宅録ユニット・OK?NO!!の上野翔とカンノアキオでSpotifyで聴けるポッドキャスト番組『Radio OK?NO!!』を配信しています。こちらではその文字起こしを前編、後編に分けて掲載します。今回はシティポップ楽曲またはシティポップ風にカバーされたJ-POPを聴く「シティポップカバーソング」特集(後編)を掲載します。(前編)は下記リンクから。
Radio OK?NO!! Podcast #059「シティポップカバーソング」特集音声は下記リンクから。ポッドキャスト登録を是非、よろしくお願いします!
カンノ:次はDEENのシティポップカバーです。以前も流しましたね。DEENがシティポップカバーのアルバムをリリースしているんですが、なかなか衝撃を受けましたね。
上野:そうでしたね(笑)
カンノ:今回は「シティポップカバー」特集なので、DEENのカバーは流さないと。
上野:忘れてはいけないと。
カンノ:絶対に忘れちゃいけないから(笑)語り継がなきゃいけないから。やっぱりシュガーベイブがいたように、DEENもいたわけですから(笑)ということでお聴きください、DEENで「埠頭を渡る風」
カンノ:1曲目がMay J.の「RIDE ON TIME」でこれはカラオケの文脈であると。2曲目のCHAI「Plastic Love」はちゃんと独自解釈でプラスティック感を強めに出すということをやったという話をしました。やっぱり「この人がなぜそれをやるのか」ということが重要ですよね。やる理由。その人がそう思ったからそれをやるということ。May J.さんはかなり無意識化だと思うんですが(笑)でもシティポップと身体性って結構離れてるものだと思うんです。身体性じゃない人がシティポップに行くみたいな。極端なことを言うと、はっぴいえんどや山下達郎が大声でバーンとやるイメージってないじゃん。
上野:それはそうだね。
カンノ:May J.はそれをやっていますね。でね、DEENのカバーはなにを感じるとかというと、「俺たちにもシティポップができそうだ」っていうこと。これはやっかいですよ。「今流行りのこれができるかもしれない」って思ったおじさんってやっぱり危ないですからね。
上野:DEENの今のカバーはどうやって受け止めていいかわからないもんね。
カンノ:だって松任谷由実聴けばいいもんね。
上野:アハハハハッ!
カンノ:やっぱり「流行ってるし、俺たちも好きだし、やるべ」って脳みそを使ってない感じが伺えるというかさ。
上野:むちゃくちゃ言ってるな(笑)
カンノ:っていうかカバーをとおして、俺はその人の脳みそがみたいんだよ。脳みそか筋肉が見たいの。May J.は筋肉を見せてくれてるじゃん。歌筋肉を。CHAIは脳みそを見せてくれてるじゃん。カバーの解釈でいうと。なんかDEENはどっちも見てない気がするんだよね。
上野:言い方は難しいけど、DEENの今までの範疇のことをやってるように聴こえるってことかな?
カンノ:そうです。そうですね。おっしゃるとおりです。
上野:強く言うなよ(笑)もう2人ともこのまま奈落の底です(笑)
カンノ:ということで次は脳みそと筋肉の両方を見ようじゃないかと。
上野:おぉ!それは強いですね。
カンノ:相当強いカバーがありました。広瀬香美さん。
上野:あぁ!もう強そう!
カンノ:でもどっちかうというと、歌筋肉イメージでしょ?
上野:そうだね。圧倒的な歌唱力。
カンノ:それを、脳みそをやってくれる人が入った瞬間、超ヤバいという。松原みきさんの「真夜中のドア~stay with me」をカバーしているんですけど、ダブです。
上野:ダブ!?
カンノ:もうゾワゾワするでしょ?「どっちなんだ…?」って感じでしょ?
上野:「どっちなんだ…?」って思ってる。
カンノ:ちょっと聴いてもらいましょう。広瀬香美で「真夜中のドア~stay with me(DUB VOX)」
上野:これはトータルですごいですね。
カンノ:今回は「シティポップカバーソング」特集なのですが、これはシティポップではないです。
上野:これは衝撃が強すぎて、シティポップ云々の話じゃないですね。
カンノ:編曲をしているランキンタクシーがマッドサイエンティストすぎる(笑)ランキンタクシーさんはジャパニーズレゲエシーンの巨匠という人ですが、まずイントロのランキンタクシーのシャウトね。「コウミー!オケー!ラブミー!キスミー!ステイウィズミー!」
上野:それで「ピャッピャッピャ…」ってイントロね(笑)
カンノ:あとサビで急に落ちる感じもヤバい(笑)
上野:これはすごいね~。
カンノ:広瀬香美って歌筋肉の人じゃないですか。めちゃくちゃ高い声を大きな声で歌える人じゃん。その筋肉はすごいわかるんだけど、そういう筋肉の出し方はしないで曲をやってるよね。さっきのMay J.さんは筋肉見せつけ芸だと思うの。ボディビルダーがパンパンになった筋肉を見せる感じ。それに対して広瀬香美は筋肉パンパンではあるんだけど、「この筋肉、あんまり見たことないんだけど…」っていう箇所を見せてくる感じ(笑)
上野:見たことがない技だよね(笑)見たことのないポーズ。
カンノ:「腕のこの部分を捻ったら、この筋肉がボコっと出てくる」みたいなさ。そんなの知らないから(笑)カバーブームって2000年半ばくらいからだと思うんです。徳永英明さんが火付け役で。これはすごいですよ。1997年リリースのカバーアルバム。カバーブームを約10年前くらい。『Thousands of Covers』というアルバムですね。
カンノ:ちょっとこれはやられましたね。これはかなり賛否が分かれるカバーだと思いますね。シティポップブームで松原みきさんの「真夜中のドア~stay with me」という曲が流行っていて、それでいろんな「真夜中のドア~stay with me」を聴いてみようと思って、それで聴いた人がどう思うかだよね。どっちに転ぶか?
上野:でもずっと嚙んでると「これは美味しいかも」って思う可能性はあるよね。
カンノ:僕はそんな感じです。クセになって結構聴いてます。もっと言うと、このカバーアルバムは相当ヤバイ。いずれこのアルバム1枚を特集しようかなと思っています。
上野:それはいいですね。
カンノ:まぁ、凄玉が来たじゃないですか。これがラストだと思うよね。
上野:そうだね。
カンノ:今年、第100回ですね。「最強カバーソング決定戦」という企画を行いました。
カンノ:優勝したのは森進一さんでした。その準優勝が浜崎あゆみの「One Night Carnival」でした。
上野:そうでしたね!
カンノ:で、今年リリースのカバー曲はこれが最強かなって思うんです。このカバー曲に敵う者はいないと思ってました。えっと、台頭してきました。
上野:来ちゃいましたか。
カンノ:かなり互角の戦いになりそうなものが来ました。聴いてください。遊助で「さすらい~旅路~」
上野:これはヤバいですね。
カンノ:上地雄輔さんですね。おバカタレントもここまで来るとすごいですね。これは島田紳助さんのプロデュースでしたっけ?
上野:それはもう連帯責任をとってほしいけど、もうすでに引退してましたね(笑)
カンノ:一応シティポップの括りにしました。奥田民生さんをシティポップ風にアレンジしてカバーして、新しくラップが入っています。
上野:これさ、カバーっていうかサビだけ使っただけだよね(笑)
カンノ:引用ソング(笑)
上野:あと僕らがカバーの話をするときによく出る、本人が会議で曲を選んだのかどうかわからない問題ってあるじゃないですか。これも思うのは、上地雄輔は奥田民生のことがべつに好きじゃない気がするというか(笑)
カンノ:それに関しては意見が分かれるんだけど、俺はノリノリな気がするのよね。
上野:そうなのか。
カンノ:奥田民生のことはさておき、「さすらい」は好きだよ。
上野:「さすらい」は好きなのかな?
カンノ:っていうか今40代男性のほとんどは「さすらい」が好きだと思う。
上野:あぁ~、その世代ね。それに対するリスペクトが変な方向で出たのかな。
カンノ:あとリスペクトがない人ほどリスペクトしがちだよね(笑)
上野:あれあったじゃん、Official髭男dismの「Pretender」を嵐の二宮君がカバー。あれに通ずる感情の無さみたいなものを感じるんです(笑)
カンノ:そうなるとヤバいのが、新しくラップを書いてるところで。感情がないのに新しくラップ書いてるんだよ。
上野:っていうことは、「さすらい」が好きでリスペクトしていてカバーしたというよりは、ラップがやりたくて「さすらい」のサビを取ってきた可能性がある…。
カンノ:うわ~、それはヤバい!
上野:あくまで勝手な感想ですよ(笑)
カンノ:さっきからカバーの解釈論の話をしてますが、それは作り手の解釈論の話じゃん。この遊助の「さすらい」には作り手の解釈はないんだよ。俺たちがなにを解釈するかで決まるんだよ。「さて、あなたはどうする?」
上野:なんで俺たちが突きつけられなくちゃいけないの?(笑)
カンノ:やっぱりカバーとシティポップと自作のラップが混ざった瞬間ね。さっき『タケシムケン』って言ったけど、そこにとんねるずが混ざっちゃった感じだよね(笑)で、5回で終わる(笑)食べ物だと、カレー焼肉ラーメンですよ。で、どの味もしない。
上野:しかも大盛りね。
カンノ:大盛り。で、味噌汁がついてるの。
上野:変だね(笑)いや~、ビックリしました。
カンノ:っていうことで今年ヤバいカバー曲を聴きました。では最後にもう1曲、似たようなものを紹介します(笑)遊助さん、もう1曲出してました。ということでお聴きください。遊助で「浪漫飛行~君と逢えたら~」
『Radio OK?NO!!』はパーソナリティーの上野翔とカンノアキオが、最新J-POPやちょっと懐かしい曲をクイズやゲーム、時には曲同士を戦わせつつ(?)、今までになかった音楽の切り口を発見しようとする音楽バラエティ番組です。感想は是非「#okno」をつけてツイートしてください!お問い合わせはメール:radiookno830@gmail.com まで。