんだよね(笑)この曲はハマケンがスキャットをやってるじゃん。それが後々、ハマケンがリーダーの在日ファンクというバンドにつながってくるよね。だからやっぱりそういったことがちゃんとやりたかったということだよね。それでこの「また来てね/京都」の「京都」は後々、在日ファンクでちゃんとした楽曲として出来上がっていきますからね。

 

 

上野:実は分岐点がここからあったのではないかっていうね(笑)

カンノ:確かに、ハマケンの活き活きしている様でいうと、音源では1stがピークかもね。

 

 

 

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『Radio OK?NO!!』は毎週日曜25:30から放送です!市川うららFMにて、是非お聴きください!インターネットでも下記リンクから聴取可能です!今週8月16日(日)では「スチャダラパーvsライムスター」特集をお送りします!