SOMEOFTHEM

野良メディア / ブログ / 音楽を中心に

Radio OK?NO!! Podcast #056「2006年」特集文字起こし(前編)

宅録ユニット・OK?NO!!の上野翔とカンノアキオでSpotifyで聴けるポッドキャスト番組『Radio OK?NO!!』を配信しています。こちらではその文字起こしを前編、後編に分けて掲載します。今回は"2000年代を1年毎に語り合おう"シリーズの第2弾である「2006年」特集(前編)を掲載します。

 

Radio OK?NO!! Podcast #056「2006年」特集音声は下記リンクから。ポッドキャスト登録を是非、よろしくお願いします!

 

カンノ:2000年代を1年毎に音楽シーンがどうだったのかを見てみる特集をしておりまして、今回はその2回目です。前回は2004年を特集しました。

カンノ:2004年はCDが売れなくなくのが如実に数字で表れて、その代わりに着うたをはじめとしたダウンロード文化が始まった年と言われております。そこからほんのちょっと先を進めて、今回は2006年を特集しようと思います。2006年の音楽シーンはどうだったのか、当時のデータや僕らの体感も含めて2006年を象徴するような曲を紹介しようと思います。2006年のオリコン年間チャート1位楽曲から流そうと思うんですけど、それはKAT-TUN「Real Face」なんですね。

上野:なるほど。

カンノ:KAT-TUN「Real Face」はサブスクで聴けないので、今回は流せません。ちなみにこの曲は2006年のCD売上で唯一のミリオンセラーです。

上野:そうなんだ。

カンノ:シングルのミリオンセラーが3年ぶり。だから2004年と2005年がシングルCDが100万枚売れてない。それで久々に大ヒットしたのがこの曲だったんですが、今回は年間2位の曲を聴きたいと思います。お聴きください、レミオロメンで「粉雪」

上野:これが年間2位なんだ。

カンノ:じつは発売自体は2005年の11月くらいですね。で、めちゃくちゃロングヒットした結果、2006年の年間ランキング2位。この曲は週間のオリコンCDランキングで1位を取ったことがないんです。でもずっと売れ続けてチャートの上位に居続けて2006年の年間2位になったと。ということも踏まえたうえで、僕と上野君で2006年を象徴するような曲を紹介しようと思います。当時のデータやJ-POPシーン、僕らの体感も踏まえて2006年を喋れたらなと思います。やっぱり間違った歴史を残しちゃいけませんから!「あれはよかったね」なんて容易く言っちゃいけませんよ!

上野:厳しいですね(笑)目を光らせてますから。

カンノ:歴史修正する人をぶった斬っていきますよ!

上野:ぶった斬る必要はないですけどね(笑)

カンノ:じゃあまず僕から2006年を象徴する曲を紹介したいなと思います。mihimaru GTで「気分上々↑↑」

カンノ:2004年の特集のときにnobody knows+の「ココロオドル」を流したんですよ。

カンノ:メジャーシーンのJ-HIPHOPってまずDragon Ashという存在があって、KICK THE CAN CREWRIP SLYMEがいて、ラップという歌唱法は「グループでやって楽しい」という感じがどんどん文脈とかがなくなって、本当にただ楽しいだけのものになっていくなかで、2004年に「ココロオドル」という曲が出てくると。その軽薄さが極まった形が「気分上々↑↑」だと思うんです。

上野:「Hey, DJ!」って言っちゃう感じ(笑)

カンノ:「かませイエーイエーイエー、気分上々の!」ですよ。この何も残らなさ(笑)

上野:何も残らないね~(笑)

カンノ:この通り過ぎていく感じ(笑)今聴いてて思ったんだけど、女性の歌よりも男の人のラップのほうが聴いてて恥ずかしくなるね。

上野:久々に聴いたけど、サビの歌が終わったらわりとすぐにラップに入るんだね。

カンノ:僕が歌詞で注目したいのが2番のラップの「Hip Hop, R&B, Pops, Techno, House, Rock…Hip Hop!!」というただただジャンル名を言い続ける箇所があるんです(笑)僕はここが大好きなんです(笑)ただ形だけのことを歌うという。

上野:とくに主張がない感じね(笑)

カンノ:ジャンルだけ言って2小節稼ぐっていう(笑)字数稼ぎに来た感じがね(笑)なんか当時のメジャーシーンのJ-HIPHOPの終着点ってこの曲かなと思うんです。

上野:なるほどね。

カンノ:あと好きなのが、ここで歌われているクラブ観ね。

上野:はいはい。

カンノ:やっぱり「Hey, DJ!」って言ってる人を見たことがない(笑)

上野:俺も一人も会ったことないな(笑)

カンノ:ここで歌われている人って実在しないんだよね。

上野:少なくとも僕らは出会ったことないよね。

カンノ:この曲は大ヒットしたからさ、mihimaru GTがいろんなテレビに出てたじゃん。で、「どんな感じだったっけな?」と思っていろんな音楽番組に出ていたときの動画とか見てたんだけど、セットがすごくお城みたいな高いところにDJがいてさ、不夜城みたいな(笑)その高いところでDJがキメてさ、その下でいろんな男女が踊ってさ、で「Hey,DJ!」ってやってんの。このクラブを見たことがないの(笑)

上野:そんなに高い位置にいないしね(笑)

カンノ:歌われていることやテレビのセットとかの虚像であり虚空。で、存在しないのに「これがクラブです」と思わせることとかが芸能だなと思うんです。

上野:なるほどね。

カンノ:このJ-POPの「なにもなさ」ね。

上野:それをある種、象徴しているような曲ってことね。

カンノ:なにもないから終着点になったと思うの、J-HIPHOPの。で、2007年以降はGReeeeNとファンモンの時代になるの。

上野:そっか、そういう形でつながっていくのか。

カンノ:「軽薄HIP HOP」から「励ましHIP HOP」になっていく時代の変わり目、手前のときがmihimaru GT「気分上々↑↑」かなと思いました。

上野:なるほどね。

カンノ:思想が見えないことこそが重要ってことですね。

上野:次は僕です。2006年のオリコン年間シングルランキング2位がレミオロメンの「粉雪」でしたが、インディーズランキングはどうだったのかなと思って調べてみました。オリコンインディーズのアルバムチャート年間ランキング1位の曲を聴きたいと思います。Def Techで「Catch The Wave

上野:っていうかDef Techってインディーズだったのかよっていうね(笑)

カンノ:いわゆるインディーズの香りがしないよね(笑)Def Techって「My Way」でバーンと売れたじゃん。これってヨコハマタイヤのCMタイアップだったんだよね。それで売れたわけだから。

カンノ:インディーズもさ、口コミで売れたのか、タイアップとかで売れたのかで全然違うじゃん。戦う土壌が違うからさ。

上野:その「戦う土壌が違うよね」っていうことがこの年のインディーズのアルバムチャートが顕著で、この年間チャートの10位までにDef Techのアルバムが3枚入っています。

カンノ:当時のインディーズチャートってそれが本当に顕著で、1枚売れたらそれまでリリースされたアルバムもチャートに入るくらい売れちゃうんだよね。戦う土壌とか母数がメジャーのチャートと全然違うから。

上野:このトップ3が2006年当時っぽくていいんだけど、1位がDef Tech。2位がAqua Timez。3位がHYですね。

カンノ:だからラップと海、沖縄、レゲエだね(笑)

上野:アハハハハッ!

カンノ:この4つのうち3つを満たすと売れるみたいな(笑)

上野:景色良さそうな感じだと売れる(笑)

カンノ:で、絶対歌メロは必要。

上野:そうだね。

カンノ:ミクスチャーから派生しているんだけど、ミクスチャーっぽくは見せない感じかな。Dragon Ash的な重たさではなく、どうアコースティックで聴かせるか。爽やかに。それをレゲエで見せるのか、ハワイアンなのか。

上野:たしかにDef TechやAqua Timezはレゲエアプローチだったもんね。

f:id:someofthem:20220830035027j:image

 

『Radio OK?NO!!』はパーソナリティーの上野翔とカンノアキオが、最新J-POPやちょっと懐かしい曲をクイズやゲーム、時には曲同士を戦わせつつ(?)、今までになかった音楽の切り口を発見しようとする音楽バラエティ番組です。感想は是非「#okno」をつけてツイートしてください!お問い合わせはメール:radiookno830@gmail.com まで。